使用済み核燃料棒取り出しにわが国の総力を注げ

  • 2013/10/30(水) 21:38:21

11月8日から使用済み核燃料の取り出しが始まるので、わが国が崩壊するか否かというより、北半球の命運がかかっている最も重大な作業である。
にもかかわらず、メディアの関心はあまりないようで、ことの重大さを知らないのではないかと危惧している。
確かに、未使用核燃料2本を取り出すことに昨年、成功したので、安易に考えているヒトがいるとしたら大間違いである。核燃料棒は未使用と使用済みでは放射線放出量が1億倍も違うので、双方の燃料棒の違いは比較すらできないような大差だ。

このように重大な作業であるので、クレーン操作に関する十分な訓練を重ねてきたものと想像していたら、今日になって原子力規制委が福島第一4号機、核燃料取り出し計画を認可したとの記事(参考資料1)を読んだ。
またクレーンの稼働を確かめるための使用前検査を11月1日から始めるとのことだった。
クレーン操縦士は毎日激しい特訓を受けてきたかと思ったので、いささか拍子抜けした。
しかし、未使用燃料棒がまだ沢山残っているので、まずそれから実施すべきである。
壊れた使用済み核燃料棒の操作に習熟するには、模擬核燃料棒で訓練を重ね100%できる自信を持ってから1533本の使用済み核燃料のキャスクへの移管作業に入るべきだ。

作業中に地震が起こるケースもあるので、不測事態に備えてクレーンの直下には水槽を用意することなども考えられよう。
また、万一に備え、いろんなケースを想定したうえで住民の綿密な避難計画も、始める前に持つべきだ。

福島からの放射性セシウムの大気中放出量はチェルノブイリの3倍とEU機関計算

  • 2013/09/24(火) 13:38:34

タイトルはEU傘下の研究所(参考資料)の計算によれば福島原発から大気中に放出されたセシウムの総量は21京となった。チェルノブイリ事故では7-8.5京と報告されていることから3倍強の数値が算出された。
事故後間もなく報告された値はチェルノブイリの1/7程だったので、今回の計算により数値が一挙に40倍に増えた。

また、希ガスのキセノンは1100京と保安院により事故から数カ月後に報告されており、この量はチェルノブイリの2倍だった。

更に福島3号機ではMOX燃料がつかわれていたので、半減期の長いプルトニウムも放出された。

汚染水の海洋放出が最近報告されるようになり、にわかに環太平洋国の住民の関心も高まってきた。また新たな核種のストロンチウムやトリチウムも大量に含まれていることが報告された。
海へ放出された各核種の放射線量の濃度は現時点では皆目見当がつかないが、後何年かすれば海水濃度からの推定量が算出されるであろうが、現時点で収束できるならば、回復の見込みもあろう。

太平洋は地球最大の海であり、この環境を守るという気概で取り組み必要がある。
これ以上の汚染水流失は断固阻止すべき義務がある。

トリチウムの浄化は困難だという意見もあるが、実際に浄化は行われており不可能ではない。
汚染水の浄化はトリチウムまで含め全核種で行うべきである。

このように事故の規模がチェルノブイリの数倍になってしまったことは残念であるが、起きてしまった現実は隠すのでなく認め、今後の事故拡大防止に全力を尽くすべきだ。

またこれから始まる4号機の保管核燃料の除去は一歩間違えれば、作業員の撤退から周辺の原子力発電所での事故に連鎖し、日本沈没まで起きかねないそれほど重要なことを認識すべきだ。最も緊急で最も重要な課題と認識すべきである。

被ばく軽減について、チェルノブイリよりはるかに線量が多かったというエビデンスは被ばく被害もそれだけ大きいことを想定すべきだ。
これからまもなく顕著に出てくる甲状腺がんや白血病とする様々な疾病に対する対策も医療界をあげて取り組むべきだ。

以上を考えればオリンピックとかリニア新線で浮かれるのではなく、現実を直視すべきだ。

              参考資料
http://enenews.com/eu-funded-research-fukushima-atmospheric-release-210-petabecquerels-cesium-137-upper-bound-simulation-chernobyl-estimated-70-85-petabecquerels

政府の汚染水対策公表に失望

  • 2013/09/05(木) 14:05:14

一昨日安部首相は福島原発からの汚染水流失問題に積極的に関与し、国費450億円を投入すると公表した。その内容を聞いて汚染水流失問題の本質を認識してない、オリンピック開催を前にしたパフォーマンスに近いものと受け止めた。

あまり怒っても自分が胃潰瘍になるくらいで、ほとんど効果がないかと思い書く気もしなかった。
しかし、冷静に考えると、怒りを内面に溜めてストレスに転化するより、書いて公表することにより自分の脳を空っぽにしてしまうほうがむしろ健康には良いかと思えた。さらに行動するか、しないかの違いは選挙ではゼロかイチの違いしかないが、ブログでは賛同者が一人でも出ればプラス1ずつ加算されていくので、チリも積もれば山の精神でコツコツ積み重ねることも良いかもと思った次第です。

福島原発からの汚染水流失問題は現在、世界の大衆の最も高い関心時のように思える。ただし、世界の政治家の最大関心事はイラク問題であり、政治家の関心はまだほとんどないように思える。

福島の汚染水流失問題がなぜ緊急事態かというと、汚染水貯蔵タンクに蓄えられた汚染水の放射能濃度は当初東電から100mSv/時間と公表されていたがそれが急に1800mS/時間に変わった。その理由が100mSvとしていたのは測定器の上限値がそうであったからで、高濃度測定できる計測器を用いたらこの値になったとの説明であった。
今まで100mSv/時間ということを聞いていた海外のヒトは犯罪行為だと激怒した。

1800mSvの高線量下で数時間作業すれば致死量にいたる。この汚染水にはβ線が主のようで少し離れれば被ばく量は減る(β線は1mで1/500に軽減)。 しかし、タンク中の核種組成比は公表されておらず、超法規的な尺度でしか作業できない放射線量であろう。さらに複数のタンクから流失し、水浸し事態になれば作業員も近付けなくなろう。

<作業員の不在の無人状態になれば、1−6号機の原子炉のみならず、各施設に付属した燃料プールおよび共用プールの全部で1万1千本の核燃料が燃え、多量の放射性物質で東日本の広範囲地域にヒトが住めなくなるであろう。このことの裏づけ資料は2012.8.31衆議院以内集会でガンダーセン核技術技師が講演(参考資料1)したものです。>

この参考資料の講演があった時点ではまだ汚染水の流失は表面化していなかったので、4号機に付属したプールに保管された核燃料棒に焦点があてられているが、作業員が居なくなれば同様なことが起こるだろう。

次に具体的に書く
1.責任者は誰か
政府が責任をもって進めるならば首相は責任者を言い、具体的なことについては汚染水の対策の総責任者が日程的なことも含め、説明すべきだった。
首相が重大な結論を下すことはあっても、日常の具体的な指示をすることができないので自明なことであろう。

2.汚染水貯蔵敷地を大至急作る
福島第一原発周辺地域は狭く、諸設備が密集していて、限界に達したように見える。 何か事故があれば収束作業もできなくなる恐れがある。至急敷地を現在の5倍くらいに広げる必要があろう。
汚染水は1日400トンでるので、1年で約15万トン、30年で450万トン分の敷地は確保すべきだ。タンクでこれだけの量を保管するのは数だけでも大変だ。
プールに水漏れがあり、急遽タンクにしたが、プールが粗作りだったから漏れたので、コンクリートで固めた上にステンレス製板を溶接張りすれば長持ちするように思える。いずれにしても材料工学の専門家などの意見を参考に決めるしかないと思う。
時間がかかれば一時的にタンカー借用も有力であろう。

3.遮断壁の問題
8/27のブログで遮断壁は原発周囲を取り囲むように四方を取り囲むように作るべきだと書いた。
今回は海側のみに凍土遮水壁は建家周辺に1m間隔で配管を30〜40m埋め込み、超低温の液体を流して凍らせて遮水壁とすることになった。トンネル工事では実績があったが其の工事期間は短期で済むのに対し、汚染水は何十年も長期間冷却を続けなければならない。
従って、パイプの故障や停電なども心配だ。もっとも工事決定に至る過程では十分議論されたと思うので、決定の経緯について公表し、国民に衆知させておくべきと思う。
なお、山側に遮水壁を作らねば地下水流入を防げないのでこれも必須のはずだが、今回は抜け落ちていた気がした。

4.今回政府案の金額はあまりにも少ないのでびっくりした。
海外のインターネット上での書き込みでは、福島の原発処理費にかかるお金は収束までに10兆ドルとか20兆ドルとかの見解ももあるので、円換算したらびっくりする金額だ。もっとも金額がかかっても何千万人の命が助かれば安いものだともいえよう。

       参考資料1
http://www.youtube.com/watch?v=0d8cPiRjwmEr
(日本語音声翻訳もついています。)

トリチウムの被ばく影響についての考察

  • 2013/08/31(土) 11:49:10

水素の原子核は陽子が一つしかなく、それに原子核を周回する電子も一つしかない、原子の中でも最も単純なものなので、周期律表でもトップにランクされている。
この水素の原子核に中性子がひとつ付くと重水素(deuterium)といわれ、ほぼ倍の重さになる。重水素は自然界で0.015%の比率で含まれるが、原子が壊れて放射線を出すことはなく、安定同位体なので省く。

さらに中性子が二つ付くと三重水素(tritium, トリチウム)といわれ重さがほぼ3倍になる。<昨日超遠心分離法での分離が経済的に困難と書いたのは自然界では分子量16の酸素と分子を作っているので重量比はあまり違わないことが理由です。>
このトリチウムは放射性同位体で壊れるとき(半減期12.3年)弱いベータ(β)線を出す。

原子核内に中性子が入る前提条件は高速でなければならないので自然界では,宇宙線と大気の相互作用により天然に生成される。比較的最近新潟県で計測した数値は水1リットルで1ベクレル近くの値(参考資料)です。

人為的なものとして高速中性子を発生させる核実験装置や原発施設からも発生する。過去一番多く発生させたのは核融合実験や核実験時であり、実際、最も盛んに水素爆弾の実験が行われた1960年代は降雨中の濃度が100ベクレル/Lに達した時もあったそうですが、半世紀近く経過した現在は上述のように低い値に戻っている。

トリチウムの被ばく影響を考える時、水に含まれるトリチウムの場合には排泄が早いので比較的軽微ではないかと考えられる。一方、食物として植物や細菌などを経て有機化合物のトリチウムとして取り込んだ場合には、細胞の構成成分にもなるので、至近距離からの長期間に亘り被ばくすることが考えられるので影響が大きくなるように思える。

東電発表では放出されたトリチウムの総量は40兆ベクレルとのことなので、琵琶湖の水量(275億トン)で薄まったと仮定すれば自然界の値にプラスされるのは1.3ベクレル/Lなのであまり問題にならないように思える。しかしながら、これまでの経過を見ていれば発表数値が3ケタくらい簡単に増えることもある。
従って、福島の降雨中のトリチウムの測定を行い、数値を定期的に公表することが最も有力な判断材料を与えることになろう。環境庁は取りあえず福島県で定期的に測定し、公表すべきである。

             参考資料
http://mobile.pref.niigata.lg.jp/HTML_Simple/77/858/1614ebata.pdf

福島原発事故の規模はチェルノブイリの1/7から2、3倍へ拡大

  • 2013/08/29(木) 15:08:14

昨日のブログを読み返したら、汚染水の流失は大変な事態と書いたが、その程度についての量的な記載を忘れたことに気付いた。それで福島原発事故が大変な事態になっていることを量的な面からできるだけ分かり易く説明します。

2年前の今頃、国会の議論の中で放射性セシウムの量を聞いても事故の規模がよくわからないので広島原発を規準に比較したらどうなるかとの質問があった。
その時、広島原発の185個分と答えがあり、大きさが容易に頭に入った。
また同時に、チェルノブイリ事故と比較すると10数%(私は1/7と記憶した)との説明があったので、多くのヒトはチェルノブイリとの比較で安堵したと思う。
今問題になっている汚染水をこの図式で考えてみたい。

今回流失した300トンの汚染水の放射線量は京大の小出先生によればベータ線の線量は24兆ベクレルなので、広島原爆にほぼ匹敵するといわれた。福島第一原発構内に溜っている汚染水の総量は43万トンあり、濃度が同じとみなして比例計算すると、広島原爆約1400発分に相当することなる。従って、素人計算でも1400/185X1/7=1.1でチェルノブイリを少し上になったかという状況である。

なお、現在汚染水流失の事故レベルは3と判定されているが、何かのきっかけで大量流失すればすぐレベル7に格上げされてしまうことは容易に推察できる。

このような状況でもメディア報道からは深刻さは感じないが、現在の状況を国内の専門家はどうみているかいうと、英語論文のみの発信であるが、チェルノブイリ事故の2倍説(参考資料1)と3倍説(参考資料2)が公表された。

福島沖で海水中のセシウム濃度を測定している東京海洋大学のKanda教授は福島第一原発により放出されたセシウム137の総量は15.6京と算出した。
チェルノブイリ事故の放出総量8.5京なのでその2倍となる。なお、世界中(米、ソ連、中国、イギリス、フランス)で核実験が頻発に行われた時代に放出されたセシウム137を全部足すとこれくらいの値になるとのことだった。福島事故が如何にすさまじいか想像できると思う。

一方、Ebisawa核技術者は地下水まで溶質した量も加えて全てのセシウム137を算出すると27.6京となったので、チェルノブイリの3倍だった。

情報が少ない現時点での計算が多少違うのは当たり前なので二人の計算値はかなり近いものと解釈した。
従って、既にチェルノブリの2倍以上になったことは間違いないと見なせるだろう。

そのほか今回の流失問題では、今まで無視されてきたストロンチウム90とトリチウムが浮上してきた。ストロンチウム被ばく影響は骨に取り込まれると排泄が困難になることとβ線核種なので骨の近くにある造血細胞などは影響を受けやすくセシウムより何十倍(2から数百倍説まで諸説あり)も強い影響を受けるとみなすのが順当な考えであろう。
また白血病だけでなく糖尿病(娘核種のイットリウムが膵臓のインシュリン分泌機構を阻害)を起こすことになります。いづれにしてもストロンチウム90の簡易測定法は世界的にも認められているので其の方法の普及に努めるべきだ。
なお、骨ごと食べる小魚の摂食は測定値が示されるまで、少なくとも子供には食べさせるべきでないと思う。

トリチウムの放射線量は強くないが水素原子そのものなので、超遠心分離法で分離は可能であろうが経済性を加味したらとても除去など考えられない。

三重水素の生物的影響に関するレポートは知らないが天然の水でも極めて微量は含まれているので、いずれ調べてみるつもりでいる。

            参考資料
1.
http://enenews.com/water-with-pieces-of-nuclear-fuel-coming-up-from-ocean-floor-off-fukushima-coast-tokyo-professor-156-quadrillion-bq-of-cs-137-in-basements-getting-close-to-fallout-total-from-every-atomic-bombs-t
2.
http://enenews.com/nuclear-engineer-276-quadrillion-becquerels-of-cesium-137-estimated-to-have-seeped-into-water-that-fills-fukushimas-reactor-building-basements-triple-chernobyls-total-release-some-has-alr

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