原子炉廃炉ゼロ計画は日本消滅への道

  • 2013/07/07(日) 11:13:03

今日の新聞で日本の電力会社は一基の原発の廃炉計画もないことを知って呆然とした。

全ての生き物に寿命があることは誰でも知っている。同様に全ての機械にも寿命はある。
腐食しない金属はないし、摩擦を繰り返せば着実に其の部分は摩耗して必ず薄くなる。
原子炉には何万個もの部品が使われているので各部品について寿命があることは明らかである。部品は取り換えできたとしても原子炉本体は取り換え不可能である。よって原子炉には寿命があることは明らかである。

実際、現在使用されている第2世代原子炉の設計時の寿命は30年から40年であった。
その後、第2世代原子炉の多くはその活動寿命が50年から60年に延ばされてきているのが現状である。その理由は恐らく運営者が経済性の視点から正常運転時に原発事故が起きた例がないからという楽観的視点に立ちすぎていることが原因のように思える。
設計時には一般に相当過酷な想定をすると思われるので、若干の延長があっても即、事故になるわけではないが、地震などが来れば想定より小さな地震で事故が起こることは避けられないであろう。
実際金属疲労を専門とする大学教授が40年を過ぎた九州地区での原子炉の脆性破壊(ご指摘いただき訂正)について書いた文を読んだ記憶がある。
そういうわけで、設計時の思想を超えて運転している原発では震度6以下でも事故が起こる確率が高まりつつあり、廃炉しないで運転を続ければ事故の危険性は年々高まる。従って、廃炉計画は先手を打って進めることは日本壊滅から身を守る手段である。
原発事故は一旦起これば其の損害は甚大であることは、世界の保険会社で原発事故の損害保険をする会社が存在しないことからでも類推できるが、電力会社の責任負担能力を超えていることは福島原発事故で明らかになった。よって、原発廃炉計画(福島原発も含め)は国主導で進める必要があり、また、何も罪のない子供たちへの負担を回避する道でもある。

現状は新潟県知事のように原発事故の深刻さを理解しておられる知事もいるが、大部分の原発実施地域では将来のことを考えず目先の利益ばかり考えて行動している自治体長がほとんどと思う。

その最大理由は原発事故による健康被害についてはマスコミが抑えているので、被ばく被害の大きさを多くの国民がまだ認識できていないことにあると思う。
しかし、物事には隠せることと隠せないことがある。私は何度でも書いていることだが、ヒトが生まれることと死ぬことは隠せないエビデンスである。
従って、急激な人口減少という形で顕在化(チェルノブイリ原発事故では7,8年後)すれば、其の時には説明の言葉は不要となり、誰でも認識できるであろう。
しかし、其の時になれば多くの病人が出て、体力がなくなるであろう。廃炉を計画的に行えるのは体力のある今しかないであろう。またこの廃炉を進めることこそが、福島原発事故を起こし,多大な被害を与えた東日本の子供達に対する私たち大人の責任ある行動と思う。

ドイツの電力貿易収支は昨年度大幅輸出超過で1680億円の黒字

  • 2013/04/04(木) 09:45:10

2022年までに全ての原子力発電の閉鎖を決めているドイツで、12年の電力輸出量が666億キロワット(KW)時となり、輸入を228億KW時上回ったことをドイツ連邦統計庁が2日発表した。
 
先進工業国日本において起きた福島第一原発事故のショックを受け、ドイツでは産業界、市民代表などあらゆる階層を含み、国民全体を巻き込み、徹底的討論の末、脱原発策を決定し、17基稼働中の原発のうち、事故から半年経たない同年8月に8基の原発を閉鎖した。太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの急速な普及に方向転換した。この方針転換は徹底しており、原子力メーカーであるシーメンス(日本でいえば日立や東芝のような会社)も原子力発電からの撤退に方向転換をした。

そういう努力や天候の影響もあったためか ドイツでは12年の再生可能エネルギーの発電割合が原発より6ポイントほど高い22%と過去最高を記録した。電力の貿易収支は11年の60億KW時から12年度は4倍弱の228億KW時に増加した。その結果14億ユーロ(約1680億円)の黒字となった。

日本ではドイツはフランスから輸入するから可能だという憶測に基づいた流布が広く信じられているが、昨年度1年間における電力の輸出および輸入の実績は大幅な輸出超過で1680億円の黒字だったエビデンスがあることを強調したい。
従って、メディア関係者に言いたいことは思いこみに基づいた文でなくエビデンスに基づいた文を書いていただきたいと願うものである。

マグネシウム合金電池などの実用化を急ぎ、安全で安価なエネルギーを

  • 2013/03/18(月) 16:54:15

今日の東京新聞24面に、東北大学未来科学技術センターがマグネシウムを利用した燃料電池を開発した。マグネシウム合金+太陽光=夢の電池との見出しもあった。同センターの小浜教授は「太陽光によるエネルギー循環型社会も夢ではないと意気込む」との記事があった。この記事を読んで素晴らしいことだと、同教授が意気込むことが良く理解でき、社会への貢献という点ではノーベル賞以上のものになるであろうと思った。その概要を次{ }のように整理してみた。

{プラス極はマグネシウム合金であり、これは産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が開発済みの「難燃性マグネシウム合金」を利用する。この合金は空気中の酸素と結合して酸化型に変化する過程でリチウム電池より5倍の電力を発生する。試作品の電池で小型テレビを30時間見続けられた。しかも使い切った電池(酸化型マグネシウム)は直径1.5mの凹面鏡を、太陽光に当てることにより10分ほどで元のマグネシウムに還元できた。}

マグネシウムは2価の金属なので、安定性があり、扱いやすいだけでなく地球上にも豊富に存在している。一方、一価の金属であるリチウムは反応性に富み、過電流が生じやすいことはボーイング機の運航停止問題でも明らかであり、かつ希少金属で高価だ。

試作段階での検討で其の優位性は確認されており、後は大規模化の実用検討であり、世界をリードすべく急ぐべきだ。

高速増殖炉も核融合型ネルギーも60年以上の歴史にも拘わらず、進展がなかっただけでなく、人類に対する危険性が次第に明らかになってきた。高速増殖炉や核融合の研究に金を使うのでなく、マグネシウム電池の実用化などを急ぐべきだ。

日本には上じつ以外にも、筑波大学による藻からのオイルの大量生産、九州大学による海上筏式WINDS型風力発電など有望な分散型、安全、安価な新規エネルギーの試作段階を終えたものがあり、実用化に注力するならば、わが国におけるエネルギー問題が解決するだけでなく世界をリードできるだろう。

アメリカは原子力発電廃止方向に進みだした模様

  • 2013/03/16(土) 10:54:07

現在アメリカにおける電力の総発電量の2割を原子力発電が占めている。しかし、1979年のスリーマイル原発事故以来、新規の原発建設が30年間凍結されてきた。ブッシュ政権の時に「地球温暖化問題」の国際騒動を追い風に「原子力ルネサンス」が提唱され、原発建設の再開が模索されつつあったが安全性と採算性、核燃料処分地などの問題があり、停滞してきた。

アメリカ原子力規制委員会(NRC)は福島事故2周年の3月11日にメリーランド州のカルバートクリフス原発3号機について、建設許可を出さないことを決定した。同社は以前、米国の電力会社コンステレーションエナジー社と、フランスの政府系の電力公社の合弁会社だったが、2010年にコンステ社が原発の採算見通しの悪さを懸念して合弁から撤退し、仏公社単独の子会社となっていた。ところが、米国は、原子力エネルギー法で、外国人が単独で原発を保有することを禁じている。従って、今回の決定は同盟国でも法律を厳格に適用したとも解釈できる。

しかし、次の3つの理由で原子力発電撤退に進む前触れのように思える。
1. 原子力発電は高コストで採算が合わないということである。アメリカでは電力の自由化が進んでおり、値段の競争が激しく、総原価制度に守られ、競争のない日本の電力代はアメリカと比較すると2−3倍高い。その上に、安価なシェルオイルガスの採掘量が最近急ピッチで増えてきて原子力産業はアメリカでは採算競争上での完全な敗者になった。

2. 福島原発事故の影響が次第に明らかになるにつれ、安全基準がより厳しくなってきており、安全性への投資をしなければならなくなってきた。この面からも採算性が悪くなってきた。

3. 長い間アメリカでの原子力発電所の建設がなかったためか、原子炉メーカのウエスチングハウス社は東芝の小会社となり、GE社は日立製作との提携となったが、GEの原子力部門は縮小しているので、今や実質的に日本が牛耳っているといっても過言ではないだろう。
このことは原子力発電から撤退してもアメリカのメーカに及ぼす影響もほとんどないことを意味する。

泊原発再稼働を…経団連会長「人命にかかわる」

  • 2012/10/24(水) 19:53:50

タイトルの言葉は経団連の米倉弘昌会長が、23日、札幌市内で記者会見し、北海道電力泊原発について「厳冬期の停電は人命に関わる。そうした事態を絶対に引き起こしてはならない」と述べ、電力安定供給のために政府や原子力規制委員会に再稼働を強く求める考えを強調した。 

3−4ケ月前に、今夏は原発を稼働しなければ電力不足で大変な事態が起こると主張した。今度は事情がかなり違う冬に使った。
しかも、前に主張した言葉が実態を本当に反映していたか、考えたことがあるだろうか?

さらに、福島原発事故の影響は、チェルノブイリ事故から考えれば5年後より10年後、更に20年後とどんどん悪化することが予測されることを知っているだろうか?
原発事故の保険を引き受ける保険会社は世界でも一社もない。福島事故の場合でも損害が何百兆円で済めば良い方と思う。いくら電気代をあげても払い切れるものではなく、我々世代のできることは知れている。ほとんどの負担は子供や孫の負担になろう。

電力会社についても、 発送電分離、スマートメータの普及、交流周波数の統一などほとんどの先進国では既に実施されている。日本は周回遅れである。

経団連の会長ならもっと多角的な面から日本の将来を見据えて発言すべきなのに、なんと近視眼的な洞察しかできないかとあきれた。

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