骨ごと食べる魚(シラスやワカサギ)のストロンチウムの測定を急げ

  • 2013/10/08(火) 11:38:55

今朝のNHKニュースを見ていたら、大洗のシラスが風評被害で売れなかったが「もんじゃ焼き」にしたら大人気となり、大勢の観光客が押し掛けているとのニュースだった。
一見してなんでもないニュースのように聞こえたかも知れないが私は背筋が凍りつく思いがした。

現在福島原発からの汚染水は海外のメディアから連日のように報道されており、その際、最も恐れられている放射性物質はストロンチウム90である。
ストロンチウム90の物理的半減期は30年でセシウム137と同じであるが、生物半減期は約3カ月と50年と大幅に異なる。
従って、放射性ストロンチウムを摂取し、骨に取り込まれたら一生涯ベータ線の被ばくを受けることになる。造血細胞は骨髄にあるので白血病の原因になる。また脳内の神経伝達でカルシウムイオンが主要な働きをしているが、そこに入れば脳機能に影響を与える。

更に崩壊すると今度はイットリウム90となり、このものは膵臓に蓄積し、ランゲルハンス島にあるβ細胞を障害し、インシュリン分泌を抑制し、一型糖尿病を惹起する。

このようにストロンチウムは危険な放射性物質であるので、気象庁は半世紀以上も前から空気中の放射性ストロンチウムを継続的に測定し続けてきた。
米ソ各実験中における空気中の放射性濃度はセシウムとストロンチウム両者の測定値グラフが公表されている。
ところが、福島原発事故が起こると、その月末をもって測定中止に至った。気象庁の放射性物質の測定予算を管理しているのは文部科学省だったのでそこからの指示ということだった。

ストロンチウムとセシウムは原子炉内では約6%ずつ存在するので、気化温度は異なってもストロンチウムの放出もかなりあったものと想定される。ところが測定が困難という理由でストロンチウム測定はほとんど行われなくなった。

今回福島原発からの汚染水については、海外からの強い圧力があったためか知らないがストロンチウム90が測定された。しかもかなり濃い濃度が測定されている。

但し、海水量は膨大なのでシラスに含まれるストロンチウムの量は心配ない可能性もあるが、心配もある。結局測定データがないので何も判断出来ない。即ち風評被害とも言えないし、実害が心配ともいえない。

測定データを得て初めてNHKも堂々と風評被害という言葉を使える。今は言葉がエビデンスより先行していると言えよう。

チェルノブイリでは白血病は5年後にピークに達したが、福島でも既に白血病が報告され出しており、骨ごと食べる魚のストロンチウムの測定を急ぐべきだ。

追記:トリチュウムのことを書き忘れたので追加します。良く解説ではトリチウム原子担体の生体内吸収排泄について書かれている。しかし、自然界にバラ撒かれると細菌や植物により有機化合物となるので、生物の構成成分そのものとなるので、低いエネルギーのベータ線であっても、構成成分内からの照射であるので危険である。

福島県の赤ちゃん男女比逆転、飯館村は2倍差

  • 2013/05/15(水) 23:27:48

生まれたばかりの男女比は105対100位の比率で男が多いのが世界的に認められており、わが国でもずっとそうであった。

ところが、福島の原発事故後に妊娠して生まれた赤ちゃん(2012年1月生まれから)は男573人対女595人と3.5%女の子の比率が高くなり、この月から逆転した。
県全域では、山形県境近くの低汚染地域も含む平均値となるので、高汚染地域ではよりクリアな変化が予測された。

それで高線量地域である飯舘村で見ると、2011年12月〜2013年1月までの出生数は男18人対女36人と半数に逆転した。このように高線量地域では男の出生率が極端に減り、性差がより顕著に観察された。

この現象は次のように考えられるであろう。男の唯一のX染色体は母親に由来するので、母親が放射線に被曝した場合にはX染色体の劣性致死突然変異により女児の割合が多くなったと考えられる。

逆にチェルノブイリで原発作業員にできた子供での男女比は男の率が非常に高くなったことが報告されている。
⇒チェルノブイリ後は福島と違って男児が増えたという資料もあってこのようなケースかと思いましたが、記憶違いもあるかと思いまして男だけの被ばくにおける出生児の性比の文献を探したところ、日本語では見つからず、後英語で探して見ますが、なければこの項は削除させてもらいます。

この場合には父親の被曝によりX染色体の損傷は女児だけに伝えられるので男の割合が高くなったと考えられる。
福島の原発作業者にできた子供の出生時の男女比に関する統計がないので想像になるが、このケースでは男の比率が高くなるであろう。

南相馬市で壮年層(35-64歳)の脳卒中3.4倍(暫定的数値)増加

  • 2013/05/08(水) 19:53:31

南相馬市立総合病院の及川友好副委員長(脳神経外科医)は衆議院、震災復興特別委員会(2013年5月8日)に参考人として出席し、タイトルの発言(参考資料)をされた。

脳卒中について東大の国際衛生学教室と一緒になりデータ収集解析をしており、暫定的な数値と断りながらも65歳以上は1.4倍、壮年層は3.4倍に増加した。従って、脳卒中は高齢者よりもむしろ働き盛りのヒトに起こり易いことが示唆され、深刻さが浮き彫りになった。

昨年春の日本循環器学会総会において東北大学循環器内科学の下川宏明教授は東日本大震災後、宮城県内から東北大に搬入された救急患者では脳卒中、心不全や急性冠不全症候群そのほかが有意に増加したと報告(2012.3.23ブログを参照ください)があり、その報告を詳述した。

更に先月、岩手医大の調査により岩手県沿岸部で昨年度に較べ今年度は脳卒中患者が5倍に増えた旨書いた。
なおこの時のブログ(2013.4.6)には脳卒中の起こるメカニズムについての考察と引用文献も記載しました。

以上のように東北地方では東日本大震災の直後だけでなく、昨年度より今年度と脳卒中患者が時間経過に従い増加していることから、放射性物資による影響の可能性が高まっているようにも思えるが、原因究明と対策が急がれる。

東北大の報告では脳卒中だけでなく、心不全、急性冠不全などの心臓病関係の有意な増加の発表があったので、岩手県や福島県における心臓病の発症につぃての報告にも興味を持った。

参考資料 (youtubeで見れます)
http://www.youtube.com/watch?v=QS34wMR6ZBc&feature=youtu.be&t=1m28s

骨ごと食べる小魚や水道水のストロンチウム90の測定をすべきだ

  • 2013/05/06(月) 00:39:20

先日、太平洋に面したある県の漁協がシラスの冷凍販売を始め、好評の記事を読んだ。しかし、安全性が確認されてない状態での普及には問題があると思った。

現在日本ではストロンチウム90の測定がほとんど行われていてない。ほとんど測定されないから、数値が話題になることもない。いつのまにか話題にならないから安全という風に受け取られるようになった。しかしながら、本来安全とは測定されてはじめて使える言葉である。

ストロンチウム90の物理学的半減期は30年弱でセシウム137とほぼ同じであるが、生物的半減期は50年と長く、3カ月弱しかないセシウム137とは大きく異なる。
このことは、ストロンチウムは一旦骨に取り込まれたら排泄はほとんど期待できないので、例え少量でも取り込め続ければ蓄積し、一生涯被ばくし続けることになるので、セシウムよりはるかに危険である。

骨髄には造血細胞があり、ここがダメージを受けると白血病になる。またストロンチウム90の娘核種であるイットリウムは膵臓に移行し、糖尿病を惹起する。

また原子炉の中ではセシウムとほぼ同じ量の6%存在するので、当然今回も大量に放出された筈であり、何故測定しないのか不可解である。一番大きな理由はベータ線核種なので分離しなければ測定できず、γ線のように簡単に線量を計れないことにあるようだ。

日本では気象庁が放射性セシウムと放射性ストロンチウムを半世紀以上に亘り、定期的に測定してきた実績がある。この時の測定法は簡易法(国際的にも通用する)で行われていた。測定に1カ月もかかる方法に何故急に変えたのか理由が良くわからない。新しい方法での測定精度は高いであろうが、実用性も重要だと思う。

2011年3月、原発事故が起こるとまもなく、気象庁は文部科学省から測定中止の連絡を受けた。放射性物質の測定を気象庁職員が実施していたが、予算の管理は文部科学省が行っていたことによるようだ。かくして、核実験が盛んに行われていた時代にも、チェルンブイリ原発事故後にも定期的に(毎週か隔週間隔くらいで)行われ、貴重なデータの蓄積を続けてきたのに原発事故が起こり、最も測定が必要な時期において、突然測定中止になった。その後再開されたかも知れないが測定データの公表も一切なくなったので、外部からみれば中止になったと解釈せざるを得ない。

旧ソ連邦の国々ではチェルノブイリ原発事故時から今日にいたるまで、今日でもストロンチウム90の測定が行われてきている。

2年経過した現在では、ストロンチウムは酸性土壌には溶解しやすいので、湖や海水に移行していると思われる。
湖の水が川に移行するところでは薄くなっていると思うが、盆地のような湖に住む小魚を骨ごと食べるのは危険であし、またこのように湖の水を水道水にするのも危険である。海の場合もシラスのような場合には測定しなければ安全と言えない。よって、小魚や水門で隔てられているような湖の水を飲料水にする場合にはストロンチウム90の測定をすべきである。

福島県高汚染地域の家畜は昨秋から今春にかけ次々に死亡

  • 2013/04/15(月) 00:17:01

昨年秋福島県浪江町の「希望の牧場」で牛が続々と死亡(参考資料1)するとの報告があった。牧場主は次のようにコメントしている。「水のような下痢、鼻水、皮膚炎の蔓延など、免疫力が落ちていることは素人目にもわかる。その原因が、単なる栄養失調によるものか、流行り病か、放射能被ばくにあるのかはわからない。だがこれだけバタバタと死ぬ姿は警戒区域にほかないだろう 。この絶望的状況を、フクイチ症候群と呼んでいる。」

また飯館村臼石にある細川牧場(参考資料2)でも、「馬がどんどん死んでいて、この2年間に生まれた子馬は15頭生まれたが、ほとんど死亡したそうです。」「このようなことは過去に一度も経験したことがなく、放射能以外に考えられないとの牧場主のコメント」があったそうです。なお、放牧地内での空間線量を測定したところ3.5-4.5μSv/hr(参考資料2)もあったそうです。

放牧地のような広い面積は除染もできず、そこの年間被ばく量は直接被ばくだけで年間30-40mSvとなる。さらに、食べ物や飲み水、呼吸を介する被ばくを考えると相当な被ばくになりそうである。

家畜の場合1年前後で成熟するので、ヒトより成長速度が約20倍も早い。細胞増殖の速度が速いことはDNAの2本鎖の開いている時間がそれだけ長いことであり、被ばく影響もそれだけ大きくなる。また世代交代による遺伝的影響の発現も20倍も早く表れると見て良い。

従って、ヒトと家畜との間にはギャップはかなりありそうである。一方、ヒトにおける個人間の感受性差も大きい。
そこで、医薬や農薬の場合には動物試験データをヒトに外挿する場合、安全係数を通常100倍おいて使用している。

今回の原発事故では、27年前に同じレベルの原発事故を起こしたチェルノブイリの事例がもっとも参考にすべきと考えられるので次回述べたい。

参考資料
1. 希望の牧場〜ふくしま〜
http://fukushima-farmsanctuary.blogzine.jp/
2.  WINEPブログ様
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1658.html

HOME |