水素爆弾による漁船員被ばく調査資料破棄

  • 2011/05/21(土) 16:00:26

もう半世紀以上前になるがビキニ岩礁で水爆実験による被ばくを漁船員が受け死に至った。その死因はストロンチウム90が原因だったように私は記憶していた。そこで、ウイキペディアで調べたが放射線核種のことは全く書かれてなかった。
書かれていた要旨は次のようであった。

<当時ビキニ岩礁付近では数百隻の漁船が操業していた。水素爆弾の爆発の規模が予想より大きかったので、立ち入り禁止区域外で操業していた第五福竜丸の漁船員23人は全員が被ばくした。しかし、秘密の実験を目撃したという恐怖感から、無線信号を発することなく、ただちに母港である焼津港に2週間かけてもどった。船から30mが離れたところでも放射能が検出されることが静岡大学により確認されたので内部被ばくだけでなく強い外部被ばくも懸念される状況であり、無線長の死は放射線によることは異論がないはずだった。ところが、反原発運動の高まりを警戒したアメリカ政府は死因をサンゴ礁の化学的影響と主張し、結局200万ドルの補償金と引き換えに、日米合意により、本件の調査資料などを全て破棄することになった。>
 時間のある方はウィキペディアの第五福竜丸を是非読んでください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%BA%94%E7%A6%8F%E7%AB%9C%E4%B8%B8#cite_note-3

ストロンチウム90が私の記憶の中だけにしか残っていなかったとは何と哀しいことと思う。また犠牲者もこのような形で決着することは本望ではなかったと思う。
なお、ストロンチウム90はベータ線なので、γ線のような固有の波長はなく、特定するたには分離が必要で、設備の貧弱な当時では測定するにも何カ月もかかったのではと想像する。
最も測定の問題など些細なことで、当時ビキニ岩礁近くには日本から数百隻のマグロ漁船が操業しており、推定2万人が被ばくしたので、もしカルテ、被ばく状況、放射性物質に関する資料が残っていたら、今回の事故においても役立つ有用な情報が一杯あったと思うと無念でやりきれない。

<引用はご自由に>

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