低線量放射線は健康に良いテレビ報道で、信者増加中か

  • 2011/06/12(日) 01:29:40

若い女性を中心に最近放射性物質の摂取を気にするヒトが増える一方、逆に低線量放射能は健康に良いとむしろ歓迎する人もおり、2極化しているように思う。後者の説について書く。

放射能が健康に悪いはその後に具体的な症状がくるので評価可能である。
一方、健康に良いは極めて抽象的であり、評価が難しい。寿命が延びるなどの指標があれば評価できるがそれには長い年月と膨大な例数が必要である。生化学的指標の改善などはほとんどの場合、負荷に対応するための生体反応の亢進からくるリバウンドの反応を誤って評価しまうことがほとんどであろう。低線量が健康に良いという論文を新たに集め、読む気など全くなが、過去に読んだ論文を思い出しながら書くことはする。
アメリカの原子力関係機関で働く職員は一般の人(低所得者層の健康管理は日本よりはるかに悪)より癌にかかりにくいという論文を読んだ記憶がある。その時比較対象が悪すぎて検定は無理と思った。同じような仕事をしている職員間で被ばく量の多いか少ないかで2群に分けて検定すれば信用するのにと思った。
次にラドンを含む温泉の効用については昔から多くの論文がある。しかし、ラドンでなく硫黄やお湯に浸かる効果かもしれない。ラドンだけの効用については1,2ケ月前ブログに書いたのでそこで読んでもらえればと思うが、結論を書けば、ラドンはタバコに次ぐ肺がんの原因物質であり、この作用はしきい値なしの直線関係にあることが世界共通の認識である。効用を認めるヒトは世界中で散発的に存在していても、世界共通の認識になっていない。
唯一信頼のおけると思ったのは低線量被ばくを経験させたネズミに高線量被ばくを行うと、経験しないネズミに比べて症状が軽減すると言う論文だった。しかしこれとて高線量被ばくの軽減ということであり、健康とは関係ない。

ついでに書くと、マイナスイオン製品が健康に良いということで日本を席巻した頃、所属する学会ホームページに反論を掲載したことがある。賛成論者が日本だけでなく、アメリカ、ソ連、ヨーロッパ各国と何十カ国に亘り、支持する論文も500位あったと思う。ほとんどは質の悪い論文で学会報告の類のものだった。しかし、中にはアメリカの有名大学から脳内セロトニンに及ぼす影響という論文で、読んでも欠点がわからないものもあった。生化学的指標では悪い負荷を除去しようとして起きた亢進反応を、負荷なしで良い反応が起きたと見誤ったと思う。賛成論者は固まって団体を作っていたが、学術団体が効果を認めた国は1カ国もなかった。

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