情報を持っている人にはかなわない

  • 2011/06/13(月) 20:46:41

最初タイトルを情報の非対称と書こうと思った。しかし、今の気持ちをそのまま表すと情けないが表題のようになった。というのも食道を介する内部被ばくの項目を書いている時、次のことが頭にあり、少しは自信があった、ところが情報を持たない悲哀を味わせられた。

空気中放射性物質の飛散は爆発直後が最大で以後減少し続け、陸でのストロンチウム90の報告も2,3ケ所あったがたいしたことがないと思った。メルトスルーにまで至った現状では、原子炉を冷却した放射性物質を高濃度に含んだ汚染水に含まれるストロンチウム90が問題になってくる。しかし、この対策は汚染された小魚などをさけることで防げる。知識あるものは防御できると自信過剰なことまで書いてしまった。

ところが事故から3ケ月も経ってから次のような報道が文科省や東電から合い付いてあり、しかも初報道のストロンチウム89もありびっくりした。
<文科省は福島原発から29キロ西北西の浪江町が最も高くストロンチウム89が1500ベクレル、ストロンチウム90が250ベクレル。次いで36キロ北西の飯舘村で「89」が1100ベクレル、「90」が120ベクレル。最も遠かったのは62キロ北西の福島市で「89」が54ベクレル、「90」が7.7ベクレルだったと発表した。>
<東京電力は12日、福島第一原子力発電所の1、2号機周辺の地下水から、放射性物質のストロンチウム89、90が検出されたと発表した。 中でもストロンチウム90は半減期が長く、体内に入ると骨に蓄積しやすく、内部被ひばくの恐れがある。しかし、濃度は、健康に影響がないレベルという。施設内外の土壌からストロンチウムが検出されたことがあるが、地下水から見つかるのは初めて。
 地下水は5月18日に採取した。原発の爆発事故により放出され土壌に含まれていたストロンチウムが、雨水を通して地下に流れ込んだと見ている。>

今まで漠然とは考えていたが、詳しい発表がなかったためそれ以上考えなかった。土壌汚染が広範囲にあり、更には地下水も、それに伴って、飲み水や野菜・肉などもう一度ストロンチウムも入れて考えなければならなくなった。ところがストロンチウムの場合ベータ線なので分離に1週間もかかり経費も高く、生産者が簡単に測定できる核種ではない。頭が痛い問題が浮上してきた。また発表では健康には影響ないと書いてあったが、そのままうのみにはできないと思った。疑い深くなって自分でも情けないが、いろいろ考えていたら、
ストロンチウム騒動が一段落した頃、今度は最悪のプルトニウムの測定結果が出てきそうな予感がした。実際プルトニウムは3号機の燃料であり、かつアメリカをはじめ多くの国で既に測定されているので、必ず問題になってくるであろう。だとしたら、先手を打ってプルトニウムもこの際一緒に考えて見ることにしたいと思った。

それにしても政府のしてきたことは国民に対し、情報を隠しながら、風評被害やチェーンメールに気をつけろとか、頑張ろうという精神的な広告とか、地産地消運動とか、福島の農産物を試食するとか、本筋と離れた事ばかりしている。どんなに厳しくても真正面から実態を把握し、国民に情報開示し、全ての叡智を集め、国民の健康と財政も含め、透明性を持って、国民に選択の道を提示し、国民とともにこの困難を乗り切ることこそ本道であろう。

福島原発事故の情報開示は海外からも、あまりにも小出しで、あまりにも遅く(too little, too late)と不満がでてきた。3ケ月たったこの時点では 旧ソ連の同じ時期と比べても情報開示が遅れているという国もでてきた。こんな状況では海外観光客もなかなか戻って来ないであろう。

次回はストロンチウム89および90について土壌の具体的な数値がでたので、野菜や牛乳への影響。プルトニウムの吸収排泄や毒性問題。地下水の動き。情報の非対称に如何に対処すべきかなどテーマが沢山浮かんだがわかることから書いていきたい。
<引用はご自由に>

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