放射能汚染水の海への流出の影響

  • 2011/06/27(月) 23:43:13

福島汚染水を太平洋に流出させれば海水で薄まるので安全になるとの説明を良く聞く。
確かに太平洋は広く、深く、そこには地球上に存在する水の1/3(6.2億立方キロメーター)もあるので計算してみた。

まず立方キロメーターと言われても実感がわかないのでリットル(L)に換算すると62000京リットルになる。

最小のケースと起こりえる最大のケースを想定しておけば、現実に起こることはこの間に入る。

まず最小のケースを計算するが、これは現時点で放出された量である。
既に空気中から77京レベル放出され、このうち大部分は結局海に流れ、海へ流れた量しかし、福島の海水は銚子沖で暖流とぶっかると向きを変え、アメリカの方向に向かうので海流が違えば混合も起こりにくい。更に深海と表層の水の動きも違い、また北半球の水が南半球と交わるのもゆっくりと起こるので、大平洋の海水が完全に均一化するのには1000年かかるといわれる。

もうひとつは生物濃縮でプランクトンからコウナゴの様な小魚、中型魚、大型魚と生物濃縮がおこり、拡散したものが収斂していく現象も起る。
今まで排出された放射能汚染水だけでも、既に史上最大であり、アメリカを初め世界の海洋生物学者がいくつかの調査船を出す予定であり、秋ごろから調査報告が入手できそうである。

次に実際に起こるかも知れない可能性を無視し、最大のケースを想定する。
この場合は核燃料の絶対量から計算する。チェルノブイリ原発の核燃料が10トンに対して福島第一原発の1−6号機(燃料棒5042本)および共用プール(燃料棒5400本弱)には使用済みを含んで500トン<因みに広島原発50kgで核分裂したのはたった1kg>もの核燃料があり、50倍になる。従って、チェルノブイリの520京の50倍は26000京である。

このケースで計算すると、太平洋の海水1Lには0.4ベクレル含まれる。
アメリカの水道水基準では0.11ベクレル/L なので基準を超える。更にアメリカ西海岸まではあまり希釈されないので、二桁くらいのベクレル値もあり得よう。
アメリカ西海岸はパニック状態になるのは間違いないであろう。
このレベルになれば太平洋全体への海洋生物への深刻な影響も出よう。

太平洋の海水は膨大なので、現在までの放出量では完全に薄まれば濃度上から問題ないと考えられる。しかし、海水の動きは複雑で海流ごとに別々の動きをするので濃度の偏りがいつまで続くか不明である。一方、魚などによる生物濃縮という収斂方向の動きもある。その影響はこれから何年にも亘り、徐々に明らかになっていく状況なので、これ以上海への放出を何としてでも阻止すべきである。

<引用はご自由に>

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