被ばく基準に「原爆データ利用に異論」

  • 2011/07/21(木) 20:35:47

タイトルは今日の東京新聞3面の見出しから引用した。
副題は「広島・長崎:一瞬で強い放射線;福島事故:低量、漏出止まらず」であった。
更に書き出し文は次のようであった。「福島原発事故で作業員や住民の被ばく量の基準は、長年にわたり蓄積された広島・長崎の被ばく者のデータに基づいている。
しかし、低い線量の放射性物質による汚染が長期間続いている今回の事故は原爆と異なる面もある。」

かねてから原爆被害と今回の福島事故を同一に捉えていることに異議を唱えてきた私としては、やっとまともな記事に出会えた。もっとも他紙については読んでないのでわからないが。
放射線問題の専門家には山下俊一教授や久住静代元教授も入っているがそれぞれ、長崎原爆および広島原爆医療の専門家である。ところが、内部被ばくの専門家が一人も入っていないことが問題であったと思う。
そのために政府の被ばく対策のピントがずれていたように思う。また海外からは呆れられている理由でもあろう。

ピントずれについて具体的に書く
●ICRP(国際放射線防護委員会)モデルを内部被ばくに適用するのは適切でない。
従って、学校の校庭の空間線量が1-20mSvの問題は直接被ばくであり、一般論では内部被ばくより小さい。
給食における地産地消問題は内部被ばく問題であり、より大きい。勿論両者の具体的な軽重は一般論でなく、核種や具体的な数値を比較することで決まる。

●ICRPモデルは年齢別の感受性差などほとんど考慮されてない。
従って、妊婦、赤ちゃん、幼稚園児、小学生に対するきめ細かな対策できない。

●我が国ではICRP基準をまるで憲法のように引用しながら、まだ2007年勧告にも対応(法整備)していない。ただし、今回の福島原発事故に対応できるように内部被ばく問題に対応できるモデル(ECRR欧州放射線リスク委員会基準)も取り入れるべきだ。

●ICRP基準では発がん性だけを原則問題にするが、例外は小児甲状腺がんくらいか。
放射線による生殖系、心臓血管、免疫、中枢神経などへの影響は多くの医療関係者が認めている。しかし、ICRPによって無視されてきたので、未だに量的な関係がわかっていないだけである。
<引用はご自由に>

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