生涯摂取上限100mSvの意図はなぜか?

  • 2011/07/22(金) 23:17:47

食品の放射性物質の影響について検討している内閣府食品安全委員会の作業部会は21日、人体が受けることのできる放射線量の目安について、生涯摂取量の上限を100mSvに制定へ、会合で座長案に合意したとのことである。5歳までの小児は成人より影響を受けやすく可能性があるとし、規制の値に留意する必要があるとの意見も一致したとのことである。
なお、この検討の際にはチェルノブイリ事故の文献も取り上げられ検討したとのことだった。

現行は食品だけで5mSv/年を基準に考えている。新案では、更に直接被ばくも含み、しかも生涯ということなので、100/50年間=2mSvとむしろ厳しい基準になるのかと想像して、先に投稿したが疑念が生じたので破棄し書き改めることにした。

冷静になって考えてみると、現在基準値以上の牛肉問題で困っているので、過去してきたように基準値引き上げの、方策として考えたようにも思えた。以前書いたこともあるが、基準値を引き上げれば、とたんに後は基準内だから安全だと主張できる。

もう一つの問題は直接被ばくまで合算すれば一般人でも年間20mSvを超えるヒトが出てきたので生涯100mSvに引き上げようとしているかもしれない。そうしてもつかのもの時間稼ぎにしか過ぎない。
しかし、5年間100mSvの被ばくは直接被ばくではない。半分内部被ばくと仮定し、10倍すれば合計550mSv、更に赤ちゃんは10倍すれば5500mSvとなり大変な事態だ。
もっとショックなことは先日来日したバスビー教授は内部被ばくは直接ひばくの300-1000倍の影響があるとのことだった。この計算はしないが後8年もすればどの説が正しかの決着はつく。

生涯という言葉は安心感を与えるが、極めてあいまいで、年齢によっても変わるが、非常時のこの時期だけは特別扱いにしてしまって、その時期が過ぎれば厳しくするという風に恣意的な運用も可能になってしまう。
個々の食品の基準値設定に老人も子供もまじった極めて幅広い数値がある場合でも基準値を幅では示せないと思う。
現在の5mSv/年は内部被ばくであり、直接被ばくに比べたら影響ははるかに大きい。またこの値は原発事故直後ということからICRPが提言したことであって、平時ではもっと低い値にもどす必要がある。

また生涯に受ける被ばく線量を想定して食品の安全基準を決めている国など、世界をみわたしてもどこにもないと思う。

また検討会の議事録を最後まで読んだら、最後の方に広島・長崎被爆者で固形がんのリスクが増加したのは被ばく線量が125mSvの文献という記事があった。
食品基準値設定という内部被ばく問題に、全く違う広島・長崎原爆の外部被ばくの議論は不要である。
以上のことから、頭の良い官僚が100mSvは安全という風に国民を洗脳するために考えついたように思えた。

食品基準をいじるより、観光客をとりもどすためにも、水の基準を、WHO基準の10ベクレル/Lに早急に戻してほしい。

チェルノブイリは遺伝子の中で荒れ狂う

  • 2011/07/22(金) 08:24:53

チェルノブイリ原発事故から25年たったが、その被害は小さくなるのでなく大きくなっている。
ドイツ国営放送ARDのニュース番組、TagesschauのHPにチェルノブイリ被害者救済活動を続けるドイツ人女医、Siedendorfさんへのインタビュー記事が掲載され、その記事の日本語への翻訳は在独の日本人医師Eisbergさんのblog(リンクの最上段にあります)で読めます。
その中の一部を紹介「」の枠内の文章。

「Siedendorf: 他のどんな災害とも異なり、被曝被害というのは時間が経つにつれて拡大します。逆さにしたピラミッドのようなものです。フクシマ事故に関しては、今、そのピラミッドの一番下の先の部分にある状態です。チェルノブイリはそれよりももう少し進んでいる。チェルノブイリは遺伝子の中で猛威を振るっています。いえ、遺伝子だけではない、遺伝子が操作するすべての細胞にチェルノブイリが巣食っているのです。

たとえばストロンチウムやセシウムなど、半減期が30年ほどの核種に被曝するのです。この30年という半減期ですが、10倍にして考えなければなりません。これらの核種が生物学的サイクルからなくなるまでにそのくらいの時間がかかります。300年という年月はヒトでいうと8〜10世代に当たりますが、この間は被曝による病気が増えると考えられます。

質問: 何故、子どもの糖尿病が増加しているのですか?
Siedendorf: セシウムによる低線量被曝が原因だと考えられます。食物連鎖を通じて妊婦の腸内に取り込まれます。子宮内で胎児の膵臓の発達が阻害されるのです。膵臓はインシュリンを分泌する、非常に繊細な器官です。子どもは三歳になるまで修復機能を備えた免疫系を持ちません。また、子どもは大人よりも細胞分裂が速いです。細胞がちょうど分裂するときに放射線を浴びると、影響が大きいのです。ですから、子どもの場合、ほんの少しの線量の被曝でも成長が妨げられてしまいます。

質問: フクシマの被害はどのくらいになると予想されますか?
Siedendorf: フクシマの被害はチェルノブイリ以上になるのではないかと思います。まだ事故は収束の目処が立っていませんし、非常に毒性の強いプルトニウムが放出されています。どれだけの量の放射性物質が海に流れ込んだのか、そしてそれはどこへ向かっているのかについて私達はまったくわからない状態です。それに、日本は人口密度が高く、ベラルーシとは比較できません。また、日本では飲料水は山で採集されています。山が放射性物質を含んだ雲の拡散をせき止め、放射性物質は海岸沿いの狭い地域に溜まっています。9ヶ月で事故処理すると日本政府は言っていますが、まったく馬鹿げています。そんなことは空約束に過ぎません。」

以下は追記
チェルノブイリ同レベル被ばく面積は日本が半分だが人口は日本が倍である。
チェルノブイリの降雨量は300mm/年と少ないが、福島は約5倍大きいので、このことは有利であろう。
ストロンチウム、プルトニウム、キュリウムなど余りにも情報開示が少なく、誰でも安心できない状況と思う。

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