原発事故による最大の影響はDNA損傷に伴う遺伝障害

  • 2011/08/30(火) 22:50:37

プロローグ:報道されない真実
福島原発から多量の放射線が放出されたとき、原爆や原発事故における過去のデータから将来がんになる確率が100ミリシーベルト/年で0.5%増加するが、それ以下の量で明確な影響は分からない旨の説明が繰り返し行われた。私はこの報道に非常な違和感を持った。

線量の単位はベクレルで表され、1個の原子核が1秒に1回壊れることを計測できるなど原子核エネルギーは莫大で百万エレクトロンボルト(MeV)もある。一方、通常の化学反応では、1分子の反応で生成されるエネルギーは、一桁のエレクトロンボルト(eV)単位しかなく、100万倍も違う。このようなエネルギー差があってはDNAの塩基結合の破綻など容易だろうし、生物は進化の過程で何種類もの修復機構を獲得したとはいえ、複製のため二重鎖が開く時期では間違いも多くなろう。

7月になりEisbergさんが翻訳された、ドイツ人医師の「チェルノブイリは遺伝子の中で荒れ狂う」を読んで、チェルノブイリは遺伝子の中で猛威を振るっています。いえ、遺伝子だけではない、遺伝子が操作するすべての細胞にチェルノブイリが巣食っているのです。という話を聞いて多様な症状の根源は遺伝子にあることを悟った。

今日偶然 平成6年12月16日の国会議事録(第131回国会 厚生委員会 第9号)を見つけた。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/131/1210/13112061210009a.html
⇒今日見たら国会議事録まで削除されており、仰天しました。9月7日記入
会議録は膨大で関係箇所を探すのも大変かと思うので要点だけ書きだす。

「1982年、W・L・ラッセルという人が数百万匹のマウスを使って十年余にわたった実験を行った。----大阪大学医学部の近藤元教授の本の中で繰り返し引用されている言葉を申し上げたい---
 今申し上げましたように、数百万匹のマウスを十余年間使ったということは、三年で一代と説明してますが<1年で1、2代できてしまう筈です>少なくとも10(?)代以上にわたって実験をしてきた目的は遺伝子障害を見るためです。-----このラッセルという人は大実験をやっているわけです。
数百万匹のマウス、十年以上と言葉では言いますけれども、大変なものですよ。ですから、この大実験を私たちは拳々服膺しなければならないんじゃないか、こう思います。
 ラッセルさんの結論は、どんな微量の放射線でも性細胞に被曝をいたしますと、つまり性細胞に刻印をされると放射線によってDNAに障害が起きます、それは子孫に突然変異を増加させることになる、これは人間にとって将来が極めて危険であることを示している、これは国際合意に達している。
 しかも、人類の遺伝子プールに一遍入りますと簡単には排除できないということなんです。つまり、蓄積をする一方である。だから、私はチェルノブイリと広島、長崎は同じだと思うんです。あの大事故が起きて、チェルノブイリのときの放射能ちりは地球を駆け回ったわけだ。日本にだって数週間後に来ているんです。あのころ、新聞紙がなんか頭につけて、雨が降るとこんなふうにして逃げているようなのが新聞にも出ていました。間違いなく来たんです。ですから、放射能ちりは世界を駆けめぐるわけだ。広島も長崎も同じだと思います。
 したがって、原爆攻撃をしたということは、広島、長崎を攻撃しただけではない、人類の遺伝子に影響を与えるような攻撃をしたんだということを私は改めて申し上げたいわけです。」--引用はここで止めますが雌の場合は遺伝子修復機構が働くとかの記事もありますので時間のある方はお読みください。

17年前の国会において放射線障害における最も危険なことは遺伝子障害であり、どんな微量であっても遺伝子に影響を与えること、またこの事実は国際的にも合意されたことを明らかにしている。なお、引用記事で話されている高桑栄松議員は医師でもありました。
本会議の出席者に私の知っている名前はなかったが、17年も経つと政治家は入れ替わっていると思う。しかし、ほとんど全ての専門家は世界公認の事実を知っている筈である。
それにしても半年も伏せることができたのは不思議だ。
<引用はご自由に>

トルコの村でチェルノブイリ事故翌年生れた17人全員白血病死

  • 2011/08/28(日) 11:52:05

タイトルは今日の反骨のトルコ言語学者・小島剛一氏の記事のなかに付録のように書かれた文であるが、将来放射線障害に関連して参考になることがあるかと思い、メモ代わりに書く次第です。

「チェルノブイリ原発事故による欧州放射能汚染図にトルコの記載はないが、隠れたホットスポットが存在していた。
原発から1300km離れたトルコ北東部にあるラズ語を使う地域リゼ県メカーレスキリット村では、事故翌年の1987年に生まれた17人の子供全員が90年代後半に白血病でなくなったそうで、その中には小島氏の膝の上で遊んでいた子供もいた。
また同村を含め黒海沿岸で2000年以降、癌患者の発生率が以前の10倍以上に増えたとの記事もあった。」

どれほどの放射性物質が降下したかの記載のないことが問題である。しかし、同じ村で同じ年に生まれた17人全員が10代で同じ病気で死亡したということは牛乳とか飲み水とか共通した放射能汚染原などがあった筈のように想像する。

健康調査でこれほど明確な差が観察されることは極めて珍しいことであるのに放射能汚染国に何故入っていないのか、トルコでの評価はどうなっているか調べたところ、トルコ原子力エネルギー機構のオカイ・チャクロール総裁は、チェルノブイリ事故がトルコには影響を及ぼさなかったと述べている。同国が放射線の影響を認めることは自国の原子力政策の変更につながりかねないので、放射能汚染国になることを拒否したように想像する。当時トルコを支配していたのは軍事政権であり、全てが極めて政治的に決まってしまうものだと思った。

一方、チェルノブイリ事故後トルコから日本へ輸入した食料品の放射線検査でセシウム137が370ベクレル/kg(当時の日本の輸入規制値)を超えたために輸入禁止措置が取られたとの記事を見つけた。従って、同国に放射性物質の降下があったことは間違いない。

上述の理由で今は公式に認められないが、将来政治情勢が変わり認められるようになれば、仮に計測されたデータがなかったとしても、セシウム137の土壌汚染の損失は想像したより遅いことが今年の国際環境会議などでも報告されたことから、かなりの精度で推定可能であり、将来貴重なデータの一つになる可能性がある。

福島原発放出セシウム137は広島原爆185個分

  • 2011/08/25(木) 21:31:21

タイトルは今日の新聞に報じられた見出しである。

今回政府試算の開示により福島第一原発から大気中に飛散したセシウム137は、広島原爆がばらまいたセシウム137の185個分ということであった。
しかし、これは空気中に飛散した量の比較である。広島や福島の住民にとって最も問題となる地上に降下した量(fallout)の比較ではない。

私が7月18日ブログで福島原発事故のセシウム137の汚染は広島原発の1万倍以上と推定した。
その根拠は飯館村の土壌でセシウム137が163000Bq/kgとの文科省による報告から、アメリカのアルゴン国立研究所の核研究者の Chen氏にならって50倍の系数を掛けて計算したところ、飯館村のセシウム137濃度は810万Bq/平方メータとなった。
一方、広島市でのセシウム137の最高濃度が500ベクレル/平方メータという説があり両者の比較から1万倍の差を推定した。

しかし、同時に現象面からの裏付けも考えた。
事故前の福島第一原発1,2,3号機には、広島原爆4000発分の核分裂生成物が蓄積されていたと推測される。
地震や津波により冷却機能が失われ、相次いで、空だき状態から、メルトダウン、更には水素爆発により、放射性物質は敷地外へ放出された。熱はそれほどなかったのであまり上空に行かずかなりの量は1km未満の高さで東北、関東を中心に飛散したが、一部は上空まで舞い、偏西風にのりアメリカを初め世界各地に飛散し、多種類の放射性物質が測定された。

広島原爆は地上600 mの高度で瞬間的(相対性理論適用時間は1万分の1秒という超短時間)な爆発のため、ものすごい爆風と熱量が発生し、巨大な火球となり大部分は上昇気流によって上空に押し上げられ、大部分は成層圏まで飛び、そこから偏西風にのり太平洋へ飛んでいった。地上に降下した量はごくわずかで広島市の北西部(己斐、高須地区)に黒い雨となり降下した。
以上の定性的解析からも1万倍の差はありうると想定した。

別のアプローチとして先日、国会で児玉先生が放射線量で比較すると原爆の20倍違い、1年後の残存量では1/10と1/1000差があるとのことでした。従って、1年後には2000倍の違いが生じることになる。それ以上の年数後の差は言及されなかったが半減期2年と短いセシウム134の方が137より1割ほど多く排出されていることから数年後には1万倍の差があるかもと想像した。
なお、原爆の場合の残留放射能が1年後1/1000と急減を予測されているが、これは原爆発生時に放出される大量の中性子線によって地面や建物など放射能を持たない物質が放射能を出すようになる(中性子放射化)ことと。もう一つは反応時間があまりにも短いため原発では出る量の少ない半減期が極めて短い物質が出たことによるかもと想像した。

以上から約1万倍の差があるとの考えはむしろ補強されたものと思った。

本推定の精度を上げることのできるのは、関係する専門家でしかありえない。広島と福島の住民にとって最も有用なフォールアウト量の比較も是非お願いしたい。計算は中心から100kmというような円心状でも広島県と福島県の比較でも何でも構ない。あるいは広島市北西部地域における地表面におけるセシウム137の平方メータ当たりのべクレル値でも精度の高いものがあれば教えていただきたい。
<引用はご自由に>

間違った放射線記事を現在も書き続ける新聞

  • 2011/08/23(火) 14:33:43

今日の新聞4面に3分でわかるQ&Aコーナーの質問コーナーで

「Q:原発事故で他の(放射性ヨウ素とセシウム)飛散した放射性物質は?
A::約29年で半分に減るストロンチウム90と2万4千年後にようやく半分に減るプルトニウム239なども飛び散ったが。しかし、気体になりにくく遠くまで飛散せず、原発付近でしか見つかっていない。生活する上で心配ない。」

この文章の中で、しかし以降の文章は間違いだらけなので説明する。
セシウムとヨウ素は気体になって遠くまで飛んだがストロンチウムとプルトニウムは気体になりにくいので遠くまで飛ばなかったと解釈できるが、4種全てが気体にならない。

4種の重さ(質量)はストロンチウム、ヨウ素、セシウム、プルトニウムの順で重くなる。放射性物質が遠くへ飛ぶのは空気中に飛散する粒子に付着して飛ぶのであって原子の質量よりも浮遊粒子の影響が大きい。

4核種は福島でも、東京でも、アメリカ各地(直近20年間で最も高い値)でも計測されている。高放射性粒子も原発敷地付近と飯館村はほぼ同じ濃度が測定されている<英文雑誌に発表されたものを読み次第、このブログで紹介します>。

生活上の影響を考える場合には放出された放射性原子の個数でみるのが最も合理的である。それで見ると最も多いのはセシウムで、次いでストロンチウム、ヨウ素、プルトニウムである。 

因みに放射性の壊変数であるベクレル量で放出された量の順序をみると。最大はヨウ素、次いでセシウム、ストロンチウム、プルトニウムの順である。ヨウ素が既に問題にならないことを考えればこの順での表示の価値が低いことが容易に理解できる。

現在ストロンチウムが話題になっていないのは測定が大変だから実施してないだけである。
何故なら、既に空気中に放出されたストロンチウムだけで89が2000兆ベクレル、90が140兆ベクレルである。ストロンチウムは骨に沈着し、生物的半減期が50年であり、今後測定が行われる度に深刻な状況が明らかになり、セシウムより大きな被害を与えることが次第に理解されてくるであろう。
 
メディアにいるヒトは入ってきた情報を脊髄反射のごとく瞬時に右から左へ流すのでなく、自分の頭で咀嚼して書いていただきたい。
<引用はご自由に>

10Sv点発見、造血幹細胞の事前採取を急げ!

  • 2011/08/23(火) 00:17:10

造血幹細胞の移植後最も重要なことは自己と認識されることなので、虎の病院の谷口医師が中心になり熱心に進めておられることを知って頼もしく思った。実施する上で最大のネックであろう医療側が推進側だし、何か月前に、仙谷副長官も了解してくれたとの記事を読んだ後、障害になるものは何もないと楽観していた。

8/19の日経ビジネスオンラインで技術関連の作家、山根一眞さんの造血幹細胞の事前採取、不要見解をめぐるヤミを読んで吃驚した。

もし問題があるとすれば、費用だが、1000人でも1.5-5億円あればということであったので、一人で退職金を5億円も貰うヒトもいるのだから全く問題にならない額だと思う。とすると反対意見など出ようがないと考えるのが自然であろう。

内閣府の原子力安全委員会(班目委員長)が、その「自家造血幹細胞移植は不要」としていたことが明かになり、更に日本学術会議東日本大震災対策委員会がそれに追いうちをかける声明を出したということであった。しかし、日本学術会議の委員会というものは開催まで怪しいことがわかった。

姿を見せたのは班目委員長だけだが、姿を見せない勢力がからんでいるようにも思えた。

平均年齢の訂正を繰り返した検察審査会は少なくとも動機は推定できた。

今回は動機がさっぱり推測できないので不気味だ。

福島原発事故が起きてしまった現在、これ以上の悪化を食い止めることは至上の課題である。
その課題をこなすために、原発作業者はいつ起こるかわからない直接被ばくの危険性も顧みず、現場で必死の作業をしている。10シーベルトを超える箇所も見つかり、その必要性は益々重要になった。
このように最も過酷な仕事に従事している人たちに万一の事態が生じれば、最大限の治療を施してあげるのは政府の当然の義務である。

多忙な医療側の人たちも瀕死の人たちを救うために献身の手をさしのべようとしている。
 
このような不条理が通る社会であってはならない!
再び「Time for Outrage」憤慨せよと、ネットユーザーの皆さんと一緒に叫びたい。
<引用はご自由に>

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