文科省3、4月の放射線降下量7/29発表

  • 2011/08/03(水) 23:42:04

気付くのが遅れたが文科省が7月29日になって、4ケ月も前の放射性物質の各県別降下量(fallout)データを開示した。
遅い、遅い何ということだろう?
しかも一番知りたい福島県と宮城県は空欄である。特に宮城県は計器故障が2ケ月連続である。しかも福島県は分析中とある。何たることだろうか?

降下物はヨウ素131、セシウム134と137であるが、セシウム134と137の量的関係をみると134が137に対して5−10%多いことが分かった。134は半減期2年と短いがまだ減少した量はわずかであり、両方のセシウムを開示すべきことを示唆する、現状の137だけの表示では放射線量が約半分になってしまう。

関東に降っていた、ヨウ素131、セシウム134、137以外の放射性降下物は、

ニオビウム95
テルル129
テルル129m
テルル132
銀110m
セシウム136
ランタン140
バリウム140

でいずれも、燃料棒が溶けていなければ出ない物質ばかりだ。もし、この表が示されていれば3月の段階でレベル7になっていたことがわかった筈だ。

銀は制御棒の材料なので、これが放出されたことは燃料棒が溶けたことを意味する。しかしこの頃燃料棒を冷やすということをテレビ、新聞も盛んに強調していた。
4ケ月も経ち国民も忘れてきた頃かと発表したのだろうか?

ストロンチウムはかなりの率であるはずだが何故ないか?
それから高放射能粒子であるキュリウム、プルトニウム、アメリシウムは3月20日前後にアメリカ西海岸地域で測定されていることから、それより多い量が日本各地に降下したことは間違いないであろう。

詳しくは次のURLをクリックしてごらんください。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles
/afieldfile/2011/07/29/1306949_072914.pdf

食品安全委員会意見交換会出席

  • 2011/08/03(水) 10:50:12

昨日は東京に行き、食品安全委員会主催の「放射性物質の食品健康影響評価案の概要」で意見交換会に初めて参加した。
出席前は生涯100mSv案が変更になりそうなら、ゼロ歳児から遺伝子修復に関係する免疫系が備わってくる3歳児までは1/10位に下げる提案などしようかなとかいろいろ考えていた。
また時代遅れの頭なので、内容も理解できないでは困るのでゲノム不安定性やバイスタンダー効果も勉強しておいて出かけた。

委員会は小泉委員長から世界の論文を3300編も集め、3月から検討を重ねてきた、結果がまとまったということで、画期的な成果があるのかとの期待を抱かせた。
続いて山添座長より膨大な論文審査について詳しい報告があった。
まずヒトへの影響の定まっていないものを評価するのは正確さを欠くことになるため、人の疫学論文での評価をしたとのことだった。
この時点で最近における遺伝子生物学の急速な進歩に伴って得られた知見は取り入れないことがわかったし、ECRRから発せられ広島・長崎原爆を含む過去論文に対する見直し要求論も全く無視されているとように思った。

世界から集めた文献の中で広島・長崎原爆データがもっとも信頼できるデータであり、それによれば100(125?)mSv以下では全く影響が認められなかった。
従って、それ以下は閾値以下なので影響なしだった。
チェルノブイリの論文については如何に報告がずさんであるかについて長々と説明があった風に取れた。

結局約66年前の米軍占領下に集められ、占領軍撤退後は日本が中心だったがそれにしても何十年も前の、しかもセシウムの放出量が全く異なる事象に対し、論文の質が高いというだけで比較対象にすることに疑問を持った。

一番明快な説明はウランでこれは放射性物質であると同時に化学物質でもあったので動物における長期試験から農薬の評価の際通常行われるような不確実係数100(種差10、個体差10)さらには耐容一日摂取量(TDL)まで説明があった。動物試験データは厳密なコントロールされた条件下で行われているので私には理解し易かった。

一方、原発の大事故は滅多に起こるものでなくデータの蓄積がすくないことや、しかも突発的出来事で、個々の被ばく量もわからず、その状況もさまざまで、症状の記録も一定の形式が定まっていないことが多く、個体差も大きいように思えるし、疫学からの判断も容易なものではないと思った。

チェルノブイリ原発事故でも明らかなのは発がん性だけというとき、放射線はDNAの塩基結合にダメージを与えるのでそれに伴うサマザマな臨床症状も当然起きているだろうが、論文の質の高さを求めれば求めるほど、厳格な統計処理が行われ、結局それに耐えられ残ったのが、発がん性に過ぎなかったと私は思う。

そのほかインドの自然高放射線地域住民の癌患者の発生は他地域と変わらないといった報告もあったりしたので、最後の結論はどうなるかと思っていたところ、最後のまとめは安全優先の考えを取り入れた。
生涯100mSv(確かに年あたりにすると1.25mSvになり、現行の暫定値5mSv/年より4倍厳しくなっている)を設定したということで安心した。

後半は質疑に入ったが説明に対する質問に限定し、一人2分間に限定された。
山添座長は論点の焦点が必ずしも一致しない面もあったが、終始ニコニコ冷静に丁寧に説明された点は感心した。

私の質問は、しきい値以下の放射線による影響について、現在ではICRPも全米科学アカデミーも認めているのではないかということと原爆に関する論文の質が高いから参考にするということでなく、原爆では上空で爆発し放射性粒子は成層圏に飛び放射性粒子は広島の西部地区にしか落ちず、福島原発とセシウムの量が何千倍も違うのは問題ではないか、この辺まで話したところで2分の質問時間のベルが鳴り、チェルノブイリの方との比較した方が良いのではないかについてはどこまで話したか忘れた。ICRPが影響を認めた論文についての不備について細かな説明があり、ICRPも今は後悔しているのではなかろうか?全米アカデミーの考えやセシウム濃度の違いについての説明はなかった。
チェルノブイリ事故についてはウクライナ、ベラルーシなど3カ国の間でも被ばく濃度に関する言い分が全く違い、どれを信じていいかわからないという山添先生の記憶が鮮明に残っている。

インドや高線量地域のヒトの発がん率に影響がないから、もっと高線量でも全然問題にならないという意見に対しては日本のバックグランド値とインドの高線量地域のバックグランドは違うという座長の答弁があり安心した。

小さなお子さんを持つお母さん方達からは心配する声が多くあがった。
しかし、消費者団体の代表者からも生産者のためにももっと基準を緩めては良いのではないかとの意見もあり、結局意見は多様であった。

なお、現在パブリックコメントを募集中ですのでご意見のある方は提出(8/27)下記をクリックして投稿ください。
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_risk_radio_230729.html

安全委員会はあくまでリスク評価するところで、具体的な数値を決めるのは厚生労働省ということだった。
従って、最後の役所が国民に最も影響を与えることが分かりました。

以上内容の客観性より、私の感じたことを中心に書きました。
<引用はご自由に>


HOME |