放射性セシウムは様々な病気を惹起、病理学者からの警告

  • 2011/08/05(金) 19:58:36

福島原発からは数多くの危険な放射性物質が放出されたが明らかになったのはセシウム137とヨウ素131(半減期が短いので今は問題ない)だけである。
未だに、そのほかの核種とその量および放出された地域に関する情報はほとんどない。更に海への放出となると益々情報が少ない。

化学物質を一定量以上生産する場合には化審法という法律により、農薬では農水省の、医薬の場合は厚生労働省の法律により、動物を用いた毒性試験が義務付けられている。
しかし、放射性物質の線量とその影響に関する毒性試験レポートはほとんどない。何故なら高濃度大量の放射性物質は原子力発電所から放出されないという前提になっていたためか、放射性物質の毒性試験の実施を義務付ける法律はない。

結局疫学的手法で因果関係を証明する試みが行われてきた。
しかし、原子発電所事故は突発的に起こり、被ばく量さへ正確に把握できない例が多い。癌の場合には被曝から発病までの期間が長く個人差も大きいことから因果関係を証明することは益々困難となる。特にチェルノブイリのような生活水準や医療水準の低い地域では臨終間際に医師の診察を受けることも多く、白血病や肺がんになっても癌と認知されることなく逝った例も多かったのではないかと想像する。そうすると疫学的証明は益々難しくなり、母集団は何万人あるいは何十万人も必要となり、結局、因果関系を立証できなくなってしまうケースがほとんどと思う。従って、立証されてないから安全を保証をするものではない。

ICRPもチェルノブイリ原発事故後の放射性ヨウ素による甲状腺がん以外認めていない。

ところが少数例でも因果関係を証明できる方法がある。
それは組織病変像と放射線濃度との因果関係を同一個体で証明できる病理学的手法を用いることである。この場合には疫学手法に較べてはるかに少数例で因果関係を証明できる。

ベラルーシの元ゴメリ医大学長、バンダジェフスキー博士は、大学病院で死亡した患者を解剖し、心臓、腎臓、肝臓などに蓄積したセシウム137の量と臓器の組織病変の関係を調べた結果。体内のセシウム137による被曝は低線量でも危険との結論に達した。
しかし、低線量被ばくは危険でないという政府の方針に反したために別件容疑で逮捕され投獄(危険なら国が存続できず)されてしまい論文も埋もれた。

この本は英語版を、茨城大学名誉教授の久保田先生が日本語に訳されています。書名は『人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響―チェルノブイリの教訓 セシウム137による内臓の病変と対策―』である。(一冊1000円。注文先:久保田先生の電話・FAX0294・36・2104、mkubota925@yahoo.co.jp)

本を8月9日入手しました。50ページ弱で要点を中心ですが、28の参考文献が記載されており、必要に応じて調べることができます。⇒8月9日追加

とりあえず、その本に関連して竹野内さんがその要点を記したメールをEisberg(Linkの最初にあります)さん宛出されていたので、その文を読んで、とりあえず私の感想を書きます。
●心臓への影響
心電図波形の異常も認められるとのことだった。心電図を見てない状態での私の想像だが、細胞が興奮する時、細胞膜にあるカリウムチャンネルが開き、瞬間的に大量のカリウムイオンが細胞内から細胞外に出るが、セシウムはカリウムより2電子軌道分直径が大きいことからその穴(チャンネル)を旨く通り抜けることができないであろう。
感度の点から考えると骨格筋やポンプ機能を司る心筋細胞よりも、パルスの発生から収縮までを伝達する特殊心筋細胞群の受ける影響が大きいと思う。
ここが障害を受け易いといっても多分感受性の高い人から起こるであろう、つまり、不整脈の中でも房室ブロック(心房から心室への連携した収縮が遮断)の経験が過去あるようなヒトから起こると思う。それで、そういう方は念のため食品摂取時に気をつけておいた方が良いと思った。
クレアチニンホスホキナーゼ活性が上昇しているがこれは大動脈圧が減少したために冠動脈血流量が減少し、結果として心筋虚血からこの酵素の活性があがったと想像する。
牛肉で3400ベクレル/kgの牛肉が見つかっていたことから、筋肉全般に広く存在するクレアチニンホスホカイネースまで影響を与えないと思う。
この推論が正しいか否かの判定は、コールド(放射性でない)のセシウムを用いて簡単に確認出来ます。

線量のことでは子供の感受性は高いでしょうし、私が勝手に判断すべきでないので竹野内さんの要点は*項目でした。

* セシウムの平均蓄積量30.32±0.66Bq/kgにあるゴメリの三歳から七歳の子供は蓄積量と心電図に比例関係があった。
* チェルノブイリ事故後のゴメリ州住民の突然死の99%に心筋不調があった。持続性の心臓血管病では、心臓域のセシウム137の濃度は高く、136±33.1Bq/kgとなっていた。
* ミンスクの子供は20Bq/kg以上のセシウム137濃度を持ち、85%が心電図に病理変化を記録している。
* ミンスクの子供で、まれに体内放射能が認められない場合もあるが、その25%に心電図変化がある。このように濃度が低くても、心筋に重大な代謝変化を起こすのに十分である。
* 動物実験で、セシウムは心筋のエネルギー代謝をまかなう酵素を抑制することがわかった。
* 平均40-60Bq/kgのセシウムは、心筋の微細な構造変化をもたらすことができ、全細胞の10-40%が代謝不全となり、規則的収縮ができなくなる。
* 動物の体内の100-150Bq/kgのセシウムはさらなる重大な心筋変化、すなわち、拡散する心筋は損、リンパ細胞とマクロファージの病巣浸潤物および血管多血が認められた。
* 900-1000Bq/kgのセシウム蓄積は40%以上の動物の死を招いた。

●免疫系への影響
セシウムは免疫の低下をもたらし、結核、ウィルス性肝炎、急性呼吸器病などの感染病の増加につながっている。免疫系の障害が、体内放射能に起因することは、好中球(白血球の一種)の貪食作用が減退することで証明されている。

放射性セシウムの生殖系、甲状腺、肝臓、腎臓、発がん作用については別途整理して書きます。
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追加:話は変わりますが、先日の国会内でのと児玉先生の発言の中にセシウム137が膀胱内で6ベクレル/L濃度ではP53に変異を起し前癌状態になるという話がありました。それについて少し書きます。
この濃度は毎日2Lの尿を出す人は毎日12ベクレル強の摂取を続ければ、やがてこの濃度に達します。従って低濃度も無視できない可能性を示唆していると思います。
<引用はご自由に>

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