福島原発放出セシウム137は広島原爆185個分

  • 2011/08/25(木) 21:31:21

タイトルは今日の新聞に報じられた見出しである。

今回政府試算の開示により福島第一原発から大気中に飛散したセシウム137は、広島原爆がばらまいたセシウム137の185個分ということであった。
しかし、これは空気中に飛散した量の比較である。広島や福島の住民にとって最も問題となる地上に降下した量(fallout)の比較ではない。

私が7月18日ブログで福島原発事故のセシウム137の汚染は広島原発の1万倍以上と推定した。
その根拠は飯館村の土壌でセシウム137が163000Bq/kgとの文科省による報告から、アメリカのアルゴン国立研究所の核研究者の Chen氏にならって50倍の系数を掛けて計算したところ、飯館村のセシウム137濃度は810万Bq/平方メータとなった。
一方、広島市でのセシウム137の最高濃度が500ベクレル/平方メータという説があり両者の比較から1万倍の差を推定した。

しかし、同時に現象面からの裏付けも考えた。
事故前の福島第一原発1,2,3号機には、広島原爆4000発分の核分裂生成物が蓄積されていたと推測される。
地震や津波により冷却機能が失われ、相次いで、空だき状態から、メルトダウン、更には水素爆発により、放射性物質は敷地外へ放出された。熱はそれほどなかったのであまり上空に行かずかなりの量は1km未満の高さで東北、関東を中心に飛散したが、一部は上空まで舞い、偏西風にのりアメリカを初め世界各地に飛散し、多種類の放射性物質が測定された。

広島原爆は地上600 mの高度で瞬間的(相対性理論適用時間は1万分の1秒という超短時間)な爆発のため、ものすごい爆風と熱量が発生し、巨大な火球となり大部分は上昇気流によって上空に押し上げられ、大部分は成層圏まで飛び、そこから偏西風にのり太平洋へ飛んでいった。地上に降下した量はごくわずかで広島市の北西部(己斐、高須地区)に黒い雨となり降下した。
以上の定性的解析からも1万倍の差はありうると想定した。

別のアプローチとして先日、国会で児玉先生が放射線量で比較すると原爆の20倍違い、1年後の残存量では1/10と1/1000差があるとのことでした。従って、1年後には2000倍の違いが生じることになる。それ以上の年数後の差は言及されなかったが半減期2年と短いセシウム134の方が137より1割ほど多く排出されていることから数年後には1万倍の差があるかもと想像した。
なお、原爆の場合の残留放射能が1年後1/1000と急減を予測されているが、これは原爆発生時に放出される大量の中性子線によって地面や建物など放射能を持たない物質が放射能を出すようになる(中性子放射化)ことと。もう一つは反応時間があまりにも短いため原発では出る量の少ない半減期が極めて短い物質が出たことによるかもと想像した。

以上から約1万倍の差があるとの考えはむしろ補強されたものと思った。

本推定の精度を上げることのできるのは、関係する専門家でしかありえない。広島と福島の住民にとって最も有用なフォールアウト量の比較も是非お願いしたい。計算は中心から100kmというような円心状でも広島県と福島県の比較でも何でも構ない。あるいは広島市北西部地域における地表面におけるセシウム137の平方メータ当たりのべクレル値でも精度の高いものがあれば教えていただきたい。
<引用はご自由に>

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