ドイツ原発廃止決定の隠れたもう一つの理由は幼児癌

  • 2011/09/03(土) 14:47:28

ドイツで原子力発電所の廃止が決定された理由として、福島原発事故が技術先進国日本で起きてしまったショックもあろうが、表面に出なかったもう一つの理由があった。

それはドイツで16の原子炉がある周辺地域で幼児がガンにかかる確率が高いことが厳密な統計処理によって証明されたことによる。

ドイツでは子供が癌になると国に届ける制度があった。そのために全国規模の調査をしなくても長期間に亘る膨大なデータが存在していた。

ドイツ連邦放射線防護庁は、調査対象は5歳以下の子供に限定し、16基の原発の地区にある41市町村で5才以下の1592人の子どもがガンになり、その中の593人が白血病である。この時の比較対象となった4735人の子どもたちは同じ年頃、同じ男女比でしかも原発周辺地域の健康な子どもたちである。この比較グループは原発以外でのガンにかかる原因を調べるためにつくられた。

比較対象グループは、同じ時期(1980〜2003年)に同じ場所で育った子どもたちである。Case-control-study<ドイツ語ではFall‐Controll‐Studie>とはすべての事象がすでに起こってしまった過去のことを解析する手法であり、今回の目的にも良くマッチした統計手法である。この手法採用に関しては原発推進派も批判派も同意した。

ドイツ全土に25mメッシュの網をかぶせ癌にかかった子供の住み場所は全てメッシュで示せることになった。調査対象の子供の原発からの距離は25mの単位で表すことができた。
統計処理の結果原発から5km以内に住む5歳以下の子供の発がん率が有意だったことである。

今までもこの種の報告はあったが偶発的事象として棄却されるのが常であった。しかし、検定した16か所全て起きては統計学者をはじめ否定できるヒトは誰もいなくなった。

なぜ、幼児が原発周辺でガンにかかるのかは誰も理解できない。
被ばく線量は、周辺住民の公式の放射線許容量の何千分の1のレベルであり、しかも、飛行機に乗って浴びる量よりも又、レントゲン照射の量よりも低く、さらには、地球上の自然界の放射線レベルと比べてもずっと低いのに、なぜ、このような結果になるのかは、ほぼ説明がつかない。

この幼児のガンの罹患率が高いという発表は、原発周辺地域が危険であるという警鐘を鳴らすには充分なものであるが、今、CO2を出さないといわれている原発を温暖化対策に使うことを推進しようとする人たちには大きく出鼻を挫いた。

上述の結果は従来の我々の持っていた原発の危険に対する科学が如何に未熟であったかを示唆している。何故原発から5km以内の子供は白血病なりやすいのかは今後解明されなければならない課題となった。

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