福島膀胱炎は起さない、これこそ目標の一例だ

  • 2011/09/14(水) 10:44:46

一昨日、国際会議「世界の英知を結集して福島を考える」の感想文の中でゲノム科学とか書いたが、抽象的で分かりにくかったかも知れないと反省していたところ、今日の新聞で尿からの内部被ばくという記事があった。
7月末の児玉先生の国会でのスピーチで概要は知っていたが、この例をあげて、一昨日の補足をしたい。

広島原爆と福島原発では全然様相が違い、例えば放射性セシウムの降下量(fall out)だけ見ても1万倍以上違い比較対象にならない。原発事故という共通性からチェルノブイリ原発事故を詳細に検討し、最新の分子生物学知識を応用して福島原発の被ばく者に活かすべきである。

この意味で、病理学出身の福島博士はチェルノブイリ膀胱炎について詳細な調査研究をしてきた結果、DNAでがんの発生を抑える「P53遺伝子」などがセシウムからの放射線により変異し損傷した結果、前癌状態になることを見つけた。前癌状態で発見し、対策をとれば癌化を防げる。

ヒト細胞の核のDNA解析には何千人もの研究者が参加して困難を極めたが約2万2千(人によって数が若干異なる)の遺伝子とその構成は30億個の塩基対からなることが2004年最終確定した。

高速ゲノム解析時代に入った今は、人の全遺伝子解析にたった1時間、価格100ドルの時代になった。

細胞の中心の核の中にあるDNA塩基対は放射線によりズタズタにされる。いくつもの修復機構があるとはいえ、細胞増殖するときには必ず二重鎖は離れて同じものを作らなければならない。その時は修復に間違いが起こり易い。しかし、今や癌化と変異する遺伝子番号まで特定される時代になった。

福島博士は福島膀胱炎を起させないことができると話されている。
何十年後に福島膀胱炎が疫学調査で証明されたと国際会議「世界の英知を結集して福島を考える」で発表されたとしてそのことが何の価値があるだろうか?

疫学証明というのは予測できない事象を対象にするものであり、放射線とDNA損傷の関係は明確であり、更に癌化を防止するp53遺伝子が変異していることもわかり、線量との関係も類推できるまで医学は進歩した。
現在得られた知見を基に、論理的に防止への取り組みこそが価値があろう。
このことこそ、一昨日の会議(一部だが)を聞いた結果、私の主張したかった真意である。

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