祝、食品安全委員会生涯100ミリシーベルト答申

  • 2011/10/28(金) 10:19:16

8月に食品安全委員会の意見交換会に出席したが、その時は厳しくという意見が、緩くすべきとの意見よりも多かったがその差はわずかな印象を受けた。また参考資料検討結果では、一番信頼のおけるのは広島・長崎の原爆データという話もあり、私はセシウムの降下量が数千倍{当時私は1万倍と計算していたが広島の濃度の誤差を考えて少し低めに発言}にも違うのに参考になるのかと質問}したが、その後、多量のパブリックコメントがあり、9月の答申予定が遅れており気にしていた。

昨日、内閣府・食品安全委員会は「生涯の累積で100ミリシーベルト以下」とする評価案を厚生労働省に答申した。
今日の新聞によれば<食品安全委員会の健康影響評価を受け、厚生労働省は31日に審議会を開き、食品ごとの具体的な規制値作りを本格化させる。小宮山洋子厚労相は「さらに安全性を確保する必要がある」との見通しを示しており、厚労省は今後、最近の食品ごとの検査結果などを踏まえながら見直し作業を進め、年内にも新たな規制値案をまとめる。乳幼児に絞った規制値の新設も検討する見通し。>

現行の暫定基準値は5ミリシーベルトなので、新基準では人生80歳として100/80=1.25ミリシーベルト/年になる。従って、現行基準より、4倍厳しくなる。
従って、そのままスライドさせれば現行の食品500ベクレル/kgは125ベクレル/kgになる。また乳幼児用に絞った規制値も新設されるとのことなのでこの点も評価する。 私はこの案通り、現行のような荒いサンプリング検査でなく、全食品(あるいは工場の抜き打ち検査のような統計的手法に合致した検査)で実施されるならば、各国が取る日本食品に対する規制も緩和され、観光客の増加にもつながるかと思う。

以上、内容の良い面について述べたが、少しマイナス面もあるのでそれについて述べる。当初の案は外部と内部被ばく両方合わせて年100メリシーベルト案であったが、外部被ばく分は除かれたこと。ただし、文科省や厚生労働省管轄の外部被ばく分を含んでいたのでは一歩も前に進まないのでやむをえないかと思う。

また魚貝類や海藻のストロンチウム検査、キュウリウムなどの高放射能粒子の検査はほとんどされてないので今後の情報に注意する必要があろう。
また内部被ばくの影響に関する情報は少ないが、ヨーロッパでは低線量被ばくに関する研究や解析が行われているので、セシウムに関しても新たな展開があればこのブログでも報告したい。

福島原発事故後の人類への最も深刻な問題は遺伝子への影響だ

  • 2011/10/27(木) 08:51:38

タイトルの言葉は福島原発事故後来日したスイスのMartin Walter内科医の話した言葉である。また彼は「低線量被曝が遠い将来の世代に与える遺伝的な影響が大きな問題だ。これは人類にとっての倫理的問題でもある。」とも述べている。

前回日本人専門家が観察した、チェルノブイリ被ばく者の子供の遺伝子のミニサテライトが異常を起す旨書きました。しかし、説明が淡白過ぎて、あまり深刻には解釈できなかったかもしれない。この解釈を具体的に説明すると遺伝子が突然変異を起し、代々遺伝の法則によって受け継がれていくことを示す。更にいくつかの具体例で説明する。

チェルノブイリ原発事故処理でかなり被ばくした作業員が、その後結婚して生まれた子供は自身がほとんど被ばくしてないのにもかかわらず、子供の白血病が6-10倍も増加した。即ち、遺伝子障害を受けた精子を介して起こることを意味する。またロシアのDubrova医師はイギリスの科学誌(Nature:380:683−6,1996)にチェルノブイリのセシウム汚染地域のヒトに遺伝子突然変異が多くみられることを報告した。

またイギリスのセラフィールド にある使用済核燃料の再処理工場に勤務する人たちの子どもには白血病が多かった。その発症率は父親の吸収線量に相関していた。なお、子どもたち自身は放射線に被ばくを受けなかった。

以上のように放射能被ばくによって父親の優先遺伝子が損傷されると子どもに病気が現れる。しかし、劣性遺伝子が損傷を受けても表面的には何の異常も起きないが、子どもの遺伝子に受け継がれていき、後世代に、劣性遺伝子同士が結婚した時に初めて出現することになる。
このように両親の遺伝子の中で表面に現れるのは優性であり、劣性は現れないが、遺伝子プールの中に温存されて継代されていく。そして、将来劣性遺伝子同士が結婚すればその時に表面に出ることになる。

また一人の人間と別の人間は大体300万箇所(全部で30億個)違いがあるので、個人個人にとっての違いに神経質になることもなかろうかという考えも起きて当然と思う。その考えは被ばく者が少ない場合は何世代にも経る間に集団に埋没されてそのまま消滅してしまい、自然発生率と同様になるかも知れない。

ところが今回のような広範囲な被ばくを受けると、チェルノブイリの事故の影響を最も受けたベラルーシでは、25年経った現在でも「健康な子どもがわずか2割しかいない」という現実を無視できなくなるであろう。

まして、汚染食品や、汚染土壌を全国に均一にばら撒けば、発がん率に関しては確かに全国均一になり、訴訟はできなくなろう。しかし、それは補償費用の節減になるだけである。
もっと大きな問題は日本人全体の遺伝子プールの劣化であり、健康者が僅かになっては日本の衰退しかありえない。

ベラルーシでは放射線が高濃度に蓄積するキノコ類を常食していたので、日本は軽度であろうと想像するが、逆に魚を介するストロンチウム汚染の影響は大きい可能性もあり、日本人が現実を直視し、的確に対処できるか否かにかかっている。
今なら、まだ間に合うが残された期間は残り少なくなりつつある。
現状のまま、1,2年が経過すれば引きもどれない地点に至ってしまう可能性もある。<一定量を毎日摂取した場合、体内濃度[ベクレル/kg」のピークは1-2年後だが、3-5年後症状が出てから後悔しても間に合わないという意味である。>

超高速ゲノム解析時代(ヒトの全遺伝子解析が1時間100ドル)が3年以内に来ると言われている現在、結果の判定に何十年もかかる疫学は過去の遺物となった。
遺伝子解析で分かる時代になったことで、学者の見解が大きく異なることはあり得ない時代になることでもあると思う。

放射性廃棄物の全国拡散は後世代へ被害を拡大

  • 2011/10/26(水) 10:45:53

3,4ケ月前書いたが、現在ミニホットスポットや人工ホットスポットが方々にあることが続々とわかってきた。これから焼却場からの排気ガス飛散、ガレキ、肥料、食品をはじめとする物流による拡散などに加え、除染活動の本格化に伴い、今後日本列島は放射線汚染列島になる可能性が高まりつつある。こんな事態になっては取り返しがつかない。放射能汚染は我々の世代で完結させるように全力を尽くすべきである。後世代に負担を掛けてはならない。

そういう意味で細野大臣の「放射性被ばくの痛みを福島県民だけでなく全国民で分かち合おうと言う言葉は」精神的にそうしたい気持ちだけは持っているというなら理解できるが、実行するというなら完全に狂っている。

放射性物質は五感で感ずることができないので、どんな放射性物質がどれだけ分布したのか計測がまずされなければならないが、未だ放射性セシウムでさへ荒いマップがあるだけだ。
それにもかかわらず、セシウムを基準に放射性仮置き場方式でなし崩しでしようとしている。こんなに重要な問題を場当たり方式ですることには、本来はメディアが意見を言うべきであるが期待できないので書く。

放射性廃棄物のサイト開放基準はICRPでも1mSv/年から0.3mSv/年に厳しくなってきている。
我が国における放射性廃棄物の処分は国際基準(参考資料1,2、3)に完全に適合しなければならない。それは輸出入や観光業にとっても重要である。

私は国際基準と照合しているわけではないので正確にはわからないが、とりあえず仮置き場におくという思想自身が国際基準に適合しないことはあきらかであろう。既に7ケ月が過ぎている、国際的にも通用するグランドデザインを我が国の叡智を結集し、大至急決定し、それに基づき行動すべきである。

今拙速になし崩し的に行動して、安易な方法け採用し、失敗すれば、その時の廃棄物再処理費用は何倍にも何十倍にも膨らむ恐れがあるし、それ以上に後世代へ負担を被せる、無責任な行動にもなる。

何度も書いてきたことだが放射性物質は拡散でなくその反対の収斂の方向にもっていくべきである。できれば第一原発の近くだが、各県に1か所とかとにかく数を絞り、ビニールシートのような耐久性のないものでなく、恒久的な建造物で作るべきである。

参考資料
1.ICRP Publ.46(1985)放射性個体廃棄物処分に関する放射線防護の諸原則
2. ICRP Publ.77(1977)放射性廃棄物の処分に関する放射線防護の方策
3. ICRP Publ.81(1978)長寿命放射性固体廃棄物の処分に適用する放射線防護
  勧告

新語「ミニホットスポットおよび人工ホットスポット」の提案

  • 2011/10/23(日) 18:37:49

除染問題について書こうとしていたら適切な言葉が不足しているのではないかと思ったので考えてみました。

元々は放射能が低い場所なのに、その後、雨水や落ち葉などにより、あるいは砂が風に飛ばされて集まってできる周囲より比較的高い放射線の線量の高い場所は限定的で、風に運ばれてきた放射性物質がその時の降雨などの気象条件で偶発的にできるホットスポットとは明らかに広さが違う。従って、この場合にはミニホットスポット「英語表示はmini hot spot」と呼称するのが適切かと提案する次第です。また線源の範囲が1m以下くらいの狭い範囲の場合はマイクロホットスポットが「英語表示はmicro hot spot」のが良いかなと思いました。

それから除染などで人間が高放射性物質を集めてできた場所を人工ホットスポット「英語名dumping hot spot,現在は除染活動が動き出した時期ですのでこの単語を思った。一段落したらdumped が適当と思う。使い分けはdeveloping countryとdeveloped countryと類似していると思います 」と呼称するのが適当かと提案するしだいです。

この場所は除染活動の進展により急速に増えるが、風雨により自然にできるもとは明らかに違うので区別すべきと考えました。
最初「廃棄ホットスポット」という名称も考えました。しかし、日本人は廃棄という言葉に抵抗感を持つのではないかと考え、受け入れやすい表現として人工という表現を考えました。

人工という言葉の英訳という意味では「man-made, artificial, disposal」も考えられますがdumpingという言葉が一番英語に合うかと思った次第です。
⇒調べたらミニホットスポットも、マイクロホットスポットの表現は既に使われていることがわかりました。(10月25日追記)
<引用は御自由に>

福島県民健康調査、WBC検査結果からの提言

  • 2011/10/22(土) 15:37:43

今日の新聞によれば<健康調査で6月27日福島県は20日、東京電力福島第1原発事故を受けた内部被ばく検査で、双葉町の男児2人の内部被曝線量が生涯で3ミリシーベルトと推定されると発表した。県は「健康に影響が及ぶ数値ではない」としている。 県は2人の年齢を明らかにしていないが「4〜7歳」としている。
 原発事故で被曝リスクの高い地域を中心に内部被曝検査を進めており、今回の2人は、6月27日〜9月30日に検査した13市町村の住民4463人のうちで最高値。他は2ミリシーベルトが8人、1ミリシーベルトが6人、1ミリシーベルト未満が4447人>

6月から始まったホールボディカウンター(WBC)検査で実施者が4463名とは余りにも少ない。このペースでいけば100年かかっても終えない。
できれば年内、遅くても来年3月に終えなければ、放射性物質はほとんどが排泄済みとなり、測定の意味がなくなる。一刻の猶予もないほど緊急を要する。

そのためには検査法を現在のWBC法から尿検査法に切り替えれば、多人数を同時に、安価に行え、WBCでは測定困難な赤チャンも幼児も行えるといった数々の利点がある。

なお、検出限界は1ベクレル/Lが望ましいが、時間がかかるなら2ベクレル/L
位に挙げても良いがそれが限界である。6ベクレル/Lは膀胱が前癌状態になるのでその1/3くらいの濃度はつかむ必要があろう。この方法を採用すれば年内にも終了可能となろう。

WBCを実施するなら、現在の様に千葉県などに行って測定するのではなく、ベラルーシで使っているようなバス搭載型WBCを早急に作り、市町村に出向き測定できるようにすべきである。尿検査である程度以上のものを放射線医学研究所などでも測る方向がよいだろう。

次に測定結果は実測値を提示すべきである。セシウム134と137のベクレル値と体重を示すべきである。ミリシーベルト表示はあくまで参考値でしかない。内部被ばくにおいて、ICRPモデルは300-900倍の誤差を生じる。日本での裁判例はないが、アメリカやイギリスの裁判において40連敗中の式を使うべきではない。

生涯3ミリシーベルトというようにどうしてもシーベルト表示したいなら、その計算式も示すべきである。何故なら子供の半減期は短いし、また子供の場合の預託線量も年齢によって変わるので、シーベルトだけの提示では実測値がわからなくなってしまう。

測定された数値は各個人に提示することは当然である。

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