福島女子駅伝参加は健康への影響あり、関係者は熟考を!

  • 2011/10/03(月) 22:43:52

昨日のブログの終わりに批判記事を書いたが、こんな中途半端な書き方では、説得力がなく、どうしても、本問題について纏めたいと思った。

11月14日福島開催の東日本女子駅伝の選手のほとんどは、中・高・大学生の10代の女子(最少年齢13歳)とのことだった。
このような前途ある若い女性が何の知識もないまま、健康被害にあったら、ほかの病気と違って取り返しがつかない可能性が大きいので大人の責任だ。

メディアは空間線量(ガンマ線)ばかり伝えている。しかし、それは外部被ばくであり、放射線量が1μSv/時間なら現地に2日いたとしても総被ばく量は48μSvであり、確かに問題にならないだろう。

問題は放射性物質が体内に取り込まれて被ばくするという内部被ばくである。
この場合、国際防護委員会(ICRP)のモデルは外部被ばく用であり内部被ばくには不適切(参考資料1&2)である。

今回の駅伝では、アルファ粒子の肺への取り込みが第一の問題となる。
原子量は240前後と鉄の約4倍も重いが、今回の福島原発事故では非常な高温となったため、気化し、空気中に浮遊するチリに付着した。そのチリは1週間経たないうちにアメリカ西海岸まで達した。

アメリカ人の元原子力技術者Arnie Gundersen博士(参考資料3)によれば、「放射性プルトニウム、アメリシウムおよびキュリウム(以上を纏めて高放射性粒子と総称する)は日本の東京地区および福島県内を走行した車のエアーフィルターから測定された。その量から換算すると東京では1粒子/立方mであり、福島が30-40個/立方mであった。ヒトは最低でも1日10立方mの空気を吸うので1日当たりの吸い込む粒子の量は10倍になる。」

肺への取り込みについて、空気中に浮遊する粒子が気道を介して吸い込まれることについては私のブログ(参考資料4)を参照してください。
もし、肺に入ればプルトニウムの場合、生物学的半減期は50年なので一生被ばくを受け続けることになるが、その存在を確認(ホールボディカンターの検出はガンマ線のみ)できない。

高放射能粒子は1崩壊ごとに1個のアルファ粒子(アルファ線ともいう)を放出する。アルファ粒子は2個の陽子と2個の中性子よりなるヘリウム原子核そのものであり、飛ぶ距離は空気中でも4.5cmしかなく、体の中ではたった0.04mmである。
細胞は極めて小さいので臓器によっても異なるが数層の細胞を通過すると考えられる。
アルファ粒子のエネルギーは強く、細胞を構成する原子の電子をはじきだすことにより、電子は細胞核やDNAを傷つける。一個のアルファ粒子が放出されると、細胞の遺伝子を数十万カ所切断(参考資料5)する。傷つけられた細胞のDNAは体が持っている複数の修復機構により修復されるが、アルファ粒子に接触した細胞もしくは隣接した細胞は修復不可能になるほどの損傷を受けるので、この場合にはアポトーシス機構が働き細胞死に至るので後に禍根を残さない。
むしろ飛程の中ごろから終点近辺の細胞でDNA損傷からの修復間違いなどが見逃されることが問題であり、後になって、がんや遺伝的問題を引き起こすきっかけになる。

その次に問題が起こるかもしれないことは、全員でなく既に放射性セシウムの一定量を被ばく(尿中セシウム量20ベクレル/L位か)していたり、不整脈(心電図測定で洞性不整脈でなく、房室伝導遅延による不整脈か部分的な脚ブロックなど)がある限定的なヒトであろう(参考資料6&7)。
この場合には競技中もしくは走り終えた直後に重篤な影響が出る可能性がある。

尿中放射性セシウムの測定を行う民間の検査機関はいくつもあるが、検出限界が0.1, 1, 20ベクレル/Lと様々である模様。従って、最低でも1ベクレル/L以上(望ましくは0.1ベクレル/L)の検査機関を選ぶべきである。というのは6ベクレル/L以上の値が出れば、膀胱の前がん状態になる可能性も生じるのでそのチェックも兼ねることができる。

心電図はかかりつけ医で測定してもらい、尿中セシウムの結果も合わせ、お医者さんと相談してください。

⇒今朝読み返し、若干修正した。女子駅伝の件はアメリカ在住のEX-SKFさんの英文紹介があった。そこへの寄せられたコメント欄を読んだら多くのアメリカ人は内部被ばく問題を良く理解していると受け取れた。内部被ばくに関する日米の知識差の大きさを痛感した。

参考資料
1: http://sakuradorf.dtiblog.com/blog-date-201106.html
2: http://sakuradorf.dtiblog.com/blog-date-20110815.html
3: http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/blog-post_13.html
4: http://sakuradorf.dtiblog.com/blog-date-20110606.html
5: http://www.min-iren.gr.jp/syuppan/genki/148/genki148_5.html
6: http://sakuradorf.dtiblog.com/blog-date-20110816.html
7: http://sakuradorf.dtiblog.com/blog-entry-134.html

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