ストロンチウムの概算値はセシウム測定値から推定を

  • 2011/11/06(日) 11:00:01

セシウムとストロンチウムは原子炉内で約6%の比率で存在するがセシウムの沸点は641℃でストロンチウムの1382℃の約半分である。従って、原子炉事故時の炉の温度の影響を大きく受ける。炉の温度が低い場合、ストロンチウムは炉内に残るので、その比率は低くなり、今回のケースでは汚染水に含まれる比率は当然高くなることが想定される。
チェルノブイリの場合、黒鉛炉だったために高温となり、セシウムの1/7から1/10程度のストロンチウムが放出された。一方、今回の事故ではその比率が1/1000と少ない値が報告されている。ただし、測定点は極めて少なく、3号機以外のルート地点で測定された可能性が高いと思う。

一方、3号炉は水素爆発でなく核爆発説を唱える専門家も複数おり、その場合かなり高温になっている可能性もあろう。そうならばストロンチウムの飛散量が少ないという前提が崩れる。
従って3号炉飛散ルートでのセシウムとストロンチウムの比を測定することにより、3号炉爆発時の炉の温度も推定可能となる。

但し、事故から8か月が過ぎたので、今では放射性物質が降下した時の比率はわからない。何故なら、セシウムとストロンチウムを比較すると水にはストロンチウムが溶け易く<セシウムは海水には溶けるが湖水では溶けない、ストロンチウムは両方に溶ける。また多くの物質に対する固着性もセシウムはストロンチウムより強い>
現在では廃屋の室内にあるチリ<隙間から飛びこんできた量なので絶対量は参考にならないが今回の目的は比率である>を採集するとかの手段しかないと思う。幸いセシウム137とストロンチウム90の半減期は約30年と同じなので崩壊速度は無視できる。

ストロンチウムは周期律表でカルシウムの一つ上の段に位置するので原子の最外殻構造はカルシウムに類似しているため、骨に沈着し易く、沈着すると離れがたく、生物学的半減期は50年と長く、体内に入れば生涯その負担を背負うことになる。

今その影響を計算してみると、ストロンチウムの1ベクレルとは1秒間に1回ベータ線を放出することであり、30年間放出し続けると半分の0.5ベクレルになる。
この30年間におけるベータ線の崩壊回数を計算すると次のようになる。
0.693(1/2の対数値)x 30年x365日x24時間x60分x60秒≒7億回になる。
一方ベータ線の体内到達距離は4mmなので骨髄に十分到達でき、1回の崩壊でかなりの骨髄細胞が影響を受ける。従って、何百億の細胞が損傷を受けるであろう。
私のブログ(10月7日、放射線の生物への影響はDNAを介する)でDNA複製ミスは1〜100億回に1回起こる(これが起こると即癌になることでなく後、ワンステップ必要)なのでかなりの可能性が生じる。特に幼児期に被ばくすれば白血病や骨髄腫になる可能性も高まる。

何故ストロンチウムが今まで測定されなかったか、その理由は簡単でガンマー線を出すセシウムと違って、ストロンチウムはベータ線なので核種が特定できない。測定にはまずストロンチウムだけを分離する必要があり、測定に約1週間を要するという測定上の困難さから実施してこなかっただけである。

以上のようにストロンチウムで問題になるのは内部被ばくであり、そういう意味で国がセシウム137とストロンチウム90を同時に測定して、相関性の有無を明らかにすべきと提案する。

まず、予備試験として前半でのべたような3号機爆発飛散ルートでもセシウムとストロンチウムの比が1000倍にもなるかの測定をすべきである。
その次に、魚介類、海藻、牛乳、野菜、肉、穀物など広範囲にセシウムとストロンチウムの放射能を測定し、その相関性を検討すべきだ。

もし相関性があればストロンチウム90はセシウム137の濃度から推定が可能になろう。

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