放射線外部被ばく線量の安全巾(0.1-100mSv/年)の考察

  • 2012/01/31(火) 21:05:27

安全である線量として最も高い値を唱えたヒトはT大の放射線専門家が講演会のあとでの質疑で答えた数値が1000mSv/時間と驚くべき数値であった。しかし、その映像はすぐ削除されたので、うっかり間違いであったと解釈し、取り上げない。
500mSv/年まで安全と主張する専門家は今でもいるが少数意見なので省いた。
100mSv/年まで安全であるという説は現在、政府機関やメディアが公に公表している数値である。
1mSv/年は国際的に合意された安全基準であり、日本の法律もこの説に準拠してきた。
0.1mSv/年はドイツやEU内の幾つかの国で唱えられている説である。

日本でのコンセンサスの差は100倍あることになる。しかし、この巾は決して大きいわけではない。
なぜなら医薬や農薬では動物試験の結果からヒトの安全基準を決めているが、この場合、動物とヒトの種差の係数を10倍掛け、ヒトの個体差間を10倍とみなし、併せて100倍の安全係数をかけている。

放射線の場合、種差が10倍あるようには見えないが、個体差は10倍でなくはるかに大きいように思えるので、100倍の係数を掛けても合理的に思える。
したがって、100mSv/年だから感受性の高いヒトを保護するために、法律で1mSv/年に規制することは理にかなっている。
ドイツのようにかなり感受性の高いヒト(赤ちゃんのように感受性が高いヒトに主眼をおく)も守ろうという姿勢があれば0.1mSv/年という案が出てもおかしくない。

要するに生まれつきの素因や病気や栄養不足、体力消耗時などあるいはゼロ歳児のように感受性の高いヒトを守るという姿勢があるか否かで変わるであろう。

タミフルによる異常行動について、5年前に私が調べたところ約100万人に1人であり、統計処理などできる状態ではなかったが当時メディアは大騒ぎした。
100mSv/年説の拠り所ははるかに少数例から導きだされたものであり、精度は低いので、いかに安全側の立場にたって考えるかにかかっていると思う。

しかし、原発作業者以外のヒトにとって最も心配しなければならないのは外部被ばくでなく、放射性物質を体の中に取り入れたために起こる内部被曝である。
メディアもあまり取り上げないし、研究もあまりされていないようなので、情報を広範囲に収集したいと思う。

祝:内部被ばく研究団体設立

  • 2012/01/28(土) 11:56:56

今回の福島原発事故による被ばく問題で、明らかになったのは内部被ばくについての無知だった。未だに外部被ばくと内部被ばくの違いを理解できていないヒトがメディア関係者も含め多い。

唯一の例外は原発事故後まもなく冷却給水活動に尽力された東京消防庁のハイパーレスキュー隊の隊長であり、記者会見でも内部被ばくの恐ろしさを的確に理解していることがわかった。内部被ばく問題を的確に理解していたが故に、全隊員にN11マスクを着用させ作業に従事させたと思う。

ところが、すでに10ヶ月も過ぎたのに、内部被ばくの理解は全く進んでいない。内部被曝による影響を正確に把握出来ずに、福島原発事故による放射能からの被害を最小に抑えることなどう可能である。

このような状況下、内部被ばくによる影響の研究や市民向けの勉強会に取り組む団体を設立することは時宜をえたものと思う。
詳しくは下記ホームページを御覧ください。私も会員となり、サポートとしたいと思う次第です。
 http://www.acsir.org/

なお、報道によれば、下記<>の記載もあった。

<東京電力福島第1原発事故に関連し、政府の被ばく防護策に批判的な研究者や医師ら6人が27日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、明らかにした。
 団体は「市民と科学者の内部被曝問題研究会」。ホームページを開設するなど準備を進めており、4月から本格的な活動を始めたいとしている。
会見には、太平洋ビキニ環礁での水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の元乗組員大石又七さんも出席。「被ばくの研究は常に政治の圧力を受けてきた。中立の立場で研究することが重要だ」と話した。>

20mSv/年、5年間被ばくすれば5%の女の子が将来癌になる

  • 2012/01/23(月) 00:19:10

これは最新のアメリカ国立科学アカデミー報告書を基にIan Godadが算出(参考資料1)したものであり、核技術者Gundersen博士もこの説(参考資料2:2012年1月17日)を支持している。

女の子と書いたのは男と女では低線量被ばくによる癌のなり易さが違い、グラフを見たところざっと2倍の違いがあった。従って、男の子の場合は2.5%ということになる。
低線量被ばくによる癌発病率は最も高いのはゼロ歳児であり、年齢が増えるに従い低下し、高齢になれば一層なりにくくなる。

低線量被ばくの最新の知見はチェルノブイリ低線量被ばくに日本のメディアの報道は60年以上前の広島・長崎原爆の不完全で時代遅れの知識にいつまで固辞するのか不思議に思われている。

参考資料(画像で見れます)
1. http://iangoddard.com/journal.htm
2. http://fairewinds.com/ja/updates

海産物ではストロンチウムの測定なしに被ばく議論はできない

  • 2012/01/21(土) 16:00:49

今日の東京新聞2面に掲載された勝川准教授(リンク7に記載させていただいているのでほとんどの場合、先生の意見に賛同していることを意味する)の食品情報公開徹底と言う記事の中で2点だけ賛同しかねるところがあって、その一点がストロンチウムの記載がなかったことですので書く次第です。もう一点は勝川先生とはかけ離れた問題なのでここでは触れない。それはベクレルからシーベルトに関する換算における計算式の妥当性の問題であり、また内部被ばくと外部被ばくの基本概念にかかわる問題であるので、問題点を整理し、別途連載で記載したいと思う。

海に流れた放射性物質の量を加えれば、既にチェルノブイリを超えたと考えられる。一価の陽イオンであるセシウムよりも、二価の陽イオンであるストロンチウムは水に溶けやすい性質を有することから海水に膨大な量放出された可能性がある。
なかでもストロンチウムはカルシウムと最外殻の電子軌道が同じことからカルシウムのように骨に沈着し易く、そこにずっと留まる。ストロンチウムの生物的半減期は50年と長く、物理学的半減期も約30年と長い。したがって、セシウムの生物的半減期約100日と違って、引き算はほとんどなく年々足し算で累積されていく。

半世紀前、焼津市のマグロ漁船<第五福竜丸>がビキニ岩礁で水爆実験場の立ち入り禁止区域外であったにもかかわらず水素爆弾の威力が想定外であったために被ばくした。この時、被ばくを受けるや直ちに母港に逃げ帰った。この時の被ばくではストロンチウムが一番問題になった。被ばく量は多かったが、すぐ逃げ帰ったので、死者は船長だけで済んだ。もし操業続けていたら大惨事になるところであった。

福島原発由来のストロンチウム濃度が仮にビキニの降下量の1/1000だったとしても毎日摂取し、体内で累積し続けたら大変な事態が想定される。

現在日本でストロンチウムの測定がほとんど行われないのは極めて不自然である。何故なら25年前チェルノブイリ原発事故時には放射性セシウムの降下量と同時に放射性ストロンチウムの降下量を気象庁では常に測定し、報告していた。何故今回の事故後、放射性ストロンチウムの測定を止めてしまったのだろうか不思議である。

放射線量急上昇は瓦礫やごみ焼却による可能性大

  • 2012/01/20(金) 15:11:40

今月になって福島や千葉県で空中放射線量が散発的に急上昇しているがその原因について私もいろいろ考えてきた。
一番、最初に考えたのはセシウムは761℃で気化するので、気化すればどんな細かなフィルターでも素通りとなるのでその可能性を考えたがそのエビデンスがなかったので放射線急上昇と瓦礫焼却について記述しなかった。

ただ、ブログには海外のヒトが最も恐れているのは空中飛散であることや、最も問題になるのは焼却灰でなく空中飛散であることなどから最近5回くらい瓦礫焼却問題を書き続けてきた。

先ほど、武田先生の音声ブログを聴いたところ、彼が受けた各地からの情報提供を解析したところ「放射線量急上昇は瓦礫やごみ焼却による可能性大」とのことであった。

これを聴いて、日本が取り返しのつかない事態になるかも知れないことを、何としてでも阻止せねばと思い、この緊急事態を阻止するために武田先生の音声ブログを引用させてもらった。http://takedanet.com/files/takeda_20120120no.402-(6:33).mp3

そのほか考えたのは風で地上に降ったセシウム塵が舞う可能性ですが、風向きや風の強さとの関係がうすいことや、また土や植物などとの結合が進んで除染もおもうように行かなくなった最近になって急に何故上昇するかという疑問が起こる。

それから、寒くなる時期だったので、空気中に飛散していた粒子が水蒸気と結合しており、空気中に含まれる水蒸気量は温度に依存しているので、その可能性も考えた。この考えは短い間隔で放射線量が上下することから否定される。

10日ほど前に書いたブログの言葉は日本人である私自身にも連帯責任がある言葉であった。
「民主主義国家においては「安全」とする政府や自治体に対して、根拠をもって「それは間違い」と反対できる知識があれば、拡散は容認されない筈である。」
日本がこれ以上汚染されるのを防ぐにはエビデンスに基づいた知識であり、それを証明できるのは皆さん個人個人の実践である。

ついては皆さまへのお願い、ごみ焼却場の近く(10kmくらいまで)の方は是非放射線量を測定していただき、その時の風速、風向きなどと記録していただければと思います。放射性瓦礫の焼却情報は別のヒトが調べて連携できれば、なお良いことです。皆さまの協力により放射線急上昇の原因が焼却によるものか否かが明らかにできると信じています。

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