福島由来放射性プルームがアメリカで起した過剰死について

  • 2012/01/05(木) 21:45:37

ブログタイトルに関する論文(参考文献1)の著者はJoseph Mangano公衆衛生学者と内科医の Janette Shermanであり、17ページもあるが著者権のこともろうし、抄録の翻訳と読んだ感想を付け加える。

論文のタイトルを直訳すると、「福島から放射性プルームが米国に飛来してきた後に起きた予期せぬ死亡率の増加は因果関係があるだろうか?」

1万4千人の過剰死が導き出されたが、今後の更なる情報入手や調査や精査が必要なことを述べている、至極自然の問いかけであった。

福島原発のメルトダウン後放出された大量の多種な放射性物質は日本から拡散して行き、6日後にはアメリカ西海岸に到達した。沈下物、空気中、水、牛乳の放射活性がアメリカ政府により測定された。この時測定された数値は通常より数百倍も高い値であった。しかしながら、測定サンプル数が少なかったために、統計の信頼性や空間的解析をするには不十分な面があった。

アメリカの公衆衛生当局は年代別の死亡統計を毎週報告しているが、これは全人口の25−35%を占める122の大都市だけで行われている。
日本からの放射性物質到着後からの14週間の区間における全死亡数を2010年と2011年で比較すると4.36%増加した。2011年における放射性物質到着前後の14週間の比較においても2.34%増加した。

次に赤ちゃんに限定して比較すると1.80%増加した一方、放射性物質到達前には8.37%の減少であった。以上から全アメリカ人に適用すると過剰死は13,983人となった。そして赤ちゃんの過剰死は822人となった。
以上の予備的な成績は1986年のチェルノブイリの時のような4ケ月間の亘る資料と同様に検討されるべきである。
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●カリフォルニア州の面積は日本と同じくらいなので全く計測点数が、足りなさすぎると言える。
●ゼロ歳児の赤ちゃんの急性死についてはカナダ西海岸でも認められているので日本でどうだろうかと思った。
●赤ちゃんの次に多いのは高齢者死であり、放射線による免疫力低下による感染症の死の増加につながっている様に思える。
●本論文ではチェルノブイリ事故時との比較も随分と行われていた。ところが、昨年チェルノブイリ原発後25周年の学術会議には福島事故後にもかかわらず日本からの参加者は(在外の日本人を除く)皆無であった。日本ではメディア報道も甲状腺がん以外問題にならないと報じており、福島事故の対策にはまずチェルノブイリの実態を把握することが出発点と思った。
●放射線による影響は遺伝子、生殖系、循環器系、神経系、免疫系、糖尿病、癌と多岐にわたるので死亡という形で捉えるのが最も合理的であるように思えた。

参考文献
1.International Jornal of Health Services, volume 42 Number 1, pages47-64,2012

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