海産物ではストロンチウムの測定なしに被ばく議論はできない

  • 2012/01/21(土) 16:00:49

今日の東京新聞2面に掲載された勝川准教授(リンク7に記載させていただいているのでほとんどの場合、先生の意見に賛同していることを意味する)の食品情報公開徹底と言う記事の中で2点だけ賛同しかねるところがあって、その一点がストロンチウムの記載がなかったことですので書く次第です。もう一点は勝川先生とはかけ離れた問題なのでここでは触れない。それはベクレルからシーベルトに関する換算における計算式の妥当性の問題であり、また内部被ばくと外部被ばくの基本概念にかかわる問題であるので、問題点を整理し、別途連載で記載したいと思う。

海に流れた放射性物質の量を加えれば、既にチェルノブイリを超えたと考えられる。一価の陽イオンであるセシウムよりも、二価の陽イオンであるストロンチウムは水に溶けやすい性質を有することから海水に膨大な量放出された可能性がある。
なかでもストロンチウムはカルシウムと最外殻の電子軌道が同じことからカルシウムのように骨に沈着し易く、そこにずっと留まる。ストロンチウムの生物的半減期は50年と長く、物理学的半減期も約30年と長い。したがって、セシウムの生物的半減期約100日と違って、引き算はほとんどなく年々足し算で累積されていく。

半世紀前、焼津市のマグロ漁船<第五福竜丸>がビキニ岩礁で水爆実験場の立ち入り禁止区域外であったにもかかわらず水素爆弾の威力が想定外であったために被ばくした。この時、被ばくを受けるや直ちに母港に逃げ帰った。この時の被ばくではストロンチウムが一番問題になった。被ばく量は多かったが、すぐ逃げ帰ったので、死者は船長だけで済んだ。もし操業続けていたら大惨事になるところであった。

福島原発由来のストロンチウム濃度が仮にビキニの降下量の1/1000だったとしても毎日摂取し、体内で累積し続けたら大変な事態が想定される。

現在日本でストロンチウムの測定がほとんど行われないのは極めて不自然である。何故なら25年前チェルノブイリ原発事故時には放射性セシウムの降下量と同時に放射性ストロンチウムの降下量を気象庁では常に測定し、報告していた。何故今回の事故後、放射性ストロンチウムの測定を止めてしまったのだろうか不思議である。

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