福島原発事故による小児甲状腺がんについて

  • 2012/02/28(火) 00:01:57

チェルノブイリ原発事故後、様々な疾病に対するアジュバント(adjuvant, 助長させると言う意味)作用により多くの死が惹起されたと考えられる。1例をあげれば、細胞の核にあるDNAが損傷を受ければ、その細胞はまず修復に全力をあげるので、抗原に対応する特異的抗体を作る余裕がなくなり、免疫力低下が起こり、感染症の重症化が起こる。そのほか、様々な要因が考えられるがおいおい解析していきたいと思う。なお、様々な要因による集大成は、アメリカ西海岸で福島原発後1万4千人の過剰死が起きたとの学術誌での発表によって示された。なお、25年前のチェルノブイリ原発事故後にも同様な過剰死が認められたので関連しているとのことだった。

そういう中にあって、甲状腺がんが小児に起こることは稀であることと、摘出手術をすれば首に手術痕(チェルノブイリ首輪(Chernobyl collar)が残ることなどによりチェルノブイリ原発事故の象徴的な疾患になったので、ここではこの問題に絞り調べた。

チェルノブイリの甲状腺がんは事故後3年半頃から観察され、10年後まで毎年増加を続けた。
通常の固形がんの倍加時間は3か月弱なので、仮に3か月とすると1年で2の4乗なので16倍、2年で256倍、3年で6万5千倍、4年で約40億個となる。
人間の細胞は60兆個あり、体重を60kgとみなすと細胞1億個の重さは約10gとなる。従って、3年半でおおよそ1gの重さになり、これくらいの大きさになると癌であることが認められるようになる。

甲状腺細胞ががん化するにはDNA損傷ともう1段階の癌化の変異が必要だが最も早いケースではあまり時間をおかず癌化が起こり、7年後くらい後に癌化のピークに達すると考えられる。

次に甲状腺がんの解説(参考資料1)によれば、一番多くみられるものは乳頭がん(約8割)だが悪性度はそれほど高くない。 濾胞がんが10―15%で、髄様がんおよび未分化がんが共に3−5%の頻度とのことだった。なお、濾胞がんの場合にはサイログロブリン(Tg)という分子量66万の糖蛋白が濾胞細胞で生合成(参考資料2)される。未分化がんの場合、増殖が極めて盛んであるため倍加時間が数日の例もあるそうです。

先行実施した避難区域の3765人の子供の甲状腺をエコー検査したところ、26人に一定の大きさのしこり(5.1mm以上の結節)および嚢胞が20mm以上の子供が1,117人見つかった。
ところが、検討委座長の山下俊一・福島県立医大副学長は「原発事故に伴う悪性の変化はみられない」と全て良性だったので再検査開始は2年後という今年1月末報告した。議事録を読んでないので経緯はわからず、議事録を公表すべきと思う。

今の段階で次の3つの疑問を持った。
1.嚢胞やしこりが見つかったのに何故全員良性と判定したその根拠を知りたく思った。
2.濾胞が大きくなった人数は1/3近いので、血液中のサイログロブリンの測定を行うべきと思った。
3.測定間隔で2年後に行うのでは癌が何百倍にも増殖した後なので手遅れになるケースはでないであろうか?

参考資料
1.http://koujyousen.com/
2.http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL2586.htm

HOME |