放射線の影響については文科省が言論統制か

  • 2012/03/30(金) 22:33:16

3.11以降、原発事故後の放射性物質拡散問題について大学の研究者などがなぜ科学的知見を言わないのか、不思議だった。
今日あるブログを読んでいたら、そのわけがわかった。

放射能問題に全権をもつ文科省が、研究者の研究を統制したからということだった。放射線・放射線関係の予算は省庁縦割りを排して文科省管理の法令にもとづくことによるとの理由だった。

55年間も続いていた気象庁気象研究所のフォールアウト(放射性物質の降下物)測定は、2011年4月1日から予算ゼロとなり、某国会議員の抗議で3カ月後に再開されたもののデータの公表は、未だに許されてないとのことだった。
チェルノブイリ原発事故後気象庁はセシウムとストロンチウムの測定値を公表してきたのに今回はセシウムしか公表しない。何か都合の悪いデータでもあるかなと想像してしまう。

日本科学者会議という名前の存在を今まで知らなかったが、この会議は日本共産党系の科学者の集まりだそうである。ところが、放射線審議会会長の丹羽太貫氏の主張である、「放射能の害よりストレスの害」の主張とする点において全く同じ路線を進んでいるそうである。
今や右も左もなく、現役世代は予算をもらうために誰ひとり自己主張をする者が大学から消えていってしまった。

放射線問題を真剣に考えるヒトは、日本では今や、赤チャンを守らなければならない若い母親と、ごく一部のヒトしかいないと思う。
3号機の核分裂反応(素材であるコバルトおよび中性子減速のために投入されたと考えられる銀の両者とも放射性物質<核分裂時放出される中性子を核に取り込むとコバルトや銀でさへも放射性物質に変化し、中性子を放出したら元にもどる>に変化したことから誰にも理解できる)さえも水素爆発と多くの国民が信じ込まされている現状では、何十万の死者が出てもストレス死と言いくるめることは簡単であろう。

児玉教授の「国土を守り国民とともに生きる5項目提案」に感銘

  • 2012/03/26(月) 20:33:32

今回紹介する提案は東大アイソトープセンター長でもある児玉龍彦教授が下記URLで提案されたものです。豊富な図でわかり易く提示されているので先生の書かれたことをURLにて紹介させていただきます。
http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/twg/dai4/siryou1.pdf

タイトルに挙げた「国土を守り国民とともに生きる5項目提案」の提案は資料の後半に書いてあり、読んで下さればわかることですので、この説明は割愛します。
私は副題として勝手に「低線量被ばくにはICRPのシーベルト論は適用できず」を勝手に追加したく思い、そのことに関連して常日頃思ってきたこと書きます。

今回の福島事故の被ばくの影響に関しては、シーベルトの数値だけがひとり歩きし、それを基に、政府、メディアは一体となって安全神話をふりまいているのが現状である。
そこには最近の進展著しいゲノム科学も分子生物学も、病理形態学的知見、電気生理学分野からの考察もない。
かかる分野の研究者たちの直接の研究テーマでないことはわかるが、自分の持っている学問的知識を応用し、自分なりの考えを発信できないだろうかとの思いがあった。
何故なら、放射線によるDNA損傷および修復メカニズムは生物共通であり、基本的に動物で起こることはヒトでも起こるとみなすのが合理的な考えである。最先端の研究者たちは一斉に沈黙を守っているし、チェルノブイリで起きていることにも全く無関心である。ノーベル賞受賞者の医師達による子供が20mSv地域に住み続けるニューヨークからの警告も無視された。

このような背景にあっただけに、内科医の児玉先生の提案には感銘を受けた。

最新の知見を基に、カラー図で示してくれましたので、どういうことが起きたかを技術用語の意味など知らなくてもイメージとしてとらえ、理解されるのではと思います。

図1−4は甲状腺がんが起こるメカニズムについて、最新のゲノム科学に基づいて説明しています。小児甲状腺がんは全部で4000人に起こりピークは十年後であることが分かります。

図5は病理学者だった福島博士によるチェルノブイリ汚染地区の住民の膀胱の生検組織での早期がんおよび増殖性膀胱炎が示されており、このような前癌状況は尿に放射性セシウム6ベクレル/Lから見られることが明らかになった。これらに関連した8報の論文も記載されている。

なお、私の記憶から付け足すと、尿中のカリウム濃度は変動<細胞内のカリウム濃度は高く、細胞外濃度は低く、この濃度比は各臓器細胞ごとに静止状態では一定である>するが、放射性カリウムもこれ位のベクレル値を示すことが多いが発がん性の報告はない。

水俣病で有機水銀と無機水銀で毒性に決定的な違いがあったように、カリウムとセシウムは違う代謝経路をもつことを理解する必要がある。

従って、自然に存在する放射性カリウムと放射性セシウムをシーベルト値が同じだからといって同列に評価できない。即ちICRPによる低線量被ばく理論は最新のゲノム科学から否定されたことを意味する。

今回は癌に関することですが、今現実に起きている可能性の高いことは心疾患であり、この場合には心筋に取り込まれたセシウム濃度とのアポトーシスの関連性から心筋細胞の欠損率の計算、AEDも無効な場合にはカリウムイオンチャンネルの障害を電気生理的にも解明する必要があろう。そのほか多様な症状が観察されているので、多くの基礎研究者からの提示が待たれる。

日本からの学会参加者数、零対千人

  • 2012/03/25(日) 23:19:43

タイトルは昨年4月、チェルノブイリ原発事故後25周年を記念してウクライナで学術集会が開かれたがその学会への日本から<海外在住日本人は参加>の参加者は誰もいなかった模様である。一方、同じ頃ハワイでアメリカ神経学会が開かれた、その時の日本からの参加者数(調べたわけではないので精度は悪い)である。後者についてのコメントはないが、前者については何故参加し、勉強し、福島の被ばく対策に活かそうとしなかったか不可解である。

原発事故後の対策を考える上で最も重視すべきところのウクライナの現状把握をしようとせず、無視したことにより、このまま推移すれば福島の子供たちに甚大な被害をもたらすのではないかと危惧している。
日本ではチェルノブイリ事故後でも、小児の甲状腺がんが若干増える位でたいしたことはないようなことが盛んに宣伝されている。

放射能がもたらす子どもの健康被害の調査と治療に、長年とり組んできた、エフゲーニャ・ステパノワ医学博士によれば、次に述べるようにチェルノブイリ原発事故の影響は年々深刻化してきている。
●参考資料:http://www.youtube.com/watch?v=GQJ4MRnCBi8&feature=relmfu

「チェルノブイリの子どもの健康状態は、年々深刻化してきていて、より幼い年齢の子どもが、複数の病気に同時にかかり、治りにくく、すぐに再発する慢性的な疾患が深刻な問題になってきている」
年を経るに従い被ばく症状の発現変わる。
即ち、事故直後の放射性ヨウ素による影響に始まり、事故から1〜5年の時期の体調不良、3年後に見られる甲状腺ガンの増加、さらに6年後には様々な臓器の慢性疾患が増加するという衝撃の事実が、データをもとに報告された。
 なお、、事故処理に当たった作業員から事故後に出生した子どもに、先天性の障害が見られるという事実も指摘した。

またウクライナでは、『1986年生まれの子どもにたいする追加被ばく線量は、年間1ミリシーベルト、生涯で70ミリシーベルトを超えてはならない』と法律で定められている」とのことだった。
ウクライナにこのような厳しい基準があることを知らなかったが、情報入手な容易なメディア関係者はまず把握すべきだったと思う。
日本も2011年生まれの子供に対する追加被ばく線量については最低でもウクライナ並みに厳しくして欲しい。

震災後の疾病の特徴は心不全、ACSと脳卒中の増加

  • 2012/03/23(金) 15:38:58

東日本大震災以降、心不全をはじめ、ACS (Acute coronary syndromeの略で急性冠症候群のこと) および脳卒中などの循環器疾患が有意に増加したことを東北大学循環器内科学の下川宏明氏が発表した。
今月開催された日本循環器学会(私も本学会には50年以上前から約30年間会員だったことがある)にて、特に心不全の増加は、過去の大震災疫学調査では報告例がなく、東日本大震災の特徴の1つであることが浮かび上がった。

「下川氏らは、宮城県の救急車で搬送されたすべての患者記録を調査し、東日本大震災の発災前後における循環器疾患の変動を明らかにした。加えて東北大学循環器内科におけるデバイス植え込み患者および冠攣縮性狭心症患者も対象に、震災の影響を検討した。
救急車搬送の調査は、2008年から2011年6月30日までを対象とした。対象地域は宮城県全域だった。県医師会の全面的な協力が得られたこともあり、宮城県内12消防本部すべてが協力に応じてくれたという。 調査期間中の救急車の出動件数は、合計で12万4152件だった(救急搬送例の初診時診断率は56.2%)。この全例を対象に、心不全、ACS(急性心筋梗塞と狭心症も含む)、脳卒中(脳出血、脳梗塞)、心肺停止、肺炎の症例を調べた。その上で、発災前後および同時期の過去3年間について、各疾患の発生件数を比較検討した。
 下川氏らはまた、今回の震災では津波による甚大な被害を受けた沿岸部と津波の被害を免れた内陸部では事情が大きく違うと考え、沿岸部と内陸部に分けた解析も行った。
 解析ではまず、各年ごとに2月11日〜3月10日と3月11日〜4月7日の2期間で各疾患の発生数を比較した。その結果、2011年だけが、3月11日〜4月7日の期間の方が2月11日〜3月10日の期間より、心不全、ACS、脳卒中、心配停止、肺炎のすべてが有意に多かった。例えば心不全は、2011年の2月11日〜3月10日では123件だったが、同年3月11日〜4月7日には220件と有意に増加していた(P<0.001;註:pとはprobabilityの略で0.05以下なら有意な変化とみなす)。また、2008〜2010年の各年の3月11日〜4月7日の発生数は、それぞれ101件、100件、126件であり、2011年の方が有意に高かった(P<0.001)。
 次に、2011年の2月11日以降、4週間ごとの週間平均発生数を追ったところ、心不全は30.8件、55.0件、35.0件、31.0件、29.3件と推移していた。同様にACSは8.25件、19.0件、9.25件、5.0件、10.0件、脳卒中は70.8件、96.5件、82.0件、73.5件、62.5件、心肺停止は49.0件、61.8件、46.0件、42.3件、40.3件、肺炎は46.5件、89.3件、60.5件、45.5件、47.5件とそれぞれ推移した。

 過去3年間の週間平均発生数と比較すると、2011年3月11日〜4月7日の発生数は、調査した疾患すべてにおいて有意に多くなっていた。
 なお、ACSにおいては、2011年5月6日〜6月2日の発生件数が過去3年間の平均週間発生数より有意に少ないことも判明。この点について下川氏は、「ACSの予備軍が前倒しで発生した可能性がある」と指摘した。
 着目点の1つである沿岸部と内陸部の比較では、沿岸部の内陸部に対するオッズ比を調べたところ、肺炎で1.54(95%信頼区間:1.06-2.26)となり、沿岸部での肺炎の患者が有意に多いことも分かった(P=0.023)。
 このほか、デバイス植え込み患者および冠攣縮性狭心症患者を対象とした検討では、不整脈(特に心室性)の増加が見られ、心臓再同期療法(CRT)治療の効果の減弱や冠攣縮の増悪の可能性なども明らかになった。」

上述のコメンテーターとして登壇した秋田大学循環器内科の伊藤宏氏は、「東日本大震災では地震に加え、津波の被害が甚大であったことから、被災者のストレスは多大であったと推定される」と指摘。下川氏らの検討によって、「こうしたストレスは心不全の要因および増悪因子となりえることが示された。また肺炎が沿岸部で有意に多かった点については、津波後の粉塵あるいは冬季であったことの寒冷も関連していると考えられ、このことが心不全増加に関与した可能性が高い」などと考察した。

以上は学会でのエヴィデンス報告ならびにその解釈についての報告である。その際、出席者から放射線の影響に関する質問があったか否かはわからない。

寒さや津波のストレスは世界中の人類が過去に何度も経験しており、今回の震災が過去一度も経験しなかったことは、原発事故による放射性微粒子による影響であった。

カリウムイオンより周期律表で二周りも上のセシウムは独自のチャンネルを細胞膜に持たないので、狭いカリウムイオンチャンネルを無理に通る(率で15%)ことになるので房室伝導に障害のあるヒトなどでは心室性不整脈の誘発を起し易いのでは想像している。
また肺炎の重症化は免疫力低下によることで説明がつき、何故今年の感染症患者が多いかの理由と一致している。

本学会の報告のエヴィデンスは普遍の事実である。一方、解釈というものは、周辺の知識が深まると共に変わる、変動的なものである。

警戒区域に入った50代女性死亡記事から思うこと

  • 2012/03/21(水) 11:32:30

今日の新聞で浪江町の警戒区域に入った50代女性が死亡と言う記事があった。
記事があったからと言って、即、放射線と関係があると関連付けするには判断不足であるが、貴重な情報であることは間違いない。
メディアは隠ぺいするのでなく、このように真実を報道するのが使命であるとおもうので、この当たり前の行為を高く評価する。

昨秋、福島の高校で体育授業中の高校生が急死し、AEDも効かない例があり私はそのような記事に注目してきたが、その後一際報道がないことから私はないものと信じていた。
ところが、インターネット上で高校生の急死報告が結構あるので、メディアが報道規制を始めたとと思う。特に年少者の急死は珍しいので報道する価値は高い筈である。
またある幼稚園児童の体重増加が前年に較べて1/4になったとの報道もあったが、そういう報道もなくなった。

放射線による被害と関連付けされそうなニュースを仮に全く報道しなかったとしても、それは時間遅れの問題にすぎない。

何故なら、何千人、何万人、何十万人と被害が次第に増えていけばどこかで明らかになるのは自明である。
しかし、その時気がついても、過去に戻れない以上、後世のヒトは福島の大悲劇と呼ぶであろう。
21世紀に生きる日本人がそんなことでよいだろうか?
われわれは正面から実態を正確に把握し、それに対する予防策を講じていくことこそが21世紀の人類のとるべき行動であろう。

正面から向き合うとは各種の放射性物質の正確な測定記録と、これは(尿、血液、髪の毛、爪)測定記録。症状は下痢、鼻血そのほかもろもろの症状、心電図などを正確に記録することである。そしてチェルノブイリの現在の実態を正確に把握し、最善の被ばく対策をとることこそ求められる。


HOME |