妊婦2.5 mSv/被ばくで子供のがん増加(1人/1万)は常識

  • 2012/03/17(土) 17:27:30

表題の件は、レントゲン撮影の前に妊娠している可能性のある女性のレントゲン撮影は止むを得ない場合を除いて行わないことは常識になっていた。

その根拠は41年前にもなる古い報告であるが、アリス・スチュアート博士がイギリスで1943年から65年に生まれた1960万人という膨大な子供の疫学調査を実施することによってもたらされた。
妊娠時にX線検査を受けた回数を調べ、妊娠中に受けた被ばく回数から被ばく線量を算出し、生まれてきた子供が9歳になるまで小児がんとの相関関係を調べた。その結果、妊婦が2.5ミリシーベルト被ばくするごとに1万人に1人がX線を受けなかった妊婦より有意に増えることが分かった。その知識が広く認知されたので、現在ではX線撮影する時、通常妊婦には行わない。

ところが昨日配布されてきた市からの広報誌「暮らしと放射線と」の記事の中には妊婦や子供が放射線に対する高い感受性を有する記述はどこにもなかった。

市の広報の概要は次のようである。
「100ミリシーベルト以下では癌の過剰発生は確認できない」「1000ミリシーベルト被ばくしても煙草より発がんのリスクは少ない」「200―500ミリシーベルトの被ばくは肥満より癌になる確率は低い」「イラン/ラムサールやブラジル/ガラパラなどの住民は高線量(図から300mSv付近)の自然放射線の地域に住民は普通に住む」⇒ブラジル/ガルパラの高線量地域はほとんど消滅したのではないか?疫学調査は信頼できるか?「牛乳瓶1本で1μSvを被ばくしたとしても100mSvになるには浴槽100杯分」⇒内部被ばくは外部被ばくの約600倍すべき>「普段食べている食品の中にも放射性カリウムが含まれていて体の中に蓄積されているということで7種類の食品中に含まれるカリウムの放射能が記載」⇒私のブログ2月5日に説明済み>
内部被ばくも外部被ばくの影響も区別がなく、しかも、放射性カリウムの項にも蓄積すると書いてあったが、体内に存在する放射性カリウムの量は摂取量に関係なく常に一定であることさへ理解できてなかった。そういえば、横浜市のパンフレットもこんな感じであったように記憶している。

一番問題なのは、100 mSvは全く問題ないとの説明に、感受性の高い妊婦や子供を無視してることだった。
現実はスチュアート博士の疫学結果が、最もよく当てはまるであろう。1年間100mSvに1年住めば生まれた子供が9歳になるまでに40人/万人がんになることを意味する。その生まれたばかりの子供が100mSvずつの場所に引き続き9年間住めば、10年間におけるがんになる確率は1万人当たり400人ともなろう。
内部被ばくの影響はあまり考慮してないので、それを加味すればもっと増えることになろう。

なお、ゲノム科学のめざましい新知見があるにも拘らず、遺伝子障害に関する記述もまったくなかった。

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