ドイツ太陽光発電22GW(原発22基分)達成

  • 2012/05/31(木) 17:45:26

ドイツでは、夏の太陽光の強い時期に好天に恵まれたので、今月22,23日過去最高の1時間当たり22ギガワット(220億ワット)の電力を作り出し、一国の太陽光発電量の世界記録を達成した。これは原子力発電所、約22基の発電量に相当する。
この時間帯は土曜日ということもあり、ドイツ全需要の電力の半分もまかなえたが、平日なら約1/3の発電量をまかなえる量とのことであった。

ドイツ政府は、福島原子力災害後に脱原発の方針を決めており、すでに8箇所の原子力発電施設を閉鎖、2022年までに残っている9箇所の施設も閉鎖する予定だ。2012年の環境省報告書によると、ドイツ政府は太陽光発電に毎年約40億ユーロ(50億ドル)大規模な投資を行っている。その結果、太陽光発電で国全体の年間電力需要の約4%の発電量を獲得するまでに至っている。

太陽から地球に届く光のエネルギーは莫大で180ペタ(兆)ワットとてつもなく大きい。しかし、太陽光発電として実際に利用できる量は1ペタワットくらいと想定されている。
しかし、この量でも、現在の人類のエネルギー消費量の約50倍もある。
従って、ゴビ砂漠の半分に現在市販されている太陽電池を敷き詰めれば、全人類のエネルギー需要量に匹敵する発電量が得られるといわれている。従って、太陽光発電はきわめて潜在能力の高い資源であることがわかる。

太陽光発電の欠点は夜間に使えず、昼間でも、雲次第で変わるとか、冬の発電効率が低下するとか確かに安定性に欠ける面がある。特にわが国では、上述した太陽光発電の欠点が強調され、太陽光発電など20年後にも期待できないと予測する専門家は多い。

しかし、上述した利点のほかに、ガスや石炭のように海外から購入する必要もなく、永遠に利用できる。また人類が利用しているのは、ごくごくわずかでしかないこと、さらに不安定さは自動車バッテリーの活用とか、むしろ、悪天候で発電慮の増える風力発電との組み合わせ、安定的な地熱発電の利用など工夫の余地は一杯残されていると思う。

原発事故を起こさなかったドイツが原発廃止の道を選んだのに、原発事故を起こし、しかも高速増殖炉を目指した核燃料リサイクルは失敗続きなのに、いまだにこだわる、変われない国日本の将来を憂う。

瓦礫処理に関し新潟県知事公開質問:早くも被害確認

  • 2012/05/30(水) 11:17:59

泉田知事が細野環境大臣に公開質問状提出したが、すばらしいことである。
なぜなら、日本人は理論的な論争をしないように教育されてきた。その結果、
論理的な討論より、絆という言葉などに無意識に従う。もっと具体的に表現すれば多数派につくという習性がある。

本質問は次のURLで読むことができる。
http://www.pref.niigata.lg.jp/haikibutsu/1337551290100.html
放射線瓦礫処理に関して国際的にも通る、理詰めの質問であり、高く評価する。
本質問書の中では瓦礫決定に至る議事録等の開示を、求めているが当然であり、答えるべきである。
瓦礫処理費を3倍に引き上げても、全国を一律に汚染することによる、福島の補償費節減額が大きいと試算したなら、開示できなきないであろうが、まさかそんなことはありえないと思う。環境大臣は自分に自信があるなら本質問に公開で堂々と返答することが可能であろう。

次に瓦礫焼却による実害報告について、島田市で試験瓦礫焼却がされた時、研究者が実測していたが、その時被害の実態が明確に記録されていたので報告する。
その時の映像は次のyoutubeとpdf文書でみることができる。
http://www.youtube.com/watch?v=IcyYuT9Tdu4
http://sokuteisitu.plumfield9905.jp/wordpress/wp-content/uploads/2012/04/ /資料4島田市の試験焼却前後における松葉の放射能調査結果について.pdf

焼却により空気中に飛散し、300m離れたところでは30%の濃度上昇が測定された。瓦礫焼却による被害で最も問題となるのは空中飛散である。なぜなら二次的なミニ原発事故の再現である。本報告にもかかわらず実行に移すことは犯罪行為である。

次に北九州では自治体による焼却以前に民間業者が東日本震災後の瓦礫焼却により、既に鼻血やのどの粘膜障害が報告されているが、今回も瓦礫を運んできたトラックが荷物を降ろした時。一時的であるが空中の放射線量がみりみる10倍にも跳ね上がった。
その映像は次のyoutube で見れる。
http://www.youtube.com/watch?v=4l4onL5K6FY&feature=related

瓦礫に含まれる放射能はセシウム以外のものも多く、このように瓦礫を降ろしただけで上がることは、焼却場作業員は防護マスクを着用しなければならないことを示唆している。
放射性瓦礫の焼却という世界で前例のない行為をどうしても実施したいなら、まず放射線焼却の専用の焼却設備を作ってから行うべきである。

モザイク縦割り行政の弊害―防災地域拡大阻止

  • 2012/05/29(火) 13:51:05

国が防災対策の重点地域(UPZ)を半径8-10キロ圏から30キロ圏への拡大申請を文科省認めずとの新聞記事を今朝読んだ。
現行の8-10キロ圏は炉心溶融などの重大事故が起きないという前提でつくられたものであり、30キロ圏でも狭すぎるというのが実態であろう。
UPZの拡充には放射性物質を検知するモニタリングポストや、安定ヨウ素剤の備蓄、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の導入などがある。

既に保安院と合わせて156億円の予算がついているのに、文科省が拡大申請を受け付けないとのことでびっくりした。文科省の誰が受け付けないように指示したのか明らかにすべきである。

これもまたモザイク縦割り行政の弊害の実例と思ったが、しかし、政治家は一体何をしているのかと疑問に思った。こんなことは政府に閣僚がいるのだから決めれば済むことであろう。今に政治は全く機能不全に陥っているとかいいようがない。

こんな根本的な、基本の基本ができていないのに原発の再稼働をいうなど、あきれる。

モザイク縦割り行政の弊害その2「患者調査除外」

  • 2012/05/27(日) 10:52:13

昨年原発事故後の沖縄も含む全国の放射線量の測定結果が連日報告された。しかし、一番重要な福島県と宮城県の一部の数値はいつも計器故障につき測定不能と報道された。  空気中の線量測定装置は簡単なので、故障なら、交換は速やかにできた。数値が報道されては悪い理由があったであろう。従って、計器故障は裏の理由にしかならない。測定者が単独でできるわけがないので、誰かは想像できないが、何らかの介入があったと考えるべきと思う。
何ヶ月後線量が落ちてきたら、故障も直り、報告されるようになった。

厚生労働省は3年毎に「患者調査」を実施してきた。調査年は昨年度であるので結果はまだ報告されていない。ところが福島県と宮城県の一部が患者調査対象ら除かれたということである。

従って、原発事故の影響を最も受けた地域の被ばく量も、患者の疾病もわからないことになる。即ち、原因と結果の双方を欠くことになる。このような状態では因果関係を論じることなど、誰にもできない。
福島のヒトはモルモットになるのではと危惧するヒトもいるが、モルモットにはなれないことは明らかである。

日本における放射線医学研究において指導的役割を担っているのは文科省傘下の放射線医学研究所であり、広島と長崎におかれている放射線影響研究所である。
おりしも現在福島県民健康調査が行われているがその中心人物は文科省傘下の出身者である。

福島県には18歳以下の子供が30万人台いるのに、単純な甲状腺エコーの測定でさえ1年経って、約1割済んだだけである。このままのペースでいけば、終える頃はピークを過ぎてしまい、測定する意味もなくなるだろう。

チェルノブイリの子供では3年後くらいから出てきて、福島では被ばく線量が低いと想定されている。しかし、福島では放射性ヨウ素の分布状況と放射性セシウムが異なる(参考資料1)こととベントが行われたので、この場合は爆発より低空で飛散するので、局所的な高濃度汚染の可能性が高くなり、予測は難しい。

さらに、ベラルーシでは1991年(事故から5年後)肺転移を伴った甲状腺がんが次々と見つかった(参考資料2)。
従って、甲状腺エコ−測定を加速し、本年度内に終えるようにすべきだが、モザイク型縦割り行政に依存し続けては事態の進展は困難であろう。
厚生労働省ともタイアップし、早急に事態に対応する必要があろう。
これができるのは政治しかないが、結局は選挙権のある民の力に依存していることになろう。(今朝読んだところ丁寧さに欠けることに気づき参考資料も記載し修正しました5/29)

参考資料
1.NHK,ETV:ネットワークで作る放射能地図;2012年4月1日放送
2.児玉龍彦:医学のあゆみ、チェルノブイリ原発事故から甲状腺がんの発症を学ぶ 231,306-310 (2009.10.24)

モザイク縦割り行政の弊害を断て−その1

  • 2012/05/26(土) 09:24:35

チェルノブイリ原発事故時、気象庁は定期的に放射性セシウムとストロンチウムを測定し、公表していた。
細かな測定法は知らないが、ベータ線を出すストロンチウムでは分離が必要であり、その期間は約1週間かけていた。そして測定結果は公表していたので、沢山の引用資料が存在する。
ところが、以下書くことは今回の福島原発後、得られた情報(多くのインターネット)に基づいた私の考察であることを予め了承いただきたい。

福島原発事故が起こって1カ月も経たないうちに、気象庁の職員がストロンチウムの測定をすることができなくなった。理由は気象庁の放射能測定予算の管理は文科省が握っていることだった。しかし、あまりにも非常識との代議士からの要請で何とか測定だけはするようになったが、測定結果はほとんど公表されなかった。これでは、何のための測定かわからない。
気象庁のデータというものは何より継続性が大事なので、文科省の都合で恣意的にコントロールすべきでない。これこそモザイク縦割り行政の弊害といえよう。

しかも、この時期に、ストロンチウム90の測定方法も変更し、分離測定に1カ月もかかる複雑な方法を、この測定方法こそ、最も正確なものであるとし正式に採用した。このことにより民間企業が測定する道をほぼ閉ざしたとみなすこともできよう。
また原発事故という緊急事態時には精度よりスピードであり、多数のサンプルを迅速に、安価に多くの機関で測定できることが重要であるのに、まさに逆の動きでもある。

放射性ストロンチウムは原子炉の中ではセシウムと同じくらいの比率(6%)で存在するので、セシウム同様幅広く飛散したはずである。ただし、ストロンチウムはセシウムより水に溶けやすいので雨雲などへの移行は多く、降雨とともに多く降り注いだように思えるが、実測データがほとんどないのでよくわからない。
ストロンチウム90の主流失ルートは冷却水に溶け、海に流出した量が空気中に放出された量よりはるかに多いと想像している。
しかし、海水の場合、海流や表層や海底近くとか別れていてなかなか均一濃度にならないので流出量の計算も難しい。

ストロンチウムの生物的半減期は50年と長く、物理学的半減期も約30年と長い。したがって、セシウムの生物的半減期約100日と違って、引き算は無視できるので、年々足し算で累積されていくと考えるべきである。従って、ストロンチウムの影響は年々徐々に高まってくるものである。
放射性ストロンチウムはベータ線を放出し、近傍にある骨髄を被ばくし、造血組織に影響を与え、白血病の原因にもなる。

半世紀前、焼津市のマグロ漁船<第五福竜丸>がビキニ岩礁で水素爆弾により被ばくした。この時、被ばくを受けるや直ちに母港に逃げ帰った。この時の被ばくではストロンチウムが一番問題になったようである。被ばく量は多かったが、すぐ逃げ帰ったので、死者は船長だけで済んだ。もし操業続けていたら大惨事になるところであった。なお、当時の生存者もおられるので貴重な証言もお聞きできると思う。

現在、放射性ストロンチウムの問題は無視されているがそれでよいだろうか?
放射性ストロンチウムに関して、ただ一つの良い動きは、歯科医を中心に乳歯などの歯の保存運動である。しかし、起こってしまった後の因果関係の立証用であり、わびしい気持ちを禁じえない。

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