瓦礫焼却放射能汚染拡大で農産物輸入禁止の恐れ

  • 2012/05/06(日) 20:38:56

現在日本からの農産物の輸入を全面的に禁止している国は24カ国になるが、貿易取引額の小さい国が多い。
貿易取引額の大きい、アメリカ、中国、EUなどは全面禁止を福島とその周辺県に限定している。汚染が低い地域の農産物に対しても政府の産地証明あるいは放射能検査証明書の提出を義務付けている国がほとんどである。
ところが、瓦礫焼却などにより、汚染は全国的に拡大してきている。福島原発からの放出もあるので関東地方ではその影響もかなりあろう。しかし,既に農産物の輸入停止になっているので関係ない。 問題は非汚染地域のため輸出できた地域の農産物輸入禁止が起こりえるということである。既にICRP2006による非常時対応の緩やかな基準時期は過ぎており、新基準の適用は当然であろう。
 
その時になって慌てふためいても、農地の除染など簡単にできない。その時は、もう元にもどれないことである。即ち、ルビコン川を渡ってしまうことである。原発事故から1年も経過したのに、放射能汚染とはどういうものか、思考停止状態に追い込まれ、絆の思想が何よりも優先している。太平洋戦争末期、連日空襲を受けていた子供の頃、青年団の若者が竹やり訓練をしていた光景を今でも覚えているが、現在も当時もあまり変わらないような気がする。
環境省の役人が考えたことか否かは知らないが、全土汚染政策は後もどりのできない破滅的な影響を政治家は知っているだろうか?知っていたら犯罪であり、知らない場合は勉強不足でありまた罪なことであろう。いずれにしても最大の被害者は農民である。

瓦礫焼却後の焼却灰の放射性濃度が問題でなく、放射性セシウムの再飛散が問題だと何度も書いてきた。瓦礫焼却後バグフィルターで捕捉されると考えるヒトが未だにいることは不思議である。
一般焼却炉はダイオキシンを分解できる800℃以上のものが普通になった。化学物資はそれくらいの温度で分解し、無害化するものが多い。一方、放射性物質は原子核反応であり1万度でも影響を受けない。セシウムの気化温度は678℃でで比較的低いが、融点は28.4℃と非常に低いのでちょっとあたたければ液体となりこのことが極めて気化し易いことに繋がっている。気化すればアボガドロ定数(6x10^23)という天文学的数となるので、どんなフィルターも通り抜ける。水(それぞれ、100℃と0℃)を思い出して考えていただければ理解し易いように思える。

この説明について物理学の元教授の書かれた良い文章があったので重複する部分もあるが、そのまま「 」に引用させていただきます。

「800℃では放射性セシウムは完全に気体状態になる。とくに問題なのは蒸気圧の高さである。蒸気圧とは、例えば、水は100℃で沸騰し、それ以下では液体であるが、100℃以下でも空気中に気体状態の水分が含まれている。通常空気中に含まれる水分を“湿度”と呼び日常生活に溶け込んでいる。これと同様に、バグフィルターの通過ガス温度約200℃でも放射性セシウムは100パスカル(1000分の1気圧)ほどの蒸気圧があり、これら気体状態の放射性セシウムはバグフィルターに捕獲されることはない。さらに、融点が28℃近辺と低いことは放射性セシウムの原子としての結合力が低いことを意味し、200℃ほどのバグフィルター通過温度では、仮に放射性セシウムが単体であるとした場合は液体であり、固体微粒子となる他の物質に比べて極めて通過しやすい。他の原子などと結合して、微粒子になるとしても原子の結合力が他の大方の金属等に比べて弱いために、大きい微粒子は形成しにくい傾向にある。一般のごみ処理用に設計されているバグフィルターでは、かなり大量に空気中に漏れていくことが予想される。」

追記:朝起きて読み直したらマリリンモンローの歌う「the river of no returnより、ルビコン川を渡るの方が適切と修正しました。

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