3割超「のう胞」でも「良性」、やっとメディア取り上げ

  • 2012/05/19(土) 09:38:53

昨日の東京新聞26,27面に掲載された記事である。福島の子供3万8千人について甲状腺エコー検査を実施した結果,甲状腺組織に「のう胞」が約35%「結節(しこり)」が約1%に認められた。このことはかなり前からわかっていたが、新聞やテレビにおける報道では甲状腺検査の結果はほぼ良性であり、再検査は2年後で良いと報道した。
そのため、多くのヒトはチェルノブイリと違って福島では甲状腺がんは心配ないとに安心し、注目もされなかった。
一般向けに医療記事を書いている○○メディカルでも今回の検査の結果、対照群が得られたと報じた。被ばく群を対照群と称することなどとても考えられないことがまかり通っているのが現状だ。

私も過去何回も書いてきたが先月だけでも4/1に「放射性ヨウ素甲状腺癌対策の第一歩は被ばく線量の把握」と4/29に「放射性ヨウ素甲状腺癌対策の第一歩は被ばく線量の把握」とブログに書いた。

今回、新聞が取り上げ、松崎道幸医師から至極まっとうなコメントも記載されていた。
また「半年ごとに検査を」という大きな見出しもあった。これを契機に被ばくした子供たちの検査が十分行われることを期待したい。

放射性ヨウ素被ばくに問題に関してだけでも非常に多くの問題がある。
当初の報道では日本人は常日頃、昆布などからヨウ素を摂取しているので、ヨウ素剤を飲まなくてもヨウ素欠乏症のチェルノブイリ住民とは異なり大丈夫という報道が多かった。しかし、その説は最近あまり聞かれなくなった。
次に起きてきた説はチェルノブイリで甲状腺がん見つかったのは5年後(実際は3年後より少し増加あるが)だから、3年後まで見つかったがんは原発事故とは関係ないだろうという考えである。

現時点では福島とチェルノブイリどちらが甲状腺がんの発生が多いか誰もわからないが、私は次の点から福島の可能性が大きいと思う。もちろんこの予測が外れることを期待しているが、最大の被害を予測し、防止に努めれば最小に抑えるできる。しかし、何も対策を取らなければ大惨事に至る。
1年2ケ月経過した現在、残された時間はあまりなく、後1−2年がリミットであろう。

ここでは放射性ヨウ素だけに焦点を絞って述べる。
被ばく量が多い可能性大;放射性ヨウ素と放射性セシウムの飛散ルートが全くことなっている(NHK、ETV 特集)ことのようである。 このことに関連するが福島では水素爆発が多かったので、チェルノブイリより低空であること、またベントの場合は煙突からの排出であり、同様に低空で拡散した可能性が高い。従って局所的な高濃度被ばくの可能性があるのではと想像する。

非常に高率で濾胞が観察されたのは、被ばく量と関連する可能性が最も高いであろう。
もちろん濾胞と発がんの関連性はわからないので、その関連性が低いことを願っているが。

被ばくとの関連性ではチェルノブイリの場合、妊婦と子供は翌日には避難したので半減期が8日としても、被ばく量が全然少なかったと想定される。

上述の背景が考えられるだけに、福島の子供のまだ1割しか,検査が済んでいないので早急に全員の検査を実施すべきだ。異常の認められた子供の再検査、非汚染区域の子供は対照群なのでその検査などすることは多い。補正予算を組んででも半年以内に完了すべきだ。
検査で得られたエビデンスを素直に解釈し、次々と対策を打っていくことしか残された道はないであろう。

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