モザイク縦割り行政の弊害その2「患者調査除外」

  • 2012/05/27(日) 10:52:13

昨年原発事故後の沖縄も含む全国の放射線量の測定結果が連日報告された。しかし、一番重要な福島県と宮城県の一部の数値はいつも計器故障につき測定不能と報道された。  空気中の線量測定装置は簡単なので、故障なら、交換は速やかにできた。数値が報道されては悪い理由があったであろう。従って、計器故障は裏の理由にしかならない。測定者が単独でできるわけがないので、誰かは想像できないが、何らかの介入があったと考えるべきと思う。
何ヶ月後線量が落ちてきたら、故障も直り、報告されるようになった。

厚生労働省は3年毎に「患者調査」を実施してきた。調査年は昨年度であるので結果はまだ報告されていない。ところが福島県と宮城県の一部が患者調査対象ら除かれたということである。

従って、原発事故の影響を最も受けた地域の被ばく量も、患者の疾病もわからないことになる。即ち、原因と結果の双方を欠くことになる。このような状態では因果関係を論じることなど、誰にもできない。
福島のヒトはモルモットになるのではと危惧するヒトもいるが、モルモットにはなれないことは明らかである。

日本における放射線医学研究において指導的役割を担っているのは文科省傘下の放射線医学研究所であり、広島と長崎におかれている放射線影響研究所である。
おりしも現在福島県民健康調査が行われているがその中心人物は文科省傘下の出身者である。

福島県には18歳以下の子供が30万人台いるのに、単純な甲状腺エコーの測定でさえ1年経って、約1割済んだだけである。このままのペースでいけば、終える頃はピークを過ぎてしまい、測定する意味もなくなるだろう。

チェルノブイリの子供では3年後くらいから出てきて、福島では被ばく線量が低いと想定されている。しかし、福島では放射性ヨウ素の分布状況と放射性セシウムが異なる(参考資料1)こととベントが行われたので、この場合は爆発より低空で飛散するので、局所的な高濃度汚染の可能性が高くなり、予測は難しい。

さらに、ベラルーシでは1991年(事故から5年後)肺転移を伴った甲状腺がんが次々と見つかった(参考資料2)。
従って、甲状腺エコ−測定を加速し、本年度内に終えるようにすべきだが、モザイク型縦割り行政に依存し続けては事態の進展は困難であろう。
厚生労働省ともタイアップし、早急に事態に対応する必要があろう。
これができるのは政治しかないが、結局は選挙権のある民の力に依存していることになろう。(今朝読んだところ丁寧さに欠けることに気づき参考資料も記載し修正しました5/29)

参考資料
1.NHK,ETV:ネットワークで作る放射能地図;2012年4月1日放送
2.児玉龍彦:医学のあゆみ、チェルノブイリ原発事故から甲状腺がんの発症を学ぶ 231,306-310 (2009.10.24)

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