チェルノブイリが自然の楽園は自然淘汰の結果である

  • 2012/07/16(月) 16:46:27

先週、ラット遺伝子に及ぼす影響は後世代になるほど悪化していく、即ち森に住むネズミの遺伝子異常は5,6年後(従って10世代以上も)まで悪化していくことを書いた。これはSiedendorf女医の「チェルノブイリは遺伝子の中で荒れ狂う」という記事の裏付けになるものと書いた。

昨年、「被ばくの森はいま」という映像で、チェルノブイリ原発から30km圏内は動物たちの天国だったような記憶がよみがえり、改めて映像を探したところ事故から20年以上経過後の資料(URLを最下段に記載)がみつかったので、改めて映像を見て、整合性を調べた。

この地域に住んでいた住民13万人は事故翌日から移動したままになったので、ヒトのいない森は動物の天国であろう。事故直後の短期核種による放射能はほとんど消失し、事故直後からは3%程度になった。この状態で新たに流入してきた熊、狼なども含め、自然の楽園の観を呈している。仔細に検討すると重篤な影響を受けた動物は絶え、周辺地区から多くの類似の種がこの楽園に他地域から侵入してきたことがわかる。鳥類では新たな侵入にも拘わらずいまだに個数が少なく、ツバメなど生存に支障のあるような奇形(癌になる、左右羽の不均一、卵の大きさが1/3、精子の形態異常)が今でも顕著に表れている。
鳥で顕著に表れるのは抗酸化能力が弱いことが原因であり、ネズミの場合には抗酸化作用が強力なので放射線被ばくにより惹起されるフリーラジカルが直ちに消されることがわかった。すなわちDNA損傷が防止されるのであって、修復機構が亢進するわけではなかった。
実験用マウスを赤い森の48日間おくと抗酸化作用が増殖することが実験的に確かめられた。<註;このような見事なホルミシス効果が確認できたのは、抗酸化作用の獲得が非常に出やすい実験用マウスの系が選択されたためと想像した。>
いずれにしても環境に適用できた動物しか生き残れない自然界では自然淘汰が進み、奇形などの起きたネズミは絶え、10年以上たてば抗酸化作用能力の高いネズミだけが生き残ったと考えられる。

従って、先の遺伝子障害が深刻化していこうが、適者生存の自然界にあっては環境に合致した能力を身に付けた動物だけが生き残る。よって、遺伝子障害の深化とフリーラジカルを即座に回復する能力とは世代の長さで矛盾なく両立することができる。鳥類のように抗酸化能力を高められなかった動物では今なお、個体数の減少がみられる。

参考URL
Part1; http://vimeo.com/24069680
Part2; http://vimeo.com/24095536
Part3; http://vimeo.com/24096821
Part4; http://vimeo.com/24097290
Part3; http://vimeo.com/24097534

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