福島原発事故後チョウの遺伝子に変化論文公表

  • 2012/08/10(金) 18:21:11

昨日英国Nature comに日本人研究者による論文が公表された。論文のURL、タイトル、氏名、誌名、などは参考資料として下段に示しました。

今回は蝶の遺伝子に対する影響であり、ヒトと昆虫間における種差の大きなギャップは認識しています。しかし、細胞核にあるDNA修復機構の基本骨格は何億年も前の細菌時代にできていることや、遺伝子研究の歴史的経過を振り返るならば、革命的な発展の基盤はショウジョバエの遺伝子研究にあった。

今回の研究では単なる観察だけでなく、緻密な、実証的な裏付け研究もあり、尽力された関係者に感謝します。本成果は福島原発事故後の被ばくによる、遺伝的影響に関する研究の出発点になる、素晴らしい成果であろうと思います。ゲノム科学も未発達で貧しいベラルーシにおいても、染色体異常に関する研究などはされていましたが、ゲノム不安定性などはチェルノブイリに行った日本人研究者により報告されているだけのように記憶しています。高速ゲノム解析時代に入った現在はヒトのDNAレベルの解析により詳細なメカニズムが解明されることを期待しています。
なお、本論文には46もの貴重な参考文献が添付されていましたが、時間がなくて読んでいません。時間があるとき勉強したいと思っています。

本論文の要旨を書かれた記事を参考に内容を「」内で紹介します。

「東北に生息している蝶のヤマトシジミは畑や公園、人家周辺でよく見られる種類でこの蝶を用いて研究が行われた。2011年5月に東京から福島にわたる地域で、事故後最初に羽化したヤマトシジミの成虫を採集したチョウには比較的軽度の異常が見つかりました。この採集したチョウに卵を産ませたところ、子の世代では、親世代よりも高い割合で異常個体がみつかりました。この世代の異常個体に卵を産ませ、孫の世代を見てみると、異常が孫世代にまで遺伝することがわかりました。さらに、2011年9月に野外で採集したチョウからは、5月の結果よりも一層厳しい異常が観察されました。別に放射線の影響を調べるために実験的研究として、沖縄のヤマトシジミの幼虫と蛹(さなぎ)の時期に低線量の放射線を外部から照射したり、福島で採れた草をエサとして与えることで低線量の内部被曝をさせて、福島などでみられたチョウの異常との関連を調べた結果、福島原発事故後放出された放射性物質が、ヤマトシジミに生理的かつ遺伝的な損傷をもたらしたと結論づけられた。」

参考資料:
URL:
http://www.nature.com/srep/2012/120809/srep00570/full/srep00570.html
タイトル:The biological impacts of the Fukushima nuclear accident on the pale grass blue butterfly•
著者:Atsuki Hiyama, Chiyo Nohara, Seira Kinjo, Wataru Taira, Shinichi Gima, Akira Tanahara & Joji M. Otaki1
発行元:Nature com
公表日:09 August 2012
⇒今朝読み直したらURLの記載を失念していることに気づきました、ついでに文も若干追加修正しました。

HOME |