小児甲状腺がん発症の想定は論理的に思考すべきだ

  • 2012/08/26(日) 21:35:46

チェルノブイリでは甲状腺がんは2-3年後から徐々に増え、5年からは激増した。一方、福島の子供の甲状腺異常率はチェルノブイリより早いペースで進行している。
,海里海箸魯船Д襯離屮ぅ蠅茲衄錣个量が多い可能性を示唆する。
また、観察された結節と濾胞を比較すると濾胞の比率が高い。
△海里海箸亙射性物質の核種の違いを示唆する。

,諒‥腓諒射性ヨウ素被ばく量に関する証拠はない。その理由を以下に述べる。
昨年原子力災害現地対策本部はSPEEDI を用いた試算(3月23日公表分)で甲状腺の等価線量が高いと評価された地域として、いわき市、川俣町、飯舘村を選び、1080人の小児甲状腺の被ばく量をNaIシンチレーション式サーベイメータで測定した。その結果小児甲状腺被ばく(一歳児の甲状腺等価線量として100mSvに相当)を超えるものはなかったと報告(参考資料1)した。
このことが多くのヒトを安心させたようであるが,実際は極めて信頼性の低いデータであった。何故なら、ヨウ素131の出すβ線を検出するのに何とγ線を計測するNaIシンチレーション式サーベイメータを用いたことであった。

一方、ヨウ素131のβ線を正確に測定できるγ線スペクトロサーべイメータという計測器を用いて、弘前大学の床次教授らの医療チームが福島県の浪江町に入ってその頃(ほんの少し遅れたが)計測していた。その結果、大人の被ばく量から逆算すると、1歳児では800mSvほどまで被ばくしていることが推定された(参考資料2)。この量に実際に被ばくしていたら大変な事態だった。
ところが同教授らが65人まで測定したところで、中止せよとの電話連絡を福島県庁から受け、その人数で打ち切ったのでデータ不足となった。もし、同教授らによる測定が継続されていたならば信頼すべきデータが得られた筈であった。しかし、何ら信頼できるデータがなく、甲状腺発がんの予測が不可能な最悪の事態にいたった。
結局、国際的には公表できない、恥ずかしい信頼性の低い測定結果だけがわが国で一人歩きすることになった。

以上は個人々の被ばく量のことであるが、もうひとつのとらえ方は地域への緻密な分布状況を元に、そこに過ごした時間から被ばく量を推定する方法がある。ところがヨウ素131の半減期は8日なので、すぐ計測しない限り不可能だ。今年4月1日のNHKのETV特集放送では、自動計測装置の電池の切れるまで記録されたデータが見つかり、原子力村以外の専門家が解析した結果、放射性セシウムと異なり、同心円上に分布したのではないかということであった(参考資料2)。
福島原発は何回も爆発を繰り返し、またベントによる飛散もあり、今となっては分布状況を再現するなど不可能であろう。従って、福島の子供達の住む地域からどれくらい被ばくしたかの推定も不可能なことがわかった。

以上から、放射性ヨウ素被ばくに関する測定された個人のデータも、環境中への分布濃度に関するもデータもないことから小児甲状腺被ばくを予測できる基礎データがないことが明らかになった。

核種の違いについて、今回の福島原発とチェルノブイリ原発事故を較べると原子炉の数やタイプの違い、爆発の仕方も違ったが、決定的な違いは3号炉がプルサーマル型であったために、アルファ粒子(キュリウム、プルトニウムなど)の放出が強かったことが原因であろうと海外の専門家はみなしている。

以上から、最後に残された手段は、甲状腺検査の初期データの解析がもっとも重視されることになった。
ところが血液検査などは一切なく、甲状腺エコー検査されただけである。しかも比較対照群(例えば被ばくの少ない秋田県の日本海岸地域)もおかれなかった。
今年3月末時点で福島の子供3万8千人余り(全体の1割)のエコー検査結果が発表された。それによって36%もの子供に甲状腺異常が見つかった。このことは福島の子供の甲状腺異常出現スピードが早いことで海外の医師は初期被ばく量が想像を絶する大量である可能性を指摘したが、同感である。何故なら、生物学的変化は初期被ばく量に比例して起こると考えるのが論理的思考である。
今回実施したのは、エコー検査だけであり、本来なら引き続き様々な検討を小規模で良いから実施すべきだった。
また、たったたひとつのデータであるならばその解析に最大限の努力をし、将来の対策を立てるべきだったと思う。会議で何が話されたかわからないが、良性との判断根拠を病理学の専門家による細胞診によるものだったら国際的にも通用したであろう。

海外の医師は細胞診を早急にして癌の有無を病理学的に判断すべきと主張している。癌の診断を確定するには病理学的診断が必要で、逆にいえば癌であってもそれがなければ良性であろうと思われるともいえる。今回エコー検査で5.1mm以上の結節が認められた例が184人もいたの早急な細胞診検査が必要である。

また現在の速度で検査していたら最後の子供は10年後になり、甲状腺の検査を一度もしないうちに生涯を終える子供も出るかもしれない。前にも書いたが年内に全員検査完了するようにしなければ、全体計画もたてられないであろう。

それから異常のあったヒトの再検査は2年間隔でなく半年間隔に狭めるべきだ。固形がんの倍加時間(癌が倍になるのに要する日数)は75日くらいだからその倍くらいの期間で検査するのは合理的と思う。

今回の犠牲者は子供であるので世代間の責任論で考えれば、我々大人の連帯責任だと思う。しかし、過ぎ去った過去は変えられないので、今我々ができることは福島の子供の甲状腺異常の観察から次の展開を考えるべきだ。分からないところは予防の原則に照らし、安全サイドの立場で被害を最小にするべく最善の努力をすることこそ、原発事故を犯した世代の子供に対する償いだ。
子供を被ばく地域に帰すなど論外である。
というのはカルディコット医師によれば放射能に対する感受性は、子供達は大人の20倍であり、女の子は男の子の2倍、胎児の感受性は子供達より更にもっ と高いということです。ところが、日本では子供の感受性が高いことも具体的数値では報道されてない。

なお、被ばく予測が万一外れても無駄になったらそれはありがたいことであり喜ぶべきことである。何十万の子供の命とは代えられないで自明であろう。
⇒今朝読み返して、文章をすっきりさせました。

参考資料
1.http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo4-3.pdf
2.NHK,ETV:ネットワークで作る放射能地図;2012年4月1日放送
  <テレビと違うところはその後の情報で修正しました>

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