欧米専門家は日本の放射能対策にバカか気違いか?

  • 2012/09/09(日) 16:54:27

栃木県那須塩原町でもみの木医院を開業されて今秋20年目を迎えられる川口幸夫医師が「原発事故と放射線障害に対する考え方」をご自身のホームページで提言されています。タイトルはそこに書かれた中の言葉から選ばせていただきました。一部分だけでは誤解を与えるおそれもありますのでこのブログのトップに載せているリンクをクリックするだけで全文をお読みいただけるので是非お読みください。
私の思っているようなことを実に歯切れ良い説得力のある言葉で書いておられますので、重複する部分は省きます。 ここでは何故そういう言葉が発せられるのかという私なりの考えと、エビデンスに対応して臨機応変に対応する思考能力を何故欠いたかについて述べる。

タイトルの言葉の私の考えた理由
●事故からまもなくノーベル医学賞を受賞した医師団がニューヨークから緊急の声明を出した。「子供は放射線に対する感受性が高いのに、20mSv/年まで住まわせるなどとんでもない、すぐ避難させるべきだ」。 しかし、安心して住めるという反論もしないまま無視した。
●放射性物質から出る放射能をヒトは制御できない。従って、できるのは移動だけである。だから拡散しては管理できなくなり終始不能に至る。放射能防護対策の基本はバラマキでなく集中することであり、これが世界共通のの基本政策である。
ところが、福島の苦しみを全国民で分かち合おうという絆精神で、瓦礫を、食品を、腐葉土を、なんでも全国にバラマイて、国民全体が被ばくする政策をとっている。 
更に汚染水処理も船からの投棄は国際的で禁止されているが陸からの投棄は国際的条約がないから法的に問題がない。よってイザとなれば太平洋にバラマクということで福島原発敷地に隔壁も作らなかった。しかし、本来は日本の法律にも抵触するし、隔壁の工事代金をけちったためだったら国際的にも通用しないことは明らかであろう。
今後日本全体が次第に汚染され、輸出規制が厳しくなることや観光客数に影響を与えることを考えたことがあるだろうか?
●原発事故の状況(未だに核分裂があったかも未発表)、放射性物質の一覧表(inventory) も不十分, 一例をあげれば、放出した放射性セシウムなど飛行機でも車でも面で計れ、平方m当たりのベクレル値で地図上で強さに応じた色で示せる。ところが世界のだれもが評価できる測定をせず、世界のだれもが誰も評価できない、深い土を掘り起こして重量(kg)あたりで測定し、広い範囲を一点だけ示した。未だに全体像もわからない闇のなかの部分が多い。

アメリカの甲状腺学会の会長も福島の子供の甲状腺異常が1年時点で36%もあることについて、日本からの情報が(1ケ月くらい前)全くないのではコメントもできない。 我々だったら公開し、前広に対策を考えるということであった。

エビデンスに対応した臨機応変対策の思考能力欠如について
●甲状腺被ばく対策を例に説明する。
放射性ヨウ素の沸点は184℃であるので、水より少し高いだけである。184℃を超えれば全て気化するが、これより低くても、水が沸点より低い温度で空気中に水蒸気として存在するように部分的に気化できる。
低い温度で気化する性質があるので、水素爆発だけでなくベントによる放出(世界初という前例のない体験である)の影響が大きいと思う。
更に水素爆発による飛散でも放射性セシウムと違って同心円上に分布した可能性(参考資料1)が高い。
チェルノブイリでは水蒸気爆発でありかなり上空に飛んだ。今回は地表近くにかなりの放射性ヨウソが飛んだ可能性が高い。従って、福島の子供は特に放射性ヨウ素に関してはチェルノブイリをはるかに超える被ばく量の可能性は十分考えられる。
事故後9-12ケ月の間に5.0mm以下の濾胞(のう胞, cyst)が32.6%でき,5.1mm以上ののう胞が2.5%エコーで観察された。一方、チェルノブイリでは10年後でも5mm以上の子供は0.8%しか観察されなかった。如何に福島の子供の進行が早いかが分かる。
⇒4月発表時点では20.0mm以下というだけで詳しい区分が報告されてなかったが、その後区分細分化されたので、それに合わせて修正しました。
また12年前に長崎の被ばくのない子供で検査された5mmの胞は0.8%(参考資料2)であったが対照群については今後実施するとのことです。今回のように非常に速くおきたのう胞異常がどのような結果になるかわからないので、今後の注意深いフォロウが必要だ。
次に結節(しこり,nodule)について5.0mm以下が0.5%強、5.1mm以上が0.5%弱であったので、今のところはっきりといえる段階でもない.
しかし、海外の専門家が一致して主張することは、5.1mm以上の結節について細胞診を行って、悪性か良性かを診断すべきということである。もし良性と主張するならば病理学専門家による細胞診は必須であろう。

被ばくした線量もわからわからなかったので,当初の計画がチェルノブイリを参考にして立てられたのは納得できる。しかし、子供の甲状腺異常がこのように速く観察されたからには、新しい事態に対応して、計画を変更すべきだ。
福島の未検査の子供の甲状腺検査を来春中にケリを付けるべきだ。全員ができないならば低年齢順とか推定被ばく線量順とか優先順位をつけ方までは私には分からないが実施すべきだ。

福島の被ばく線量は不明であり、おびただしいα線β線も同時に被ばくした可能性があるが今から過去にもどれないので、現在は体が受けた影響をできるだけ広くチェックすべきと思う。
放射線の影響は染色体異常としても観察できるので、そいういった類のものから新しい指標まで、あらゆる知恵を絞り日本の子供たちを被ばくから救うべく行動すべきだ。

参考資料
1.NHK,ETV:ネットワークで作る放射能地図;2012年4月1日放送
2.Endocrine Journal 2001, 48 (5), 591-595
Urinary Iodine Levels Comparison between and Thyroid D Nagasaki and
iseases in Children; 

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