福島の4月以降甲状腺検査結果、35.3%から43.1%へ悪化

  • 2012/09/12(水) 08:58:25

昨日福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が開かれ、本年度5月から行われた結果が公表(本資料のURLは最下段)された。
今回は前回のような簡単すぎる報告より大部改善された。
前回が昨年10月から今年3月31日に実施され3万8千人だったが、今回は5月から8月14日までに4万2千人が追加された。

データを見て感じたことは、今回は福島市などが中心で原発からは少し離れた地域の子供なのに、軽度陽性(5.0mm以下の結節か20.0mm以下ののう胞)者が半年後に原発近くの子供の35.3%より高い43.1%へ8%増加したことだった。
これは半年遅れという期間の影響がすごく表れている結果だと思った。
このようなことはよくわからないが甲状腺の幹細胞などがもし影響を受ければ起こりえるかなと想像した。いずれにしても通常の子供の甲状腺がんより非常に進行が早いのが特徴という可能性も考えられる。
この増殖速度の速さで福島原発由来か否かの目安はつけられないだろうかと想像した。

今回の甲状腺異常の出現率が時間を経るに従い増加したということは、福島の甲状腺被ばく線量がチェルノブイリより、はるかに大きいと考えるのが最も自然なように思える。

実際に放射性ヨウ素の濃度測定状況を振り返ってみると、被ばく量について昨年3月20日過ぎ1080名を測定したのはNaIシンチレーション式サーベイメータであったので、国内のメディア用向けでしかなく、海外に発表したら信用を落とす。
唯一信頼できるのは弘前大チームの測定であったが、それによれば大人の測定値から子供へ、日数も逆算という計算上であったが800mSvという数値まで出ている。この被ばくは大変な量であると思う。しかし、残念ながら、途中で中断させられた。詳しくは8月26日ブログに書きました。

以上のことから、福島の子供の被ばく量は不明であるという前提に経てば、計画段階ではチェルノブイリを参考にしても、現時点では白紙で考えた方が良いと思う。
しかし、半減期の短い放射性ヨウ素の測定は今となっては不可能だ。
従って、大量に被ばくしたならば、それに応じた痕跡が甲状腺などに残っているという仮定でさまざまな指標を調べる手段しか残されてないと思う。

チェルノブイリの結果をバイブルのように信じるのでなく、子供の甲状腺に痕跡として残された影響を発見するために、甲状腺ホルモンに関連する多くの指標の測定、遺伝子マーカーや染色体異常検査など遺伝的な影響から、幅広く検討すべきと思う。

また、海外の専門家が指摘するように5.1mm以上の結節があれば細胞診を早急に行うべきと思う。

要するに予防の原則に立って、チェルノブイリをバイブルのように信じないで、福島はケタ外れの被ばくをしたという前提でエビデンス重視に視点を変えるべきと思う。

それから3月まで観察された1名について、残念ながらがんが認められました。これに対し、福島原発由来でないと話されましたが、現時点では、否定も肯定もできない灰色の段階と考えるのが合理的とおもいます。

そういえば、小児甲状腺がんの発症は普通のがんと異なり速いことから、特徴的な遺伝子マーカーの研究が行われ、昨年、「子供のがんに特徴的に起こるのはret/PTC3と呼ばれる再配列の異常により、本来は発現していない細胞分裂に係わる遺伝子が過剰に発現することによる」という論文が発表されたので、期待していました。放射線被ばく以外でも起こる例が見つかり、期待外れに終えました。しかし、遺伝子研究の進展は急速なので将来に期待したいと思います。

⇒今朝出かける前に書いた文章を大幅修正しました。

参考資料
1. http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240911siryou2.pdf

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