小児癌が放射能由来かは染色体と遺伝子検査で推定可能

  • 2012/09/24(月) 20:30:23

福島の子供1名に甲状腺癌が観察されたが、チェルノブイリで4年後に甲状腺がんが認められた。一方、原発事故から1年半しか経過してないから、事故によるものではないと福島県民健康管理調査検討委員会は判定した。

チェルノブイリで4年後というのは統計処理で有意差がついた時期という意味であり、実際は1,2年後から甲状腺癌は少し増えてきていた。
このことについて私は9/12のブログで「現時点では、否定も肯定もできない灰色の段階と考えるのが合理的だ」と当たり前のことを書いた。また、9/14のブログでは「細胞診で確定しなくても、1−2年経てば増殖が進み、大きさで確認できるようになるので、時間稼ぎをする行為は、転移の可能性も生じる危険な行為でもある。」と書いた。

間接的な方面から考察したところ、9/18のブログで福島原発から放出されたヨウ素131の量はチェルノブイリの2倍の可能性があり、放出された高さがチェルノブイリより低くかったので狭い範囲に分布したので想像を超えた高濃度になった可能性について言及した。この考えにたてば前例のない大量ひばくしたから異常な速度で甲状腺異常が起こりつつあるともいえる。
また散発的なデータであるが大量被ばくを想定するデータもあった。以上のさまざまなことから、既に外堀は埋まったともいえる。

このような背景がありながら、福島県で被ばくした子供の親のことを考えたら、これから1−2年じっと待つのは実に辛いことであり、また、待てば待つほど被害は大きくなる筈なので人道上の問題も起きよう。
そう考えたら9/15のブログに書いた細胞診を行わなくたって1―2年待てば明らかになるであろうという考えは傍観者のような、福島の子供のことを考えない受け身すぎる考えと反省した。
灰色のまま放置でなく早く白黒をはっきりさせるには何をしたらよいか考えた。

早く決着するには被ばく線量を正確に推定できるということと、甲状腺癌が放射線により惹起されたという二つが証明されれば1例でも推定できるのではないかと考えて、調べた。

被ばく線量:
ニューヨーク科学アカデミーから出版された「チェルノブイリの大惨事の」著者のひとりであるYablokov博士が日本で染色体異常が本当に調べられていなかったとしたら驚きだと話したとの記事を読んだ。
染色体異常率と放射能のひばく量の相関関係についてはかなり長い間の実績があるので、この検査を実施すれば被ばく量の推定が可能になろう。

放射線由来の遺伝子変異の測定:
特徴的な遺伝子マーカーに関する文献を探していたら2000年にRabes HMらの論文(参考資料)で、チェルノブイリ高汚染地区のゴメリなどで観察された甲状腺異常変異遺伝子ELE1/RET(PTC3)は高増殖性腫瘍(rapid tumor development)なので測定対照として良いメルクマールになるかと思った次第です。
ただし、この領域の進歩は著しいので具体的には第一線研究者が決めてくれればと思います。

参考資料:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10741739

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