福島県における小児甲状腺対策はシナリオにそっている?

  • 2012/10/14(日) 22:03:53

誰がシナリオを考えたか知らないが、福島原発事故後から現在までの小児甲状腺対策を調べてみると福島県における小児甲状腺被ばく調査は終始一貫していることがわかる。

今回の放射性ヨウ素の放出は3月12日1号機爆発前から起きたと考えられる。
理由は、先月1年半遅れで、2011年3月21日午後2-3時に福島県双葉町上羽鳥で1590μSv/hと原発敷地外での最高濃度を記録したとの県の報告と、1号機の水素爆発時間が午後3時36分であることを照らし合わせると、福島原発の初回の水素爆発以前に最も高濃度の放射能が検出されたことによる。

放射性ヨウ素の放出量について、9月18日ブログで放射性ヨウ素は放射性セシウムより2000倍も多量に放出され、甲状腺被ばく量はチェルノブイリの10倍も高い可能性について言及した。放射性ヨウ素の分布状況はSPEEDIもしくはWSPEEDIにより解析され一部委員には開示されていたと推定する。従って最大の被ばく地域の推定も可能ではなかったと想像する。

その理由は東大の小佐古教授が辞任に際して、小児の甲状腺の等価線量については20, 30km圏内の近傍ならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東・東北地域について、隠さず迅速に公開すべきと述べている。存在しないものを開示すべきと主張することはありえないので、未だに隠ぺいされており、これはまさに犯罪行為ともいえるだろう。

⇒まだ公開されてないようなので(瞬間的な公開は確認しようがないので)今からでも至急開示すれば福島の子供たちにとっても非常に有用な情報となるであろう。このときNHKのETV特集で報道されたモニタリングポストに記録された放射性ヨウ素の記録から再現された拡散状況の分布表ができていたなら是非公表をお願いしたい。

次に3月24日から30日にいわき市、川俣町、飯舘村の子供約1000人で甲状腺の放射能が測定されたことについて。原子力安全委員会の指示で行われたので初歩的ミスを犯すことはありえないはずだが、何故か測定にはNaIシンチレーションサーベイメータが使われた。しかし、NHKは放射性ヨウ素被ばくのスクリーニングが行われたとさりげなく報道したために測定計器に問題があるとの連想まで至らなかったヒトが多かったと思う。
もうひとつの問題はNaIタイプの測定機ではガンマー線が全て計測されてしまうので、測定値からバックグランド値を引く必要がある。ということは、子供たちをバックグランド値の低い地域まで移動させて測定する必要があるので、測定値やバックグランド値まで公表する必要がある。もし、高線量地域で測定されていれば、スクリーニングしたという言葉さへ使うのは不適切になる。

γ線スペクトロサーベイメータで放射性ヨウ素を正確に測定していたのは弘前大チームだけであったのに、県の職員から測定を中止するような連絡を受けたということになったようだが誰が伝えたかはわからない。

一方、チェルノブイリと比較してみると被ばく量測定人数は、ウクライナでは一カ月以内に13万人も測定されているのに対し、福島では放射性ヨウ素被ばく測定でなくスクリーニングが千人に行われただけだった。

以上のことから分かるのは、結局正しい被ばく量など最初から測定する気がなかったと解釈されると思う。

それなのに県民健康調査の目的に書かれている言葉は(参考資料:NPO法人情報公開クリアリングハウス)、「本格調査では、放射線の甲状腺に対する影響を評価でき、現時点で予想される外部及び内部被ばく線量を考慮するとその影響は極めて少ないことが明らかにできる。」

この条文が書かれたのは夏であったので、被ばく量の測定が正確におこなわれていなかったことがわかっていたにも関わらず、甲状腺検査は、放射線の甲状腺に対する影響が極めて少ないことを明らかにする研究目的など書ける筈がないのに不思議である。
従って、影響がないというストリーが描かれ、全てが進んできたような気がする。

8万人調査で癌ひとり見つかったという風に報道されることが多いが、9月14日時点でブログに書いた私の試算では3万8千人で8人と計算された。
僅かな人数からの計算なので実際にそうなるかはわからないが、被ばくからの経過時間を考慮すれば予想外の数字がでるかもしれない。

当初のストーリと変わった新しいエビデンスが出現したら、それに基づく柔軟な対応を一刻も早くすべきと願っている。

参考資料:福島県県民健康管理調査は結論ありきの研究になるのか?    http://johokokai.exblog.jp/18529158/

⇒現時点で県の広報を調べてもわからず、幸いNPO法人情報公開クリアリングハウスに資料が残っており引用させていただきました。なお、読み返した結果、表現は昨晩の文より多々変えましたが、文意は何ら変わっていません。

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