アメリカのキウォーニー原発は天然ガスに負け廃炉へ

  • 2012/10/23(火) 19:29:00

昨日のロイター電によれば
「米電力大手ドミニオン・リソーシズは来年、米ウィスコンシン州にあるキウォーニー原子力発電所を閉鎖する。米国のシェールガス生産が急増し、今年1─9月の電力価格は、昨年同期に較べ約30%価格が下落した。石炭火力発電所の閉鎖に続き、原子力業界にも影響が出始めている。より小規模で使用年数がより長いキウォーニー原発が最初の標的となった。
天然ガスとの競争に敗れて閉鎖に追い込まれる原発が今後さらに増えるとの見方が出ている。
キウォーニー原発は1974年に商業運転を開始。2011年4月から売りに出されていたが、2033年までライセンスが更新されたにもかかわらず、買い手は見つからなかった。ドミニオンはこの原発の廃炉に関連し、第3・四半期に税引後費用として2億8100万ドルを計上することを決めた。」
同社のトーマス・ファレル社長兼最高経営責任者(CEO)は「22日、廃炉決定について「純粋に経済性に基づくもの」と説明した。」

米国にある政策研究所(Institute for Policy Studies)のシニア・スカラー、ロバート・アルバレス氏は「安い天然ガスが豊富にあるために、老朽化した原発設備をもつ電力事業者は苦境に立たされている」と指摘。「原発の維持・管理コストが天然ガスに対する競争力をそぐケースがある。」と付け加えた。

米国では、安価な国内ガスの生産が急増して原発新設計画が中止されていたほか、東日本大震災に伴う福島原子力発電所の事故を受けた安全性への懸念で原子力への国民の期待がそがれた。

更にM5.0以上の地震が起こる割合は世界平均の100倍も高い日本で原子力発電所が50以上もできてしまった上に、実際に最大級の原発事故を起こした。福島原発事故の被ばく影響は水面下にあり、全貌がまったくわからない上、原発の事故処理が何十年かかるかもわからない。
それなのに経済界、政治家、地方自治体、メディアが反省もせず、いまだに原発推進に邁進するのがわからない。電力が自由化されてないことも大きいだろうが、日本を原子力村が完全に支配し、世界の動きとは完全に分離し、ガラバゴス島かしていることが根本原因と思う。

アメリカでは2ケ月くらい前に、核燃料の廃棄場が決まらなければ新規の原発を認可しないことになった。原子力産業は天然ガスに負け、完全な斜陽産業である。実際福島原発の生みの親だったGE社社は原子力産業部門を日本企業にに売った。他の原子力企業も日本に身売りをした。韓国も現与党の大統領候補以外は原発廃止を訴えている。インド、中国はトリウム型原子力発電に注力しだした。このまま軽水炉タイプにこだわっていたら、最悪のケースではババ抜きのババを受け取った後、引き渡す相手がいなくなり、多くの原子力発電の後始末を一手に引き受けざる得なくなる可能性さえ起こる。

というのは海外で原発事故が起きた場合には今回のように賠償金もほとんど払わないというわけにはいかないであろう。原発事故保険制度をきちんと整備して、補償範囲を限定しておかなければ、天文学的賠償請求を企業でなく国民の税金で払うことになる可能性もある。
というのは、現に福島原発による被害額が明確になる4,5年後に照準を合わせて、環太平洋20ヵ国による集団訴訟の下打ち合わせも始まっており、戦後の賠償額より多くなる可能性も高い。

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