「もんじゅ」再開は日本破滅への道

  • 2012/11/12(月) 22:46:36

先日の新聞によれば 日本原子力研究開発機構は8日、2013年度中に高速増殖原型炉「もんじゅ」の運転を再開して性能試験に入れるとの見通しを示した。ただ、敷地内の断層調査なども予定されており、先行きは不透明だ。
この記事からは地震の不安が払しょくされれば先に進めることができると解釈できる。

また本記事に呼応してか金子洋一参議院議員は「資源に乏しいわが国にとって自前の技術である高速炉の研究は欠かすことができない。資源を含めた安全保障のためにもぜひ進めるべき」ツイッターで発信した。
更に石原都知事は辞任表明前の9月に「もんじゅ」見学の際「もんじゅ」の長期運転中止について記者団に問われた、「誰がつくった手続きか知らないが、そういったものを簡略化、スピードアップするのが政治家の責任」と批判した。今後の原発新設については「半分本気で東京に造ったらいいよ」と語った。

以上の報道から日本原子力機構、メディア、政治家の全てが「もんじゅ」の本体である高速増殖炉に関する知識が限りなくゼロであることに吃驚した。<もっとも、真実を知っているヒトは必ずいるので、自分の世代では引き延ばし作戦をするだけで決して進捗を期待してないと思う。>

高速増殖炉の世界各国の状況や問題点については昨年9月のブログに4回ほど連載したので興味ある方はお読みください。
高速増殖炉は高速中性子を利用するのでその制御には液体ナトリウムが使われる、一方、軽水炉では低速中性子を利用するので、その制御には水で良い。
原発の開発の歴史をひもとけば高速増殖炉から始まったが、事故のオンパレードであきらめて軽水炉に移行し、商業化にも成功した。

高速増殖炉が何故、事故続きであったかという一番大きな原因は液体ナトリウムの制御が困難を極めたためである。

ナトリウムは単体では空気中の酸素や水分とも反応して激しく燃える。従って、空気と水を常に遮蔽しなければならない。また液体状態を保つために常時500℃付近の温度を維持しなければならない。
この温度では熱膨張に適合するためステンレス棒は軽水炉の10倍もぐにゃぐにゃ曲げておかなければならず、地震にも極めて弱い構造になる。

世界各国では地震のないところに作っていたので、諦めた理由はナトリウム事故が頻発し、成功した実験炉でも構造体の劣化が激しく、まもなく事故を起こすことである。更にナトリウム漏れなどが起これば人間が近づけないことであった。

さらにナトリウム事故を克服したとしても、核分裂の速度が軽水炉の250倍も速いため、瞬時に手がつけられない状態になる。 たとえば軽水炉が4時間10分で限界点に達するならば高速増殖炉では1分しかないことを意味する。こういった基本的問題があるから先進国の全てが20年弱前に諦めた。

諦めないのは日本だけであるが、一旦動き出したプロジェクトは中止すると責任を取れるヒトがいないので続いているだけである。
過去20年くらい足踏み状態を保っているだけで、前進していない。完成時期を40年後に設定したのも、これからも自分の世代では足踏み状態を続ける覚悟ができているからと思う。これによる損出は何百兆円<⇒数字を間違えたのではというコメントを期待していたがありませんので追記(11/21日):本プロジェクトは1970年からスタートしたので2052年完成目標まで実に82年間であり金利まで加算すればざっと100兆円になり、事故が起こればそれ以上の金がかかると言う意味です。>という無駄遣いだ。

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