土壌セシウム99%除去技術、首都圏中小タッグで開発

  • 2012/12/30(日) 18:26:36

タイトルは今日の東京新聞1面記事からで記事は最下段の{ }内に示す。
放射性物資を消滅することはできないが移動ならできる。もし放射能物質を消滅とした記事ならインチキ<特殊な実験下では金でさえ作れるので、絶対のインチキでなく採算性まで考えた上での解釈において>であり紹介しない。

放射性物質処理の基本は濃縮であり、拡散ではない。濃縮すれば狭い場所にとどめられ管理が容易になる。一方、拡散しては放射性物質の管理ができなくなり、多くの住民が被ばくのリスクを負う。これは世界の常識であるのに、瓦礫焼却をして環境中に放射性物質をバラまき、世界の専門家から馬鹿か気違いかといわれているのが現状である。

このような時、基本に忠実な濃縮という行為は歓迎される。
新聞で99%除去したということは100倍に濃縮したことを意味する。本法はこれから福島で実証実験をするとのことで成功を祈る。

なお、今回濃縮で生じた保管施設が必要であり、早急な対策が求められる。福島原発近くの高濃度汚染地区では除染を諦め、保管施設にすべきだ。住民は町単位で新たな地区に移動し、その費用は全て国が負担すべきだが廃村になったところがあれば活用するとか、新たな工場団地を作るとか手段はいろいろあると思う。

{首都圏の中小企業が、北海道大とともに、土壌から放射性セシウムを除去する技術を開発した。従来の除染は土壌からセシウムを分離することが難しかった。新技術によって、被災地に積もった汚染物質を減らすことにもつながる。年明けにも福島県内で実用試験に入る見込みだ。
 土壌と固く結び付いたセシウムを分離するのは、埼玉県川口市の三央産業(平山善章社長)が開発した「ジェットバーナー」という装置。土や汚泥に高温で高速の燃焼ガスをあてて水分を飛ばし、同時に大半のセシウムも吹き飛ばす。
 極めて細い炭素の管「カーボンナノチューブ」を使ったスポンジが吹き飛ばしたセシウムを吸着する。北海道大の古月(ふうげつ)文志教授が開発した。セシウムを吸着するとされる顔料のプルシアンブルーと珪藻(けいそう)土も含まれている。
 ジェットバーナーで粉砕した後、通常のフィルターと特製スポンジの二段階でセシウムを取り除く。セシウムを吸ったスポンジは、押しつぶして体積を小さくできる。システム全体で99%のセシウムを取り除くことが可能だという。
 装置の価格は一日二十トンを処理できるタイプで二億円程度。運転コストは、人件費を別にすれば一トンの処理に三千円程度の燃料費ですむ。
 福島県出身の平山社長は「早く福島に持って行き、役立てたい」と話す。二つの技術を合体させたのは水処理装置を扱う企業、NSP(東京都港区)で、井戸康正社長は「体積が圧縮され、セシウムの濃度が高くなったスポンジを最終的にどこで処理するかが課題。最終処分場を早く決めてほしい」と話している。}

被ばく情報に関するメディアブラックアウトは不可能だ

  • 2012/12/29(土) 23:45:07

昨年秋ごろは福島の高校生が体育授業時間中に急死したとか、市民マラソンでゴール前に倒れるヒトが多いとかのニュースがあったが、放射線との関連を疑われたためか、最近ではほとんど出ない。またnuclearleakさんが突然死情報も丁寧に纏めておられたので興味を持っていたが、今年4月30日を境に無くなった。悪い情報なので、本当になければそれが一番良いが、現実は厳しく、実名でのネット交流サイト上では身近に知っているヒトに突然死が起きだしたようである。

戦争中の言論統制(media blackout)下に生きたものとして、放射線被ばくにおけるメディアブラックアウトの有効性について考えた。
放射性物質に国境はなく、空気中の埃に付着し、風のおもむくままに、あるいは海流にのって、世界のどこにでも拡散していくので隠すことはできない。ただし、拡散過程で濃度は何千分の1とか何万分の1に希釈されるので、具体的数値はごまかされても検証はできない。
被ばくによる健康被害についても、同様なことがいえるであろう。

「今回は事故直後に日本近くの海で友達作戦に従事したというアメリカ軍人が、東電よりの正確な放射能情報がなかったために、被ばくをしてしまったことによる補償を東電に要求する訴状をカリフォルニア州の地裁におこしたことである。」

原子力空母なので放射能測定装置を有しているので線量は自ら測定し、判断できる筈なので、請求先を間違えたような気がする。
但し、本訴訟による裁判の過程で期待していることが一つある。それは、3号機核爆発時にどの程度の放射性物質(東電発表は極めて少ない)が放出されたかが裁判の過程で明らかになることである。裁判の結果によって正確な数値が出れば、現在多くの国民がチェルノブイリの1/7と信じている根底がくずれるであろう。

それから昨年事故後まもなく、韓国人の映画監督が、「日本政府が定めた危険地域の内側には絶対に入らなかった」、「半径10Kmで統制していた時、80km地点にいたのに被曝した」と伝えた。撮影は確か3日間なので1週間も居なかったのに、不安定型染色体分析法による染色体異常検査結果から全身に受けた線量は0.148Gyと推計した。GyはSvとほぼ同じなので、150mSvに相当する。

日本では空間線量から身体の影響を推定しているのに対し、被ばくした生体から逆算する方法なので実際に体に受けた変化であり、僅か1週間ばかりで150mSvの値がでた意義は大きい。
但し、生体から逆算では個体差が大きく出る可能性や過去の経歴がわからないので誤差が大きくでることもある。
いずれにしても、日本においてもキチンとしたデータを持つべきであり、不安定型染色体分析法による染色体異常検査を早急に行うべきだ。

染色体異常検査はチェルノブイリ事故後、放影研などで実施しており、チェルノブイリとの比較も容易である。また海外からも未だに実施してないなど信じられないと見なされている。

茨城県取手市の中学生に心電図QT延長者急増

  • 2012/12/27(木) 00:22:31

昨年9月頃、福島の高校生が体育授業中に心停止し、先生がAED(自動体外式除細動器)で心臓を刺激したが心収縮がないまま死亡したという記事を読んだ。
その時、房室結節のみならず心室筋の内向き整流型カリウムイオンチャンネルが放射性セシウムによる影響を受け、膜電位が浅くなり、脱分極しなくなったと想像した。
その後、そのような報道がないか注意を払ってきたが、新聞報道では見つからなかった。学童の突然死報告はインターネット上あるいは口頭での話は散発的にあり、それらを集計すればかなりの数になっただろうが母集団も当然増えるので考察はできなかった。また、AEDの使用の有無や心電図所見など細かな話に関する発信もなかったので関連性に関する考察もできなかった。

取手市の学校の心電図検査は小1および中1生で行われていることで、そのデータを市民グループで検討した結果は次のようであった。
「12年度に一次検診を受けた小中学生1655人のうち、73人が要精密検査と診断された。11年度の28人から2.26倍になり、中学生だけで見ると、17人から55人と三倍強に増えていた。
 また、心臓に何らかの既往症が認められる児童・生徒も10年度の9人から11年度21人、12年度24人と推移。突然死の危険性が指摘される「QT延長症候群」とその疑いのある診断結果が、10年度の1人、11年度の2人から8人へと急増していた。」

QT延長は心電図上の変化としては、房室ブロック(心房から心室への伝導遮断)のような劇的な変化ではなかったので、動物試験をしていた私は軽視していた。ところが、20年以上前だったと思うが、この変化が起きると刺激の伝導が伝わらなく、心停止が起き易いことが海外から伝わってきた。それで、新薬の場合にはこのQT時間を測定することが必須(参考資料1)になった。
QT時間は心拍数の影響も受けるので、動物の場合は心拍数で除してQTcを算出していた。
⇒朝読み返して調べたら世界的合意は随分遅れて2005年だったことがわかりましたので追加記載しました。
ICHとは日米欧医薬品規制調和会議の略称ですので、実質的な世界基準とみなせます。
非臨床試験ということは動物を使って、心筋収縮後の心室筋における電気生理学的な回復時間を測定しなさいと言う意味です。

もしこのQT延長が起きていれば、昨年体育授業時間中に亡くなられた方がAEDに無反応であった理由づけにもなるであろう。

取手市は松戸、東葛飾のルートにあり周辺地区より相対的に放射能も高いので、このような結果が得られる可能性は十分あると思う。

次の課題として汚染地区全ての中学生の心電図データを徹底的に解析してQT(c)時間を求めることである。これに影響あれば心停止が起き易いことを意味する。またQT(c)時間延長が認められれば、運動あるいは食事との関連性を調べることなど防止策上必要な手段も次々と考えられるだろう。
 
参考資料
1.THE ICH STEERING COMMITEE,2005, The Non-Clinical Evaluation of the Potential for Delayed Ventricular Reporalization (QT interval Prolongation) by Human Pharmaceuticals

http:www.ich.org/products/guidelines/safety/article/safety-guidelines.html

浪江町が「染色体検査」 被ばく線量推定へ自治体初

  • 2012/12/22(土) 21:31:23

タイトルは今日(12月22日)の 福島民友ニュースによる。
「東京電力福島第1原発事故で全町が避難指示区域に指定されている浪江町は、震災時0〜18歳の子どもを対象に、原発事故直後からの被ばく放射線量を推定できる細胞の染色体検査を含む血液検査に乗り出す。染色体検査を行うのは県内自治体で初めて。初期被ばく線量を把握して健康管理に役立て、健康不安解消につなげるのが狙いで、来年1月下旬から受検者の採血を行う。
 検査は、浪江町民の健康管理などで連携協定を結んでいる弘前大(青森県)の被ばく医療総合研究所が協力する。
 同研究所によると、血液中の細胞の染色体異常の形や数などの変化を調べることで、初期被ばく線量を詳細に推定することができるという。また、内部・外部被ばく線量を合わせた身体全体の被ばく線量も推定する。検査結果が判明するまでは半年ほどかかる見通し。
 同研究所の吉田光明教授(病態解析科学分野)は染色体異常について「加齢や生活状況、投薬による影響などで、(線量が)通常の場合でも染色体に若干の構造変化が起きる」とし、「検査はあくまでも健康不安を取り除き、安心につなげるのが目的」と話している。」

この検査に関する状況は下記のようであるので、遅れはしたが喜ぶべき朗報である。この検査により福島の子供の被ばくに関する客観的なエビデンスが得られ、チェルノブイリとの比較も可能となる。検査が予定したように終了できることを祈る。

福島原発事故では放出された放射性物質や線量が1年半たった今頃になっても散発的に報告されている状況であり、短期寿命の放射性物質は検出限界以下になったものが多い。従って、被ばく量からのチェルノブイリとの比較は困難である。<福島の放射線量はチェルノブイリの14%しかないと考えるヒトもいるが、大気に排出された量であり、水蒸気爆発であるチェルノブイリは高いところから飛散したのに対し、福島はベントや水素爆発なので低空であり、現時点では個人が被ばくした量は比較できないというのが真相であった。
それが、今回の染色体検査により放射線が体に残した影響を推定することが可能になろう。

チェルノブイリ事故数ヵ月後には汚染地域に住む多数の住民の染色体異常を調べるための遺伝学研究が、モスクワのソビエト連邦科学アカデミーの研究者達によって行われ、数多くの研究論文が発表された。ソ連の生物学者アレクセイ・ヤブロコフは日本で染色体異常検査が行われていないとは信じられないと話した。また彼は福島の子供たち全員の染色体異常をモニターすべきと述べていた。

甲状腺検査結果の報告遅れと過去データの削除

  • 2012/12/22(土) 11:52:38

福島の子供の甲状腺異常はチェルノブイリより異常な早さで進行しており、新しい情報に注視していたが、このところ、一向に新しい情報が入手できない。そこで過去の資料を確認しようと福島県民健康相談室のホームページを開いたら(URLは最下段)、11月中旬ごろまで掲載されていた本年5月から8月中旬までに測定した成績が、何の理由も提示されないまま削除されていた。

このように前進するのでなく、後退しているが誰も危惧を持たなくなったのは、東京にある伊藤病院の子供の小児甲状腺異常率が36%であり、その後甲状腺がんにもなっていないという報告が新聞報道されたので、誰も関心持たなくなってしまったのだろうか?

伊藤病院の甲状腺異常率36%は甲状腺異常を訴える子供の検査結果であり、福島のような全員検査結果と比較できない。更に甲状腺異常者からがんに移行した子供はいなかったことに対しても、子供では100万人に一人とか言われるだけに出なくて当たり前である。しかし、放射線によるがんは芽細胞説が有力であり、進行も早くチェルノブイリでも4年後から多発した。

従って、36万人の子供の一次検査も急がなければならないが、一次検査結果で陽性になった子供の二次検査も1年以内に行うべきと思う。というのは結節が見つかって、病理学診断を行わなければいつまでもたっても癌と認定されない。癌の疑いのある女児の検査結果もシロかクロか未だにはっきりしない。

東日本には被ばくした可能性のある多くの子供がおり、福島の子供の検査を急いで決着を付けておかなければ、4年後になって1千万人弱いる東日本の子供の甲状腺検査は物量的にも無理になってしまうだろう。
子供の甲状腺がんについてはたとえ悪いケースになっても対応できる体制を作っておくべきだ。

福島県民健康調査
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/koujyosen-ketuka2403.pdf

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