浪江町が「染色体検査」 被ばく線量推定へ自治体初

  • 2012/12/22(土) 21:31:23

タイトルは今日(12月22日)の 福島民友ニュースによる。
「東京電力福島第1原発事故で全町が避難指示区域に指定されている浪江町は、震災時0〜18歳の子どもを対象に、原発事故直後からの被ばく放射線量を推定できる細胞の染色体検査を含む血液検査に乗り出す。染色体検査を行うのは県内自治体で初めて。初期被ばく線量を把握して健康管理に役立て、健康不安解消につなげるのが狙いで、来年1月下旬から受検者の採血を行う。
 検査は、浪江町民の健康管理などで連携協定を結んでいる弘前大(青森県)の被ばく医療総合研究所が協力する。
 同研究所によると、血液中の細胞の染色体異常の形や数などの変化を調べることで、初期被ばく線量を詳細に推定することができるという。また、内部・外部被ばく線量を合わせた身体全体の被ばく線量も推定する。検査結果が判明するまでは半年ほどかかる見通し。
 同研究所の吉田光明教授(病態解析科学分野)は染色体異常について「加齢や生活状況、投薬による影響などで、(線量が)通常の場合でも染色体に若干の構造変化が起きる」とし、「検査はあくまでも健康不安を取り除き、安心につなげるのが目的」と話している。」

この検査に関する状況は下記のようであるので、遅れはしたが喜ぶべき朗報である。この検査により福島の子供の被ばくに関する客観的なエビデンスが得られ、チェルノブイリとの比較も可能となる。検査が予定したように終了できることを祈る。

福島原発事故では放出された放射性物質や線量が1年半たった今頃になっても散発的に報告されている状況であり、短期寿命の放射性物質は検出限界以下になったものが多い。従って、被ばく量からのチェルノブイリとの比較は困難である。<福島の放射線量はチェルノブイリの14%しかないと考えるヒトもいるが、大気に排出された量であり、水蒸気爆発であるチェルノブイリは高いところから飛散したのに対し、福島はベントや水素爆発なので低空であり、現時点では個人が被ばくした量は比較できないというのが真相であった。
それが、今回の染色体検査により放射線が体に残した影響を推定することが可能になろう。

チェルノブイリ事故数ヵ月後には汚染地域に住む多数の住民の染色体異常を調べるための遺伝学研究が、モスクワのソビエト連邦科学アカデミーの研究者達によって行われ、数多くの研究論文が発表された。ソ連の生物学者アレクセイ・ヤブロコフは日本で染色体異常検査が行われていないとは信じられないと話した。また彼は福島の子供たち全員の染色体異常をモニターすべきと述べていた。

甲状腺検査結果の報告遅れと過去データの削除

  • 2012/12/22(土) 11:52:38

福島の子供の甲状腺異常はチェルノブイリより異常な早さで進行しており、新しい情報に注視していたが、このところ、一向に新しい情報が入手できない。そこで過去の資料を確認しようと福島県民健康相談室のホームページを開いたら(URLは最下段)、11月中旬ごろまで掲載されていた本年5月から8月中旬までに測定した成績が、何の理由も提示されないまま削除されていた。

このように前進するのでなく、後退しているが誰も危惧を持たなくなったのは、東京にある伊藤病院の子供の小児甲状腺異常率が36%であり、その後甲状腺がんにもなっていないという報告が新聞報道されたので、誰も関心持たなくなってしまったのだろうか?

伊藤病院の甲状腺異常率36%は甲状腺異常を訴える子供の検査結果であり、福島のような全員検査結果と比較できない。更に甲状腺異常者からがんに移行した子供はいなかったことに対しても、子供では100万人に一人とか言われるだけに出なくて当たり前である。しかし、放射線によるがんは芽細胞説が有力であり、進行も早くチェルノブイリでも4年後から多発した。

従って、36万人の子供の一次検査も急がなければならないが、一次検査結果で陽性になった子供の二次検査も1年以内に行うべきと思う。というのは結節が見つかって、病理学診断を行わなければいつまでもたっても癌と認定されない。癌の疑いのある女児の検査結果もシロかクロか未だにはっきりしない。

東日本には被ばくした可能性のある多くの子供がおり、福島の子供の検査を急いで決着を付けておかなければ、4年後になって1千万人弱いる東日本の子供の甲状腺検査は物量的にも無理になってしまうだろう。
子供の甲状腺がんについてはたとえ悪いケースになっても対応できる体制を作っておくべきだ。

福島県民健康調査
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/koujyosen-ketuka2403.pdf

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