日本の報道自由度が22位から53位に急落、国境なき記者団声明

  • 2013/01/31(木) 17:28:57

急落の理由は福島原発情報アクセスがほとんどゼロ状態になったことによる(参考資料1)。
日本人である私でも、最近原発情報入手が極めて困難になってきていると思っていたら、世界のジャーナリストは事態を冷静にみていて、日本の評価を前年の22位から一挙に31番も下げ53位とした。この原因は原発報道の完璧な遮断に気付いたからである。
なお、53位より上位にはアフリカのボツアナやインドネシアの隣のパプアニュウーギニアなどもある。日本のジャーナリズムに働く者は報道の自由に関してはパプアニューギニア以下であることを自覚すべきだ。

日本における原発報道の手際良い、完璧な遮断遂行能力には、ナチスドイツの情報大臣であったゲッペルスもお墓の中で、自分より上手だと舌を巻いて感心しているのではなかろうかという比喩まであった。このような完璧な遮断の達成は電力業界だけでなく政・官・財・司法・メディア・学識経験者など何万人ものスクラムによってはじめて可能になったであろう。

原発報道に関する完璧なブラックアウトは世界の原子力村に住む人々に対し、もう原子力事故はどんな過酷な事故が起きても怖くない、日本を真似て行動すれば済むと自信を与えたかもしれない。
しかし、太平洋戦争の大本営報道を聞いて育った世代から見れば 、そうはいかないと思う。太平洋戦争でも初期を除いては連戦連敗だったのに連戦連勝だったと信じ込ませ、沖縄が陥落してからは一人一殺と唱えて竹やり訓練までに至った国民性、それから記者クラブ制度のようなメディアの一体化組織も日本固有のものであり、他国が真似することは不可能であろう。

なおニューヨーク州立大学のKarl Grossman教授(核問題に精通したジャナーナリスト)はフクシマから放射性物質が大量に放出され、また今も放出され続けているので、日本だけでなく世界中の多くの人々が犠牲になるであろうと述べた(参考資料2)。

参考資料 
1.Press Freedom Index 2013
http://en.rsf.org/press-freedom-index-2013,1054.html
2.Nuclear Hotseat #85: Journalist Karl Grossman Reveals 40+ Years of Nuke Media Manipulation
http://enenews.com/journalism-professor-goebbels-would-smile-in-his-grave-to-see-how-nuclear-establishment-handled-fukushima-disaster-audio

原発事故による健康被害はチェルノブイリより早く、心配者が増加中

  • 2013/01/30(水) 08:20:05

東電による放射線汚染水の海洋投棄についての記事は漁業者の了解が得られれば放出するという記事でありながら、具体的な放射性物質の種類とそれらの濃度と容量も、何倍に薄めて放出するか触れてなかった。即ち、報道における基本事項の5W1Hがなかった。
日本のメディアはもはやジャーナリズムとしての機能を有していないと言えよう。

そこでグーグルのインターネットの検索にかけたが見つからなかった。これではエビデンスに基づくブログなど書けないと、あきらめて、「ずくなしの冷や水」さんのブログ(リンクの上段から8番目)を読んでいたら次のタイトルと説明があった。

「福島第一原発事故による健康被害は想像を絶するものになりつつある。」
「東京都が2013/1/28発表した人口動態統計によると、東京都の2012年の人口自然増減は、調査開始以来初の減少となった。平成24年の1年間の自然増減(出生と死亡の差)は2,025人の減少、社会増減(他県との移動増減)は53,686人の増加だった。東京は、福島第一原発事故による避難者もいて人口流入が大きいにもかかわらず、つまり、出産年齢にある女性は増えている(少なくとも減っていない)はずなのに、出生数が減少している。
これは、バンダジェフスキーの言うとおり、原発事故に伴う放射性物質の影響によって、出生率低下、死亡率上昇が進行し始めたことにほかならない。」
同ブログを読まれる方の検索ワードをみると「放射能」と「健康被害」の合計で毎月5割近い伸びを示している。しかも、最近は、抽象的な「健康被害」ではなく、突然死、急死、心筋梗塞などの具体的、深刻な疾病の語彙が増えている。」

ということで、最近メディアからは福島の放射能による健康被害は軽微だと言う論調が主流である。それにも拘わらず、国民の間には健康被害を心配するヒトが着実に増えていることがわかる。

ヒトが生まれることと死ぬことは隠せないエビデンスと書いてきた。その意味で人口統計は最も信頼のおける資料といえる。

最近(2012.3.29、参考資料1)の東京都の人口推計によれば平成32年(2020年)まで増加を続け、その時の人口は1335万人と予測されている。人口移動分があるので精査する必要があるが、昨年度25万人の減少に加速度が付けば昨年がターニングポイントの年だったといえるだろう。

参考資料
http://www.toukei.metro.tokyo.jp/kyosoku/ky12rb0001.pdf

甲状腺異常の報道管制をいつまで続けるのか?

  • 2013/01/28(月) 00:27:27

昨年4月から8月中旬までに実施された甲状腺エコー検査結果について昨年9月11日、メディアに公開された。しかし、それ以降の報道が全くなくなった。その上、「福島県民健康管理調査」のホームページ上に記載されていた8月中旬までの検査結果も密かに削除された。
そこで今回のタイトルと類似のタイトルのブログを今月8日に書き、その後も福島の子供の甲状腺異常について調べてきた。しかし、報道が消えてしまった上、ネット上での関心も急速に薄れているように思えた。

もう一度復習すると、福島には18歳以下の子供が36万人いて、4年内に全員の検査を終える予定で始まった。
従って、今年3月までに一次検査で18万人終えなければ計画遅れとなる。しかし、公表された一次検査の終了したものは8万人しかいない。その中でB判定とされた陽性者が425人出た。しかし、425人のうち二次検査が終了したものはたった38人しかいなかった。38人の内訳は10 人が問題なし。14 人が良性腫瘍と判定され、6 ヶ月―1 年後再検査をすべしと判定された。残りの14名が良性とも悪性とも判断が難しく、細胞診(三次検査と名付ける)を受けた。その結果、1人が悪性腫瘍と判定された。425人のB判定者のうち二次検査が終えたものがたった38人しか公表されなかった。残りの387人のB判定者の検査は済んでいる筈なのに、何故公表されないのだろうか? 深い謎である。
比較対照群の甲状腺エコー検査は入札制度により実施すると報道されたが、未だに進捗状況も不明である。

確かに細胞診を実施しない限り、がんと認定されることはないが、しかし、もしがんが発症しておれば一定の速度で増殖していくのでやがて隠すことはできなくなる。時間稼ぎをして何の得になるだろうか?

現在甲状腺がんを福島のこども限定で考えているが、1月12日のNHKスペシヤル、「空白の初期被ばく」を観て思ったのは、ヨウ素131の分布はセシウムとは異なり、飛散していることだった。最悪のケースになれば東日本のかなりの範囲まで広げる必要がある事態も起こりえよう、そのためにも福島の検査は前広にすべきと思っているのに、この遅遅とした検査の根本原因は一体なんであろう?

警戒区域内の牛の臓器別の放射性物質分布について

  • 2013/01/26(土) 20:19:08

原発事故後から約半年後、福島原発から半径20km圏として設定された警戒区域内に残された79頭の牛が安楽殺され、臓器別にγ線を放出する放射性物質の放射能濃度を計測した結果が東北大のWEB上に(参考資料1)公表されたので項目別に感想を書く。

1.全ての臓器において、回帰解析の結果、臓器中の放射性セシウム濃度は血液中の放射性セシウムに比例していた。
 ⇒臓器濃度は血中濃度に依存することがわかった。

2.骨格筋で最も高く、血中の約21倍で、以下は添付された図から下記のようであった。
膀胱筋(但し低血中濃度のデータしかない)、腎臓、心臓、肺と肝臓は略同等、甲状腺への蓄積は非常に低かった。
⇒チェルノブイリでは甲状腺にも蓄積するといった報告があったので、種差かもしれない。

3.すべての臓器でセシウム134とセシウム137の放射能がほぼ1:1の濃度で検出された。⇒想定されたことで、当たり前の結果

4.半減期の比較的短い放射性銀110mが肝臓に、テルル129mが腎臓に特異的に集積してした。
⇒放射性銀110m(半減期250日)は高速中性子が銀原子の中に入りできるので、検出されたことは核分裂反応が起きたことが示唆される。テルル129mは東電発表によれば3300兆ベクレル放出され、半減期34日だが分解すると半減期1600万年もあるヨウ素129となる。

5.各臓器でも、胎児で1.2倍、仔牛で1.5倍だった。

⇒胎児が高いことはセシウムが胎盤を通過することを意味する。また仔牛で1.5倍も高かったことは驚くべきエビデンスである。というのはセシウムの生物的半減期は、乳児で9日、9歳児で38日、30歳で70日、50歳で90日とされて被ばく量も計算されている。この理論計算は本当に正しいのだろうかという疑問が生じた。計算値でなく実測値から検討する必要性も感じた。

6.放射性セシウムの放射能濃度は牛の捕獲場所と餌に依存していました。
 ⇒当然の結果と思った。

総評
今回被ばく地の牛を用いて貴重なデータを得たことは、こういうデータが皆無に近いゆえに高く評価する。しかし、折角の機会なのに何故γ線しか計測しなかったのか疑問に思った。ベータ線のストロンチウムやアルファ線核種のキュリウムやプルトニウムを何故測定しなかったのか残念だった。

参考資料1.
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20130121_01.pdf

原発港湾内ムラソイ25万ベクレル/kgについての考察

  • 2013/01/24(木) 23:51:16

先週、東電会見で 福島原発港湾内で魚介類サンプリング調査した結果、港湾内のムラソイの筋肉からセシウム25万Bq/kg 検出したという報告があったので、その高さにびっくりした。その席では事故直後放出された高い値の影響が出たのではとの話があったので調べた。その結果、次のように考えた。

東電報告の詳細な報告は(参考資料1)に書いてある。このことから1F港湾内に住むムラソイの筋肉からセシウム(134/137合算)25万4000Bq/kg 検出した。

魚のセシウムの半減期や生物濃縮については、笠松不二男さんの資料(参考資料2)を参考にした。ムラソイの生物半減期はわからないが魚は50日くらいが多いので50日とみなした。海水中での生物濃縮は5-100倍とあったので、海水は5-100の濃度とみなした。

この放射能の134と137の比は1対1.7であったので、原発事故直後に放出されたとみなした。しかし、生物半減期50日では1年半も経過すればほとんど消失してしまうので、最近放出された高濃度汚染水の影響や港湾内に住む小魚などを食べた結果であろうと見なした。
セシウムの生体濃縮率を5−100倍とみなせば、港湾内の濃度は5万ー2500ベクレル/L位ありそうである。いずれにしても原発周辺から湾内へ最近放射性物質が大量に流出していることが示唆される。これでは東北の漁業の再興など不可能だ。
従って、海側および陸側(地下水混入を防ぐため)と双方に隔壁を早急に作るべきだ。海洋汚染の防止は国が責任を持っておこなうべきであり、当然費用も国が負担すべきだ。

次に25万ベクレルという高濃度でどれくら生きられるのか興味があった。小さな魚で良いので、湾の海水を取り,線量を計測し、小魚を飼育するとか小学生レベル<小学生は放射線被ばくの影響を受けやすいので本当はすべきでないが、実験レベルの意味で書いた>でできるようなことまでも、何もわかっていない現状は、放射線被ばくの影響に関する知見は半世紀以上停滞していることを物語る<この箇所部分訂正>。

参考資料
1.2013.1.24東電会見の詳細記事 
 http://genpatsu-watch.blogspot.jp/2013/01/20131181730134137254000bqkg-ff.html?m=
2.笠松不二男さんの資料
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/qanda_j.pdf

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