子供の対照群甲状腺検査詳細報告は速報より粗い

  • 2013/03/30(土) 11:08:13

今日の東京新聞2面に前回(3月9日)の速報より小さな紙面「 」で記載されていたのでおやという気持ちで読み、さらに吃驚した。
「5mm以下のしこりや20mm以下ののう胞の検出率
青森県弘前市 57.6%   1630人
山梨県甲府市 69.4%   1366人
長崎市    42.5%   1369人
<福島県   41.2%   13万3089人> 」

最も重視していた44名のB判定者の県別分布の記載がなかった。また年齢別の区分けさえなかった。

3月9日のブログに書いたように、A1とA2判定の間に境界値が設定されていないので、A1とA2数値を比較すること事態あまり意味がない。しかも,スクリーニングで5割以上の検出率があってはスクリーニングとしての価値が低くなってしまう。本来ならば詳細なプロトコールを事前に公表すれば有益なアドバイスが得られた出あろうに、これではほとんど参考にならないように思えた。
福島の子供の甲状腺測定結果は海外でも関心が高いので、試験結果(新聞では紙面の都合上止むを得ないが)はこのような概要でなく、詳細な報告書を日本語と英語で同時にインターネット上などで公表すべきと思う。

B判定者の県別分布や年齢別な仕分けがあれば考察も書きやすい。しかし、ないので、一応、3県の判定が均一に行われたという前提で本結果を考察すると。

被ばく影響は山梨県、青森県、長崎県の順であり、最も高濃度な福島が長崎よりむしろ低い(この差は僅少なので統計的に同じとみなせるが)という結果になってしまった。福島と他地域の甲状腺異常率では「福島とほぼ同等か福島の方がやや低い」と環境省は結論付けたと記載された。

福島の3万8千人の子供から、外科手術後の摘出部位の病理学診断で3名が、穿刺細胞診で7名が癌と判定されたエビデンスに対し、今回の少数例のしかもA2判定の結果から甲状腺がんの発症率に言及できないことは明らかである。

小児甲状腺エコー検査、東海村および奈良への避難者

  • 2013/03/29(金) 20:52:59

甲状腺検査の対照群に関する詳細発表は今月末なので、今日は何度も調べてみたが一向に発表が見つからなかった。たまたま東海村の子供の甲状腺エコー検査を筑波大学(参考資料1)が実施した結果ならびに福島から奈良県近辺に疎開した子供たちについて民医連(参考資料2)の報告(但し、いずれも中間段階)あったので紹介します。

参考資料1の発信元は時事通信で{茨城県東海村は28日、福島第1原発事故を受けて同村が実施している甲状腺検査の結果を公表した。検査を受けた2〜6歳までの410人のうち、5歳児2人について今後の精密検査が必要との結果が出た。甲状腺に一定程度の大きさのしこりや嚢胞(のうほう)が認められたという。
 公表された結果は昨年11月5日から今年1月31日までの検査分。2人のほか98人は「経過観察」、310人は「異常なし」との結果だった。
 筑波大医学医療系の原尚人教授(乳腺甲状腺内分泌外科)によると、「原発事故の影響は考えにくく、現時点では住民に不安を与えるようなデータは出ていない」という。}

東海村には2-6歳児が約2000人いるので、該当者の約20%しか済んでないことになるが、その辺のコメントも、のう胞や結節の大きさの記述もなかった。言いたいことは検査の結果、要精密検査が必要な人が2人見つかったが、原発事故の影響とは考えにくいとのコメントのようであった。東海村の海岸近くに住む地域には3月25日時点でのヨウ素131の累積沈着量は100万ベクレル/平方mの試算もあるので、その辺との関連性に興味があった。従って、原爆事故との影響がないというコメントのためには被ばく線量の推定とか何か根拠が必要に思えた。
原爆事故との関連性を否定するなら、その根拠のコメントくらいあって良いように思った。

もうひとつは産経新聞の資料{ }で、東日本大震災県内避難者の半数超、甲状腺にしこりなど 奈良民医連という見出しだった。
{東京電力福島第1原発事故による健康被害の有無などを調べるため、奈良民主医療機関連合会は27日、県内に避難している72人に実施した健康診断の結果を公表した。甲状腺検査で、半数以上に、しこりや液体入りの袋状の「嚢胞(のうほう)」が認められたという。同会は「原発事故との因果関係は分からないが、継続的な検査が必要」としている。

受診した72人の震災当時の所在地は、福島19人▽宮城5人▽千葉7人▽東京17人▽神奈川24人。平均年齢は24・7歳。 この56%にあたる40人に、甲状腺エコー検査でしこりなどが確認された。
 内訳は、5ミリ以上のしこりや20ミリ以上の嚢胞が12人、5ミリ以下のしこりや20ミリ以下の嚢胞が28人。 福島県内で昨年、約9万5千人を対象にした健診では、44・2%にしこりなどが確認されている。 小さなしこりや嚢胞は健康な人にもあるが、大きい場合はがんの可能性もあるとされる。ただ、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、甲状腺がんが発見されたのが被爆後、最短で4〜5年とされている。}

3月9日ブログに書いたように子供の甲状腺エコー検査でA1とA2の定義をあいまいなので、甲状腺異常の比較そのものが困難なのが現状だと思う。

参考資料
1. http://www.jiji.com/jc/zc?k=201303/2013032800707&g=soc
2. http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130328-00000035-san-l29

巻貝の一種「イボニシ」が福島原発海岸30kmから消える

  • 2013/03/27(水) 12:08:14

今日(3/27)の水産学会で国立環境研究所の環境リスク研究センター 生態系影響評価研究室の堀口室長がタイトルの発表を行うそうです。

イボニシは日本のほぼ全域に生息し、海岸の波打ち際でごく普通にみられる貝です。
この貝が福島県広野町から双葉町(この間に福島第一原発はある)の30kmの海岸において消えた。
日本の海岸のどこでも観察できる貝が原発事故後の線量影響の最も高い地域で見られなくなったことは原発との関連性を疑うのは当然であろう。
従って、今後の生息調査の継続と実際にイボニシに放射線を当てるなどして放射性物質の影響の有無を調べる予定とのことでした。

この当たり前ともいうべき記事を読んだ時とても心強く思った。
その理由は、3.11以降放射線の疑いがあっても、決してそのことに触れず、最近は何の根拠も示さないで、失明は花粉症とか、突然死はストレスによるとか勝手な憶測が跋扈しており、日本からサイエンスが失われてきていることを実感していたので。

今回の場合、イボニシがなくなってもフジツボは見つかっているので同じ貝でも感受性に違いがあるし、更に人間との間には大きなギャップ存在していることは認識している。
しかし、地球上に誕生した生物は皆同じRNAからDNAへの共通の進化を続け、約20万年前現在の人類が誕生したので、イボニシの被ばく研究から意外な進展があるかもしれない。本研究が妨害されることなく今後も発展することを祈る。

福島原発での原因不明の停電より、南海トラフ地震を心配するNHK

  • 2013/03/19(火) 10:20:24

福島原発で停電事故があり、しかも原因がわからないということであった。万一に備え、満タンのためガソリンスタンドに行く前にその後の状況を知ろうと、朝7時のNHKテレビを見た。
冒頭から南海トラフ地震が起きたら被害額が220兆円にもなるので、その防止に多額の出費はペイすると受け取れるような内容であった。今後、地震対策に多額な土木工事を行われるのだろうか?各自治体や企業の対策も報道していた。

ところが原発被害やその対策報道が全くなかった。福島原発事故でも1号機からの放射能漏出は津波以前から起きていたという見解もあり、また震度7に耐えた原発はなかったという説もあり、南海トラフ地震で原発事故を全く想定しないことは一番重要なことを忘れているのではと思った。何故なら、村田元国連大使が言うように、地震により4号機の燃料プールの破壊から、連鎖して、ほかの原子力発電が事故を起こせば多くの人が日本を脱出せざるを得ないであろう。実際、オーストラリアに住むカルディコット小児科医は4号機爆発の恐れがあれば直ちに孫の住むニューヨークに飛び南半球に連れて帰ると公言している。これほど重要なことを無視してよいだろうか?

一方、東海大地震など40-50年前からまもなく起こるであろうといわれながら、未だに起きていない。東海大地震は南海トラフに包含されて衣替されたのだろうが、地震予知というのは今の学問レベルでは正確な予測は難しいようである。実際、阪路大震災も東日本大震災も予測されなかったのに起きた。

終わり頃になって、やっと福島第一原発での停電ニュースがあった。一番心配な4号機も4日間冷却されなくても大丈夫と説明された。また、原発事故後も度々停電が起きてきたが問題なかったことが報道された。

福島原発事故後の処理は現実に起きて対処の作業をしているのに、原因不明の停電が度々起きては大問題であるし、今回も今朝になっても原因がわからないとはあきれた。このような時は作業現場の最高指揮官の口からの説明を国民に伝えるべきと思う。少なくともいくつかの原因の可能性くらいは聞けるであろう。

フクイチからは毎時1千万ベクレルの放射性物質を空気中に放出し、更に海へは原発周囲に隔壁を作ることもせず垂れ流しであり、これでは将来太平洋沿岸各国からの巨額な賠償問題に発展しかねない。フクイチ事故の収束には東電まかせでなく国の総力をあげて取り組むべきだ。

マグネシウム合金電池などの実用化を急ぎ、安全で安価なエネルギーを

  • 2013/03/18(月) 16:54:15

今日の東京新聞24面に、東北大学未来科学技術センターがマグネシウムを利用した燃料電池を開発した。マグネシウム合金+太陽光=夢の電池との見出しもあった。同センターの小浜教授は「太陽光によるエネルギー循環型社会も夢ではないと意気込む」との記事があった。この記事を読んで素晴らしいことだと、同教授が意気込むことが良く理解でき、社会への貢献という点ではノーベル賞以上のものになるであろうと思った。その概要を次{ }のように整理してみた。

{プラス極はマグネシウム合金であり、これは産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が開発済みの「難燃性マグネシウム合金」を利用する。この合金は空気中の酸素と結合して酸化型に変化する過程でリチウム電池より5倍の電力を発生する。試作品の電池で小型テレビを30時間見続けられた。しかも使い切った電池(酸化型マグネシウム)は直径1.5mの凹面鏡を、太陽光に当てることにより10分ほどで元のマグネシウムに還元できた。}

マグネシウムは2価の金属なので、安定性があり、扱いやすいだけでなく地球上にも豊富に存在している。一方、一価の金属であるリチウムは反応性に富み、過電流が生じやすいことはボーイング機の運航停止問題でも明らかであり、かつ希少金属で高価だ。

試作段階での検討で其の優位性は確認されており、後は大規模化の実用検討であり、世界をリードすべく急ぐべきだ。

高速増殖炉も核融合型ネルギーも60年以上の歴史にも拘わらず、進展がなかっただけでなく、人類に対する危険性が次第に明らかになってきた。高速増殖炉や核融合の研究に金を使うのでなく、マグネシウム電池の実用化などを急ぐべきだ。

日本には上じつ以外にも、筑波大学による藻からのオイルの大量生産、九州大学による海上筏式WINDS型風力発電など有望な分散型、安全、安価な新規エネルギーの試作段階を終えたものがあり、実用化に注力するならば、わが国におけるエネルギー問題が解決するだけでなく世界をリードできるだろう。

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