5.1mm以上の結節の率、弘前は福島の3倍弱、検討課題だ

  • 2013/04/02(火) 21:02:08

子供の甲状腺エコー検査の他県対照群データについて上記のように全面的に訂正しました。

購読新聞は詳しいという私の思いこみから、環境省のホームページを確認しないまま書いてしまい、コメント欄でのご指摘から気付き、お詫びします。

環境省の見解やメディアからは福島も対照県も略同等だから安心だというコメントが多かった。
私が今回の環境省発表を検討した結果、この考えはほとんど意味のないA2判定の数値を中心に得られた結論であり、注目すべきはB判定の結果であることを強調したい。

今回の3県におけるA2判定は57.6%と高い数値が出たが、この原因の99%は20.0mm以下ののう胞率のカウントからきている。この高い数値に5.0mm以下の結節の関与率は1%以下である。<3月9日のブログに書いたようにA1とA2値の境界値の設定がないのでヒトによっては0.5mmののう胞でも数えるかもしれないし、20.0mmの大きなのう胞でも全く同じに評価される。今回の高い数値の由来はこんな粗い分類の結果から導き出された数字であり、この数値を規準にして判断しようとすること自体がナンセンスと思う。

この数値に注目が行ってしまうために真の姿が目くらまし状態にあることが問題であろう。
そもそも甲状腺がんのスクリーニングをするのも癌との関連性を見つけたいことにあると思う。そうであるならば結節の有無に重点を置くべきだったと思う。のう胞については判断資料としては副次的な扱いにするにしても、今回のような粗い分類ではのう胞0.5mmでも20mmでも同一にカウントするような規準でなく、のう胞ならば5.1mm以上とか境界値を設定し、よりきめ細かくしA1とA2の境界値を明確にすべきだったと思う。

結節については甲状腺がんとの関連性がかなりはっきりしていると思う。というのも(内外の専門家は甲状腺結節の大きさが一定以上(小児では5mmとか10mmとか国によって違っても)ならば穿刺細胞診を行い、陽性ならば摘出手術が一般に行われている理由による。

一方、のう胞と癌の関係についてはまだはっきり分かっていない部分が多いようである。勿論、当初「のう胞」であった部位に結節ができたとの記述を読んだこともあるので、無関係とはいえないが結節より関連性が低いことは明らかであろう。

以上の理由によりB判定だけに注目してみた。
B判定者のなかに20.1mm以上ののう胞はゼロだったので、全員が5.1mm以上の結節を有するということになり、解釈もすっきりした。

5.01mm以上の結節を認めたものが44人いたのでこの比率は全体の平均でも1%を占め、その高さにびっくりした。というのは福島で2011年度(2012年3月まで)が38、8114名中184名で0.48%;3月31日終了の2012年度が94,975名中538名であり、パーセントにすると0.57%しかなかった。

それに対し3県の平均が1%であった。市別にみると詳しくみると弘前市は1.3%、甲府市が1.1%、長崎市が0.6%であった。従って福島と較べると、弘前市は3倍弱、甲府市が略2倍、長崎市が略福島並みといえる。

今回の対照群検査では、例数が少ないので、発がん性との関連までははっきり言えないであろうが、弘前市でB判定者が福島より3倍弱も高かった考察を詰める必要はあろう。
例えばB判定者の住む地域が偏っているならば、その地域のヨウ素の沈着量の測定をすべきことが示唆される。当時の放射性ヨウ素131は現在残っていないので測定不可能と思えるが、幸いなことに半減期1600万年のヨウ素129(詳しくは1月13日ブログをご覧ください)が加速器質量分析計AMS(accelator mass spectrometry)で容易に測定できる。従って、この量を測定することにより、事故直後の131の量を推定<福島原発事故でもヨウ素129は原子数量としてはヨウ素131より約30倍放出されたことが報告されています。>できる。
結節の大きさが5mmを超えると直ちに穿刺細胞診の対象になる国もあるがわが国ではわが国のやり方出良いでしょうが、44名の子供たちの今後のフォロウも必要になった。

それから細かなことですが、試験計画書についてのコメントも書きます。
プロトコールを作る時、比較する場合には同一数にするのが、統計的にも検出力が最も高くなるので通常そうする。今回、甲府市と長崎市の検査人数は同じと見なせるが、弘前市だけは1630人と甲府および長崎市と較べても約270名多かった。
年齢別の割合でみると、例えば甲府市は3−5歳が34人に対し、長崎市では104名で約3倍も多く、16-18歳では315名対204名で逆に約5割にしかならない。このように総数だけでなく年齢別区分においてもバラバラなのは、最初から精度の高い測定を目指した様には思えなかった。

試験計画書についてのコメント:プロトコールを作る時、比較する場合には同一にするのが、統計的にも検出力が最も高くなるので通常そうする。今回、甲府市と長崎市の検査人数は同じと見なせるが、弘前市だけは1630人と甲府および長崎市と較べても約270名多い。
また年齢別の割合でみると、例えば甲府市は3−5歳が34人に対し、長崎市では104名で約3倍も多く、16-18歳では315名対204名で逆に約5割にしかならない。このように総数だけでなく年齢別区分においてもバラバラなのは、最初から精度の高い測定を目指した様には受け取れなかった。

また対象者を選ぶ選択基準が示されてなかったが、エコー検査を希望者する者から選んだとすれば、関東の被ばく地域からの避難者が多く選ばれる可能性があり、そうなれば本来の目的を達しないことになってしまう。従って、私はあり得ないことと思うが、あるブログでこのことを心配していたヒトもいたので、エコー検査の対象者の選択基準も示すべきと思う。

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