耳なしウサギの原因究明は簡単だ、同腹仔のDNA検査で

  • 2013/04/05(金) 06:43:05

原発事故後福島県浪江町で生まれた耳なしウサギについて評判になったが、県知事による「根拠のないデマは残念」との発言でいったんは収まったようであった。
ところが、画像がYouTubeで放映されることによって世界に広まり、どれくらいのヒトが観たかは知らないが恐らく何百万人のヒトに焼き付いたではなかろうか?
その映像を私も観た。耳の付け根の部分について注視したが、背中や頭部の毛との境目は全くわからず、外傷によるものでなかろうと見做し、遺伝子変異によるものであろうと想像したことを思いだした。また、この画像を観た世界のヒトは誰も疑問を持てないであろうと勝手に想像していた。

このウサギが現在埼玉県で飼育されていて、そのウサギを診断したK大学獣医学部のI教授は「耳なしウサギは地震によるストレスでおきたという説を提唱されたということを聞いて驚いた。

DNA鑑定をしたエビデンスからその説を唱えられたものと思っていたら、根拠は放射線量から唱えられたということで更に吃驚した。「被曝の影響の可能性を切り捨てるわけにもいかないので、妊娠中1週間の被曝量(内部・外部の合計)を算出したところ、1.55ミリシーベルトと出た。奇形が生じる線量には閾値があり、通常は瞬間的に数1000ミリシーベルトぐらい浴びないと生じないとされています。」

しかし、飼い主はウサギの飼育が専門だったわけではないので集団飼いのため、生まれてある程度たってから耳のないことに気付いたと記憶している。また事故後は何十種類の放射性物質が放射されているわけで、外部被ばくや草を介する内部被ばくまで正確に計算することは誰にもできないであろう。査読のある学術誌に被ばく量を書くならば、必ず実測値が要求されるので、計算値を示せる筈がない。

しかし、もっと驚いたのはイギリスの女医であり、疫学者であったアリス、スチュワートが1950年代見つけた「妊婦がレントゲン照射を受けると奇形児出産が増える」というエビデンスを知らないこと(本当のところは無視であろうが)だった。これによってイギリスのみならず、世界の医療現場では妊婦のレントゲン撮影は医療上のメリットがある場合に限られて行うようになった。勿論、日本も例外ではなかった。胸部レントゲン照射による被ばくは0.05mSvなのでだ2万倍以上の違いとなる。ウサギでは放射線による奇形が起こりにくく「瞬間的に数千mSv照射しないと奇形が起こりにくい」ということはヒトも同じ哺乳動物であり、世界で通用する国はほとんどないであろう。

困ったことに日本では、週刊P誌に大きく報道されたことから原発推進派の評論家が勢いづき盛んに宣伝しだしたことである。
先に日本の情報開示度は急降下し、昨年度はパプアニューギニアより低くなったと書いた。しかし、これでは日本における科学リテラシーもパプアニューギニア以下になってしまうことは確実であろう。

現在は高速DNA解析時代になり、僅かな血液があれば全DNA解析できる。耳なしウサギと同腹仔のDNA解析で解決する。従って、エビデンスで証明すべきものである。こんなこと書くために無駄な労力を使うことは本当に悲しい現実だと思う。

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