子供に甲状腺結節があれば20-25%はがんになるので、積極的なアプローチを

  • 2013/04/16(火) 18:42:08

タイトルは小児内分泌学会誌の今年3月号に発表された論文(参考資料1)から引用しました。甲状腺結節は大人に較べ子供での頻度は少ない。しかし、子供に結節があれば悪性腫瘍になる確率は高く、4-5人に一人は悪性化する。従って、積極的な治療をすべきである。どのように診断を進め、その結果によって次のステップをどのようにすべきかを、具体的なフローチャートで示している。

本論文は最近のイタリア、トリノ市における小児の甲状腺異常患者にどのように対処しているのかを述べた臨床報告であるので、原発事故後の放射性物質による小児甲状腺がんに言及した論文ではない。しかし、現在進行中の福島の子供の超音波検査に関連しそうな点も多々あるので紹介するしだいです。

日本でのメディア報道によれば、甲状腺異常(当然結節も含まれる筈)があっても悪性化する例はほとんどなく心配しなくても良いとされている。この論文では大人はそう言えても子供では甲状腺結節があれば非常に高率で悪性化するので、積極的に治療に取り組むべきと述べている。

最初の段階の甲状腺エコー検査は簡便で、安価で、生体に無傷で良いので勧められるが、悪性か良性かの診断をするのは困難である。例えば外から圧迫しながら触診でリンパ節部位に固さを認めた場合の診断精度は70%と向上するがまだ不十分であるので、穿刺細胞診<fine-needle aspiration biopsy (FNAB)>を行う。この診断精度は90%とのことであった。

なお、甲状腺異常者の家族歴や、過去の医療被ばく歴などの聴取も重要との記述もあった。
血液中の甲状腺刺激ホルモン (TSH), 遊離チロキンン (fT4)、遊離3ヨードチロニン (fT3)、カルシウム吸収に関係するカルシトニンなどの測定を進める記述があったが癌との関連性が薄いと思えたので割愛した。

参考資料
1. Clin Res Pediatr Endocrinol. 2013 March; 5(Suppl 1): 57–69.
Published online 2013 March 1. doi: 10.4274/Jcrpe.853
PMCID: PMC3608010
Thyroid Nodules in Pediatrics: Which Ones Can Be Left Alone, Which Ones Must be Investigated, When and How
著者:Andrea Corrias1,* and Alessandro Mussa1
下記URLクリックで英文文献全文を無料でダウンロードできます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3608010/#ui-ncbiinpagenav-2

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