福島で男の赤ちゃん男女比逆転、飯館村1/2となる(追加i)

  • 2013/05/31(金) 01:22:21

5月15日上記タイトルで書きましたが、チェルノブイリ事故後も性比が大きく変わり男の赤ちゃんが減った地域も確かにあった。しかし、逆に増えた地域もあり、複雑であった。
チェルノブイリでは核燃料の回収を人海戦術で実施したために60万人ものリクイデータという作業員がおり、しかも女のリクイデータも多くはないがいたので、さまざまな組み合わせが考えられ、チェルノブイリからの報告書では、はっきりわからない。

しかし、幸いのことに男の被ばくのみ、女の被ばくのでそれぞれ正常な相手と赤ちゃんを作った文献(最下段呈示)が見つかった。

イギリス北西部のカンブリア県にあるセラフィールドという核の再処理施設で働く男(被ばくが10mSv以上と未満に分け集計)、女の勤務者(事務者でも核処理施設なので被ばくの可能性ありカウント)の出生児についての文献が見つかった。この文献により、福島の赤ちゃんの性比についての考察の裏付けが得られたと思ったので書き改めます。

出生児の男女比はほぼ105対100位の比率で女より男がほんの少し多いのがどの国でも認められており、わが国でもずっとそうであった。

ところが、原発事故後に妊娠して生まれた福島県の赤ちゃん(2012年1月生まれから)は男573人対女595人と3.5%女の子の比率が高くなり、この月から逆転した。
県全域では、山形県境近くのような低汚染地域も含む平均値となるので逆転したとしてもその差は小さい。

それで高汚染地域である飯舘村のケースで見ると、2011年12月〜2013年1月までの出生数は男18人対女36人と半数に逆転した。このように高線量地域では男の出生率が極端に減り、線量に比例して影響が顕著に表れることがわかった。

次にセラフィールドの核再処理工場の男・女労働者とそれぞれの配偶者との子供の性比について書きます。

                                性比(男/女)
一般のヒト (カンブリア県)               1.055
女労働者 (被ばく量低い模様)             0.955 
男作業員 (10mSv未満被ばく)            1.094
男作業員(10mSv以上被ばく)             1.396 

以上のことから次のように考察した。

男の被ばく者と一般の女性との組み合わせの場合には、父親の被曝によりX染色体の損傷は女児だけに伝えられるので男の割合が高くなったと考えられる。
低線量と高線量で影響に相関関係が見られるのでかなり確度は高いと考えられる。

被ばくした女性と一般の男性との組み合わせでは男の唯一のX染色体は母親に由来するので、X染色体の劣性致死突然変異により女児の割合が多くなったと考えられる。
核処理施設に勤めていた女性でも事務的な仕事が多く、被ばく量は多くなかったので高線量の例はなく用量相関関係は求められなかった。

原発事故の場合の被ばく量は男女で差が出るとは考え難い。もし、両性が同じように損傷するならば、受胎率の低下が起こることになろう。

福島県平均値と飯館村との間で用量相関性がに差が出たのは、放射線に対する感受性が男より女性の方が高いことによるものであろう。

参考文献
Dickinson, H.O., Parker,ほか; The sex ratio of children in relation to paternal preconceptional radiation dose: a study in Cumbria, northern England. J. Epidemiol. Community Health 50: 645-652、1996

次のURLクリックで読めます。ただし英語版です
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1060488/
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