魅力的だった高速増殖炉は事故続発で世界は見切りをつけた−4

  • 2011/09/23(金) 09:41:28

エピローグ:一度決めたら方針転換できない国日本(太平洋戦争と同じだ)
高速増殖炉を開発中だった主要国は14年前に全て撤退(公式表明なくても)した。撤退理由は事故原因の分析から必然だった。
一方、日本の経過を振り返りたい。

日本原子力委員会は1967年の第3回「長期計画で高速増殖炉は1980年代前半に実用化すること目標とした。1994年2ステップ段階の「もんじゅ」の試運転に入ったが出力が40%に達した時、ナトリウム漏出事故を起し、その後も次々とトラブルが起こり、11年経過後の今も具体的な進展を見せてない。

最初プロジェクトがスタートした時20年弱で完成する目標が、40年の間、ほとんど進展がなかった。ところが2010年になると、完成時期を更に40年先の2050年とした。こんな非常識が当然のごとく行われることは、如何に国民が無関心というか、如何に騙され易いかを示唆している。

10年以上前に、先進諸国は高速増殖炉の困難さを認識し、方向転換を計ったのに、メディアは今も、あたかも高速増殖炉の競争時代のような記事を書く。
日本でも7年半ほど前、一部官僚が19兆円の請求書という高速増殖炉用の核燃料リサイクル費用だけでとんでもない費用がかかる旨、警告を発したのに闇に葬られた。今まで何十兆円使い、これから完成までに何百兆円使う気だろうか?

40年間、停滞しているプロジェクトでも日本では一旦走り出すと止める力が働かない。特に、いわゆる原子力村は電力会社、政、官<経済産業省、文部科学省およびその傘下の研究機関・大学、防衛省、外務省、法務省>、財界、メディアとスクラムを組んだ日本一強い組織だから、自ら描いたシナリオに向けて国民を誘導してくるだろう。日本の民主主義が試されるときでもあろう。

その意味で軽水炉でも全く同じ構図であろう。何故なら、福島原発事故でも、運転日誌のそのほとんどが黒塗りにされ、真の事故原因は闇に葬りさろうとしている。 今回の事故の原因と事故の対策(避難、放射線対策)実態そういったものがあいまいで安易に再開を急いでは、再発の危険性と事故後の処置において、同じ過ちを犯すであろう。

アメリカでさえスリーマイル島事故後30年も新規原子炉を再開しなかった。地震国日本で何故、十分な検証をしないまま再開を急ぐだろうか?原発を止めても、省エネルギー対策、70%もの高効率タービン発電新設、企業の有する自家発電をフル稼働すれば足りる。あせって再開しても、老朽化が進む原発ではまた事故(原発が停電で大事故が起こることが知れたのでテロまで事故原因は多様化)が起こる危険性がある。

放射線を我々は認知できないので、線量計がなければ実態がわからないのに、支援物質として海外から贈られた大量の線量計も税関に長い間留め置かれたが誰が指示したのか未だにわからない。原発作業員も東電社員を除いては被ばく線量の把握がしっかりとされているとは思えないので、これからも被ばくによる死者も出ないであろう。

その影響は福島原発事故の実態も多数の国民は認識してない。観光客の減少も風評事故の矮小化も図られ、多くの国民は未だに10年後の本当の姿を思い描けていないようである。

私の小学生時代「B29爆撃機が連夜飛来し、真っ赤に燃えた焼夷弾を落とすようになり、昼間はグラマン戦闘機による機銃照射を受けるようになった頃(多分沖縄が占領された時期)、青年団員は敵が上陸したら一人一殺と竹やり訓練をしていた。」を思い出して、現状は太平洋戦争と同じで、まさしく玉砕の道を歩んでいると思った。
しかし、太平洋戦争は負けても「国破れて山河あり」だった。美しい国土が無償で残ったから再建できた。

ところが、高速増殖炉事故が起きれば、恐らく私達の子孫は住む国土を失い、流浪の民となろう。

あるインディアン部族において代々受け継がれてきた言葉「この豊かな大地は私達が子孫のために預かっているものだ」を私達大人は胆に銘じて行動すべきだ。

<私の専門分野でないので独断と偏見が加味されているかも知れないが、大筋で間違いがないと信じている。今後は放射能のヒトに及ぼす影響を遺伝、私の専門分野であった循環器系、免疫など広範囲に調べたいと思っている。⇒昨夜は疲れていたわけではないが軽水炉型にも言及し、表現の曖昧さを反省し、より明瞭にしたので再投稿の形にした。>

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