カリウム40被ばくは必然、セシウム被ばくは避けられる

  • 2011/11/26(土) 12:02:13

武田教授のブログを読んでいたらバナナを食べられないのではないかと放射線怖くない論者から言われたという記事があった。またNHKあさイチでもカリウム40を測定していたが、これもナンセンスな行為である。これと全く同様なものに炭素14がある。

生物が地球上に誕生した時から30億年以上、この二つの内部被ばく物質の影響を受けながら生物は進化を続けた結果人類が誕生した。
天然に存在するカリウムの0.01%強をK40が占めており、この比率は一定である。
またカリウムは生命の維持に必須であり一定濃度になるように腎臓で調節している。それゆえ、バナナをいくら食べても食べなくても一定濃度が維持されている。この恒常性が維持できなくなった時は死(カリウム濃度が低くても高くなっても心停止に至る)である。

同様に炭素は有機化合物の最も主要な元素であり、生物は炭素から成り立つといえる。炭素の内の0.00000000012%をC14が占め、この比率は一定であるので年代測定にも使われている。
具体的にベクレル値で表すと60kgでカリウム40が4000ベクレル/人、炭素14が2500ベクレル/人で合わせて年間0.29mSvの被ばくを受けている。しかし、全ての地球上の生物が逃れることのできない宿命である。

一方、今回の原発事故で放出されたセシウム134や137は自然界に存在しないので、生物にとって未知の物質との遭遇である。元素の最外殻電子の関係がセシウムはカリウムと類似しているので、生体内でも同様な動態が考えられるが、原子の直径は随分と違うので、例えば、細胞膜にあるカリウムイオンチャンネルの通り易さはセシウムがカリウムの15%しかない。セシウムはガンマー線も出すが同時にベータ線も放出するので、内部被ばくにおけるベータ線被ばくの影響は距離の影響が大きいので、その差が生じると考えられる。

自然放射線にはそのほか宇宙線(太陽ほかから飛来)0.39mSv/年<太陽活動や星雲の爆発などで変動あるが>あり、そのほか地球内部から来る放射能もある。

また空気中に気体として存在するラドンによる影響もある。空気中に存在するラドン濃度は地域差がかなり大きい。誰でも空気を吸入するのでラドンの被ばくを受けるが幸いこのもは不活性体(他の元素と反応しない)であるため、影響は肺だけにとどまる。
それでも肺がんの原因物質としてタバコに次ぐナンバー2の地位にある。
<ラドンと肺がんについては5月7日のブログに詳しく書きました>

以上を合わせて日本では約1.5mSv/年の自然放射線の被ばくなので、世界平均2.4mSv/年より恵まれた環境にある。

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カリウム40とセシウム137の違い

(最終改訂:15日 9:20) 12日のバンダジェフスキー福岡講演はとても勉強になりました.500人のホールがほぼ満員になるという,この種のやや専門的な会合としてはたいへんな盛況でした.話題はチェルノブイリ事故後のCs-137(セシウム137)汚染による健康影響が中心でした.応援のクリック歓迎 このCs-137による内部被ばく数10Bq/kgでも障害が出るとのことです.同じ化学的性質を持つ同様のベータ放射性核種であるK-40は通常体内に70Bq/kg程度存在していて,しかもCsの体内の挙動はKと似て

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