モザイク縦割り行政の弊害を断て−その1

  • 2012/05/26(土) 09:24:35

チェルノブイリ原発事故時、気象庁は定期的に放射性セシウムとストロンチウムを測定し、公表していた。
細かな測定法は知らないが、ベータ線を出すストロンチウムでは分離が必要であり、その期間は約1週間かけていた。そして測定結果は公表していたので、沢山の引用資料が存在する。
ところが、以下書くことは今回の福島原発後、得られた情報(多くのインターネット)に基づいた私の考察であることを予め了承いただきたい。

福島原発事故が起こって1カ月も経たないうちに、気象庁の職員がストロンチウムの測定をすることができなくなった。理由は気象庁の放射能測定予算の管理は文科省が握っていることだった。しかし、あまりにも非常識との代議士からの要請で何とか測定だけはするようになったが、測定結果はほとんど公表されなかった。これでは、何のための測定かわからない。
気象庁のデータというものは何より継続性が大事なので、文科省の都合で恣意的にコントロールすべきでない。これこそモザイク縦割り行政の弊害といえよう。

しかも、この時期に、ストロンチウム90の測定方法も変更し、分離測定に1カ月もかかる複雑な方法を、この測定方法こそ、最も正確なものであるとし正式に採用した。このことにより民間企業が測定する道をほぼ閉ざしたとみなすこともできよう。
また原発事故という緊急事態時には精度よりスピードであり、多数のサンプルを迅速に、安価に多くの機関で測定できることが重要であるのに、まさに逆の動きでもある。

放射性ストロンチウムは原子炉の中ではセシウムと同じくらいの比率(6%)で存在するので、セシウム同様幅広く飛散したはずである。ただし、ストロンチウムはセシウムより水に溶けやすいので雨雲などへの移行は多く、降雨とともに多く降り注いだように思えるが、実測データがほとんどないのでよくわからない。
ストロンチウム90の主流失ルートは冷却水に溶け、海に流出した量が空気中に放出された量よりはるかに多いと想像している。
しかし、海水の場合、海流や表層や海底近くとか別れていてなかなか均一濃度にならないので流出量の計算も難しい。

ストロンチウムの生物的半減期は50年と長く、物理学的半減期も約30年と長い。したがって、セシウムの生物的半減期約100日と違って、引き算は無視できるので、年々足し算で累積されていくと考えるべきである。従って、ストロンチウムの影響は年々徐々に高まってくるものである。
放射性ストロンチウムはベータ線を放出し、近傍にある骨髄を被ばくし、造血組織に影響を与え、白血病の原因にもなる。

半世紀前、焼津市のマグロ漁船<第五福竜丸>がビキニ岩礁で水素爆弾により被ばくした。この時、被ばくを受けるや直ちに母港に逃げ帰った。この時の被ばくではストロンチウムが一番問題になったようである。被ばく量は多かったが、すぐ逃げ帰ったので、死者は船長だけで済んだ。もし操業続けていたら大惨事になるところであった。なお、当時の生存者もおられるので貴重な証言もお聞きできると思う。

現在、放射性ストロンチウムの問題は無視されているがそれでよいだろうか?
放射性ストロンチウムに関して、ただ一つの良い動きは、歯科医を中心に乳歯などの歯の保存運動である。しかし、起こってしまった後の因果関係の立証用であり、わびしい気持ちを禁じえない。

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