福島原発事故の規模はチェルノブイリの1/7から2、3倍へ拡大

  • 2013/08/29(木) 15:08:14

昨日のブログを読み返したら、汚染水の流失は大変な事態と書いたが、その程度についての量的な記載を忘れたことに気付いた。それで福島原発事故が大変な事態になっていることを量的な面からできるだけ分かり易く説明します。

2年前の今頃、国会の議論の中で放射性セシウムの量を聞いても事故の規模がよくわからないので広島原発を規準に比較したらどうなるかとの質問があった。
その時、広島原発の185個分と答えがあり、大きさが容易に頭に入った。
また同時に、チェルノブイリ事故と比較すると10数%(私は1/7と記憶した)との説明があったので、多くのヒトはチェルノブイリとの比較で安堵したと思う。
今問題になっている汚染水をこの図式で考えてみたい。

今回流失した300トンの汚染水の放射線量は京大の小出先生によればベータ線の線量は24兆ベクレルなので、広島原爆にほぼ匹敵するといわれた。福島第一原発構内に溜っている汚染水の総量は43万トンあり、濃度が同じとみなして比例計算すると、広島原爆約1400発分に相当することなる。従って、素人計算でも1400/185X1/7=1.1でチェルノブイリを少し上になったかという状況である。

なお、現在汚染水流失の事故レベルは3と判定されているが、何かのきっかけで大量流失すればすぐレベル7に格上げされてしまうことは容易に推察できる。

このような状況でもメディア報道からは深刻さは感じないが、現在の状況を国内の専門家はどうみているかいうと、英語論文のみの発信であるが、チェルノブイリ事故の2倍説(参考資料1)と3倍説(参考資料2)が公表された。

福島沖で海水中のセシウム濃度を測定している東京海洋大学のKanda教授は福島第一原発により放出されたセシウム137の総量は15.6京と算出した。
チェルノブイリ事故の放出総量8.5京なのでその2倍となる。なお、世界中(米、ソ連、中国、イギリス、フランス)で核実験が頻発に行われた時代に放出されたセシウム137を全部足すとこれくらいの値になるとのことだった。福島事故が如何にすさまじいか想像できると思う。

一方、Ebisawa核技術者は地下水まで溶質した量も加えて全てのセシウム137を算出すると27.6京となったので、チェルノブイリの3倍だった。

情報が少ない現時点での計算が多少違うのは当たり前なので二人の計算値はかなり近いものと解釈した。
従って、既にチェルノブリの2倍以上になったことは間違いないと見なせるだろう。

そのほか今回の流失問題では、今まで無視されてきたストロンチウム90とトリチウムが浮上してきた。ストロンチウム被ばく影響は骨に取り込まれると排泄が困難になることとβ線核種なので骨の近くにある造血細胞などは影響を受けやすくセシウムより何十倍(2から数百倍説まで諸説あり)も強い影響を受けるとみなすのが順当な考えであろう。
また白血病だけでなく糖尿病(娘核種のイットリウムが膵臓のインシュリン分泌機構を阻害)を起こすことになります。いづれにしてもストロンチウム90の簡易測定法は世界的にも認められているので其の方法の普及に努めるべきだ。
なお、骨ごと食べる小魚の摂食は測定値が示されるまで、少なくとも子供には食べさせるべきでないと思う。

トリチウムの放射線量は強くないが水素原子そのものなので、超遠心分離法で分離は可能であろうが経済性を加味したらとても除去など考えられない。

三重水素の生物的影響に関するレポートは知らないが天然の水でも極めて微量は含まれているので、いずれ調べてみるつもりでいる。

            参考資料
1.
http://enenews.com/water-with-pieces-of-nuclear-fuel-coming-up-from-ocean-floor-off-fukushima-coast-tokyo-professor-156-quadrillion-bq-of-cs-137-in-basements-getting-close-to-fallout-total-from-every-atomic-bombs-t
2.
http://enenews.com/nuclear-engineer-276-quadrillion-becquerels-of-cesium-137-estimated-to-have-seeped-into-water-that-fills-fukushimas-reactor-building-basements-triple-chernobyls-total-release-some-has-alr

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