内部被ばく問題はICRPモデルでは解決できず

  • 2011/06/26(日) 08:53:47

我が国の政府、専門家、メディアの放射線被ばくに対する考えはICRPモデルに全面的に依存している。ところがこのモデルはイギリスのセラフィールド海岸での低線量被ばく問題に全く無力であった。
それは当然であった。それは欠陥の理論だからである。

その理論に基づいた新聞社の間違いについては、鼻血および下痢の項で具体的にブログにて指摘した。
しかし、今回は理論に共通した間違いを指摘したい。ということは我が国の政府、専門家、メディアの放射線被ばくに対する考えそのものが、現在の医学・生物学の知識から時代遅れになっていることを意味する。
私たちはまるでガラパゴス島に住んでいるようだ。観光客誘致の基本はまず認識のギャップがどこにあるかを知らねばならない。

現在の放射線被ばくに関する世界共通の認識はECRR(欧州放射線リスク委員会)の2010年勧告にある。なお、我が国からはこの委員会に澤田昭二教授しか参加されてないようで残念である。

DNAのメカニズムがまだよくわからない頃の、放射線に対する細胞内の生物的応答のほとんど知られていなかった時代に原子力兵器産業に携わる物理学者中心に作られたものであり、その後、原子力発電の推進者達も加わった。
新たに荷重係数という修正係数を導入することによって理論の正当性を裏付けようと考えたと思う。
しかし、基本的な思考において重要な二つ(●)の欠陥がある。
●全ての核種をエネルギーのレベルで等価として変換する。
●生体の構造は脳神経、筋肉、肝臓そのほか分化しているのに組織内に均一することにより、平均化してしまう。
このような二つの平均化により複雑な計算も可能になり、しかし、その利点のために本当におきている実態とかけ離れてはならない。直視しなければ実態であり、計算に優先する。
この荷重係数は年齢によって変わり、一生の影響も加味されているような錯覚を与えるので私も当初信じてしまった。

この説明については私が書くより分かり易く、しかも図入りの資料がありましたので是非お読みください。
著者は琉球大学矢ヶ崎教授です。タイトルは国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告は内部被曝について評価する資格が無い
http://www.cadu-jp.org/data/yagasaki-file01.pdf

<引用はご自由に>

<<半祝スパコン「京」が世界一の性能達成 | ホーム | 放射能汚染水の海への流出の影響>>

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

<<半祝スパコン「京」が世界一の性能達成 | ホーム | 放射能汚染水の海への流出の影響>>

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

HOME |